公務員の試験情報・インターンシップ

国家総合職(経済区分)の試験の流れや二次試験で何点取ればいいのか解説

 

私は平成30年度国家公務員総合職試験経済区分(大卒程度)を最終合格しました。

以下では一次試験及び二次試験の得点の概略を記しています。受験生の皆様はぜひ参考にしてください。

なお、個人の特定を防ぐため、実際の点数とは若干異なることをご了承ください。

試験日程・採用プロセス

2021年度の採用プロセスは以下のとおり。

  • 2021年3月26日(金)9:00~4月5日(月)
    申込み期間
    インターネットまたは郵送で申し込みます
  • 4月25日(日)
    第一次試験
    基礎能力試験と専門試験(いずれも多肢選択式)が行われます。

    基礎能力試験 専門試験
    試験時間など

    3時間

    試験時間は3時間です。

    3時間30分

    試験時間は3時間30分です。

    出題数・満点

    40題

    文章理解から11題、数的処理から16題(うち資料解釈3問)、人文科学・自然科学・社会科学(時事含む)から13題の計40題出題されます。

    全問必答で、満点は40点です。

    46題

    46題出題され、そのうち40題解答します。

    ただし必須問題が31題あります。

    必須問題は、経済理論15題、財政学・経済政策5題、経済事情5題、統計学・計量経済学5題の計31題を回答します。

    選択問題は、以下の5科目15題から任意の計9題を回答します。

    経済史・経済事情 3題
    国際経済学 3題
    経営学 3題
    憲法 3題
    民法(担保物権、親族及び相続を除く) 3題

    満点は40点です。

    平均点

    19.701

    2020年度の基礎能力試験の平均点は19.701点でした。

    2019 15.852点

    2018 16.563点

    2017 18.792点

    2016 17.584点

    2015 20.231点

    2014 16.093点

    18.040

    2020年度の経済区分の専門試験の平均点は18.040点でした。

    2019 17.277点

    2018 15.947点

    2017 15.733点

    2016 17.155点

    2015 17.587点

    2014 18.690点

    基準点

    12

    40点満点中12点未満の場合は専門試験の結果に関わらず不合格となります。

    12

    40点満点中12点未満の場合は基礎能力試験の結果に関わらず不合格となります。

     

    合格発表日は5月7日(金)午前9時です。

  • 5月23日(日)
    第二次試験(筆記)
    専門試験(記述式)と政策論文試験が行われます。

    専門試験(記述式) 政策論文試験
    試験時間など

    4時間

    試験時間は4時間です。

    2時間

    試験時間は2時間です。

    出題数・満点

    5題

    5題出題され、そのうち3題解答します。

    ただし、経済理論1題は必須回答です。

    選択問題は、以下の4題から任意の2題を解答します。

    財政学
    経済政策
    公共政策A
    公共政策B

    ※公共政策からはAかBのいずれか1題のみ選択可。

    満点は60点です。

    1題

    満点は10点です。

    平均点

    30.650

    2019年度の経済区分の専門試験(記述式)の平均点は30.650点でした。

    ※2020年度はコロナの影響で中止

    2019 30.650点

    2018 30.997点

    2017 29.997点

    2016 30.239点

    2015 31.142点

    2014 30.876点

    6.078

    2020年度の政策論文試験の平均点は6.078点でした。

    2019 5.994点

    2018 5.945点

    2017 6.021点

    2016 5.916点

    2015 5.968点

    2014 5.962点

    基準点

    18

    60点満点中18点未満の場合は政策論文試験、人物試験の結果に関わらず不合格となります。

    4

    10点満点中4点未満の場合は専門試験、人物試験の結果に関わらず不合格となります。

  • 5月25日(火)~6月11日(金)のいずれかから指定される一日
    第二次試験(人物)
    人物試験(個別面接)が行われます。
  • 6月21日(月)16:00
    最終合格発表
    専門試験(記述式)と政策論文試験、人物試験は一次試験合格者を対象として評定した上で、最終合格者の決定に反映されます。
  • 最終合格発表後
    官庁訪問
    志望する官庁を訪問し、採用面接を受けます。
  • 10月1日以降
    内定
    官庁訪問を経て内定が出ます。
  • 翌年4月1日
    採用
    翌年4月1日に採用されます

合格者数・倍率(2019年度)

国家総合職全体

(単位:人)

※()の数字は、女性を内数で示します。

申込み者数 15435(6025)

第一次試験合格者数 2322(736)

最終合格者数 1145(383)

倍率 13.48倍(15.73倍)

経済区分

申込み者数 1778(491)

第一次試験合格者数 345(67)

最終合格者数 168(30)

倍率 10.58倍(16.37倍)

私の受験地は東京都でした。

第一次試験・第二次試験(専門記述)共に欠席者は1~2割程度で、人事院面接は9割以上が出席していました。

採用について

採用予定数

平成31年度の経済区分の採用予定数は約65名です。

過去の採用予定数は以下の通りです。

平成30年度 70人

平成29年度 75人

平成28年度 85人

実際の採用数

平成30年度の経済区分で実際に採用されたのは58人(うち女性22人)でした。

過去の採用数は以下の通りです。

平成30年度 58人(22人)※採用予定数より12人少ない

平成29年度 63人(25人)※採用予定数より12人少ない

平成28年度 67人(20人)※採用予定数より18人少ない

経済区分 H30 H29 H28
会計検査院 2(1) 2(1)
人事院 2(1) 2
内閣府 2(2) 4(2) 4
公正取引委員会 1(1) 1 1
警察庁 3(1) 3(2)
金融庁 5(4) 3(1) 6(3)
消費者庁 1
総務省 3(1) 8(4) 9(1)
消防庁
法務省
公安調査庁 1(1) 1
外務省 2(1) 4(1) 3
財務省 10(3) 10(5) 15(4)
国税庁 3(1) 2 2(2)
文部科学省 3 3(2) 3(1)
厚生労働省 2(2) 1 3(1)
農林水産省 3(2) 5(2) 3(1)
経済産業省 9(1) 8(4) 6(1)
特許庁
国土交通省 4(1) 8(2) 4(2)
気象庁
海上保安庁
環境省 3 2(1) 1
原子力規制委員会
造幣局 1
国立印刷局
防衛省 1(1)
衆議院法制局
参議院法制局
合計 58(22) 63(25) 67(20)

私の試験はこんな感じ

第一次試験と第二次試験が課されます。第二次試験は、第一次試験合格者のみが受験することができます。

第一次試験

国家総合職試験の問題は数ある公務員試験の中で最高難度と言われております。

対策としては、予備校の映像講座を受講し、

ひたすら過去問を解いていました。

(数的処理、自然科学、人文科学は3周~5周、文章理解は1周)

教養の社会科学は専門科目の対策で十分だと思ったので、クイックマスターは特に解きませんでした。

例によって2018年も難しく、特に数的処理が難化したため、平均点が大きく下落しました。

ちなみに私は16点でした。

専門試験(択一式)

私は経済史・経済事情、経営学、憲法を選択しました。

こちらも予備校の映像講座を受講し、ひたすら過去問や予備校が特別に作成した問題集を解いていました。

国際経済学や経済政策、経済史、統計学・計量経済学の過去問集はほとんど市販されていないため、予備校特製の問題集は本当に役立ちました。

とくに計量経済学・統計学は対策が難しく、他の公務員試験では出題されない科目のため捨てる方が多いと思います。

ただ、例年1問は分散や標準偏差を求める簡単な問題が出題されるので、基本的な問題は解けるようにしておいたほうがいいと思います。

こちらは例年並みの難易度で、私は26点でした。

第二次試験

第二次試験は専門試験(記述式)と政策論文試験、人物試験が課せられます。

専門試験(記述式)

一般的に公共政策Aは法律区分向け、公共政策Bは経済区分向けと言われています。

私は経済理論・財政学・経済政策を選択しました。

こちらも予備校の問題集答案添削システムを使って学習をすすめました。

以下、私の手ごたえと自己採点です。各科目20点満点の計60点満点で計算しております。

経済理論

自己採点・・・10/20

大門(1)

自己採点・・・4/10

3種類の財を消費する消費者の効用関数に関する問題。難問。

小門が6つあったが、1と2までしか書けず。3は勘。4~6にいたっては白紙。

大門(2)

自己採点・・・6/10

総需要曲線と総供給曲線に関する問題。普通~やや簡単

小門1~3まで解答。4は白紙。

財政学

自己採点・・・8/20

大門(1)

自己採点・・・5/10

医療及び介護に関する問題。試験委員の先生の本を読んでいれば簡単だったらしい。

小門は半分以上わからず。一応すべて埋めたが自信なし。

大門(2)

自己採点・・・3/10

生産要素と固定資産税に関する問題。普通~やや難

すべて書いたが的外れ感が否めない。

経済政策

自己採点・・・9/20

大門(1)

自己採点・・・2/5

HHIに関する問題。難問

全く分からず。

大門(2)

自己採点・・・2/5

○×問題。簡単~普通。

大門(3)

自己採点・・・5/10

ソローの経済成長等に関する問題。簡単~普通。

27点/60点満点中という予想でした。

実際の点数(素点)

開示した結果、

  • 経済理論→約17点
  • 財政学→約14点
  • 経済政策→約13点

合計44/60

という結果でした。

自信がなかったのにも関わらず点数がとれていたことには驚きました。

おそらく得点調整が行われたのでしょう。

政策論文試験

論文を書く上で資料がいくつか与えられますが、その資料の中に英文を含むことが特徴です。

出題内容はきわめて抽象的で、設問に対して具体的な意見をを論述する必要があります。

なお、資料すべてを使って論述することが前提条件です。

どうしても書き方がわからないという方は、以下の流れを意識して書いてみると、平均点は取れるのではないでしょうか。

  • STEP1
    資料①の要約
    与えられた資料①を簡単に要約します。
  • STEP2
    問題提起①
    資料①から考えられる問題を提示します。
  • STEP3
    資料②の要約
    与えられた資料②を簡単に要約します。
  • STEP4
    問題提起②
    資料②から考えられる問題を提示します。
  • STEP5
    資料③の要約
    与えられた資料③を簡単に要約します。
  • STEP6
    問題提起③
    資料③から考えられる問題を提示します。
  • STEP7
    問題①~③の共通項抽出
    問題①~③の共通項を見つけてまとめます。
  • STEP8
    現状分析
    STEP7を絡めながら現代社会が抱える課題等を挙げます。
  • STEP9
    解決策の提示
    これまで挙げた課題を解決するための施策や解決策を挙げます。

 

私は7点でした。

人物試験(個別面接)

人物試験は人事院面接とも呼ばれ3:1の個別面接です。時間は15~20分程度です。

質問内容は主に面接カードから問われます。

ですので、面接カードに書いた内容のことはすべて自信をもって答えられるように準備しておきましょう。

POINT

面接カードには、

志望動機ゼミナール・研究の内容学生時代力を入れたこと最近関心のある話題趣味・特技自己PR

などを記入します。

主に聞かれる典型的な質問は以下の通りです。

なぜ地方公務員ではなく、国家公務員を志望しているんですか

国家公務員になったら、どんな仕事をやってみたいですか

1分間で自己PRをしてください

学生時代、力を入れたことを教えてください

ゼミナールでのあなたの役割を教えてください

今興味のあるニュースは何ですか

など、様々です。また典型的なコンピテンシー面接で、深堀りされます。

POINT

コンピテンシー面接とは、

なぜその行動をとったか

なぜその考えに至ったのか

その結果どのような力が身についたか」など、

過去の経験を徹底的に深く掘り下げて質問を繰り返す面接のことです。

これによって、受験者のアピールに再現性があるかどうかを判断されます。

ここでは、「大会で優勝した」「売上○○万を達成した」など結果よりも、

優勝できたのは何故か」「どうやって売り上げ○○万を達成できたか」など、結果に至るまでの過程が重要視されます。

ちなみに評価の割合ですが、

A評価3%

B評価17%

C評価60%

D評価17%

E評価3%

と言われております。(これは国家一般職の人事院面接でも同様のことが言えます。)

私の場合、過去の経験について掘り下げられ、ゼミでの役割やサークルでの役割についてよく聞かれました。

和やかに面接は進み、評価はでした(これは手応え通りでした)。

私は予備校で面接対策をしていたので、本番それほど緊張することはありませんでした。

なお、E評価を取ってしまうと、いくら筆記の点数が良くても不合格(いわゆる足切り)となってしまうのでご注意ください。

配点比率

試験全体を15とした場合、

基礎能力試験 2/15

専門試験(択一式) 3/15

専門試験(記述式) 5/15

政策論文試験 2/15

人物試験 3/15

第一次試験の合格は基礎能力試験および専門試験(択一式)の結果によって決定します。

専門試験(記述式)と政策論文試験、人物試験は一次試験合格者を対象として評定した上で、最終合格者の決定に反映されます。

TOEICについて

国家総合職試験の場合、TOEICの点数が600点~725点の人は15点、730点以上の人は25点加算されます。

公務員試験の勉強でお忙しいとは思いますが、加算される点数の大きさやTOEICのコスパを考えると、受験を強くお勧めします。

私は15点の加点をいただきました。

TOEIC対策で使用した問題集

一次合格ラインボーダー

年度や試験区分によりますが、一般に、基礎能力試験と専門試験(択一式)でそれぞれ平均点+5~6点取れれば合格することができます。

経済区分の2018年度の一次合格ラインボーダー38~39点だったと予想されます。

基礎素点 専門素点 合計
12 40 52
12 39 51
12 38 50
12 37 49
12 36 48
12 35 47
12 34 46
12 33 45
12 32 44
12 31 43
12 30 42
12 29 41
12 28 40
12 27 39
12 26 38
13 25 38
14 24 38
15 23 38
16 22 38
17 21 38
18 20 38
19 19 38
20 18 38
21 17 38
22 16 38
23 15 38
25 14 39
26 13 39
27 12 39

最終合格=採用ではない?!

最終合格(二次試験に合格)した場合、官庁訪問と呼ばれる各府省庁の採用面接を経て内定者を決めるという仕組みになっています。

この官庁訪問では、各府省庁の人事担当者と15分~30分程度の面接を複数回行い、採用の可否が決まります。省庁によっては深夜まで時間がかかる場合があります。

説明会に参加してこまめに情報収集を行い、入念な準備を行いましょう。

予備校の先生や大学のキャリアセンターの方に面接対策を行ってもらうのも効果的です。

なお、例年採用漏れが一定数存在し、最終合格者の3人に2人は採用漏れになります。

席次について

上位3割でした。