公務員の給料・福利厚生

公務員の「昇給」とは

この用語のポイント

・「昇給」=同じ級のまま、号俸が上がって基本給(俸給月額)が増えること

・多くの場合、昇給は年1回のタイミングで行われる

・昇給は毎年必ずではなく、勤務成績や処分等で止まる(号俸が上がらない)こともある

30秒でわかる解説!

昇給(しょうきゅう)とは、

同じ級のまま号俸が上がり、基本給(俸給月額)が増えること

です。

民間でいう「定期昇給」に一番近い仕組みです。

公務員の給料は、ある日いきなりドカンと上がるものではありません。
多くの場合、少しずつ、階段を上るように増えていきます。

より深く理解したい方へ

そもそも、給料はどう決まる?

公務員の給与は、大きく分けると

  • 俸給(基本給)
  • 諸手当(地域手当・通勤手当など)
  • 期末・勤勉手当(ボーナス)

で構成されています。

このうち、すべての土台になるのが「俸給」です。

そして、この俸給は

俸給表

と呼ばれる表で一覧になっています。

俸給表(ほうきゅうひょう)は

公務員の基本給が書いてある表

です。給料表って言ったりもします。

公務員の給料は、上司の気分で決まったり、
「今年はなんとなくこれくらい」で決まったりはしません。
ちゃんとしたルールで決まっています。
そのときに使われるのが、俸給表です。

俸給表には、

  • 職務の級
  • 号俸

がずらっと並んでいて、
その交差したマスに「毎月の基本給の金額」が書いてあります。

「職務の級」は、

その人が担当している仕事のレベル

を表します。

仕事の

  • 複雑さ
  • 困難さ
  • 責任の重さ

などを基準にして決められます。

「号俸」は

同じ職務の級の中での、給料の位置

です。

もう少しやさしく言うと、

同じレベルの仕事をしている人たちの中で、
「どのあたりの給料か」
を表す番号です。

例えば、こんな感じです。

ある職場に、1級の人が3人いました。

みんな、仕事のレベルとしては同じです。
ただし、経験や評価には差があります。

  • 今年入ったばかりの人
  • 5年目の人
  • 10年目の人

では、給料がまったく同じでは不自然ですよね。

そこで登場するのが、号俸です。

○級の中には、

1号俸
2号俸
3号俸

30号俸

のように、
という細かい段階が用意されています。

この
「どの段階にいるか」
を表すのが、号俸です。

この号俸が上がることを

昇給

といいます。

たとえば、そうですね。

今年は10号俸でした。
来年は14号俸になりました。
再来年は18号俸になりました。

この
「前よりちょっと増えた」
これが昇給です。

昇給はいつ行われる?

では、いつ昇給するのかというと、原則は

年1回(多くの場合は1月1日)

です。地方公務員によって異なる場合がありますが、大体1月1日です。

標準的な区分では

4号俸

進むケースが多いです。

つまり、
今が10号俸なら、次は14号俸へ。
今が22号俸なら、次は26号俸へ。
というふうに進みます。

ただし、これは自動ではありません。

仕事ぶりをもとにした人事評価があって、
その結果に応じて、

  • めちゃくちゃ進む人
  • ちょっと多めに進む人
  • 標準どおり進む人
  • 少しだけ進む人
  • 止まる人

が分かれます。

成績区分が高い場合は6号俸以上進むこともあります。
8号俸以上進むケースはまれです。

一方で、休職・休業・懲戒処分・最高号俸到達などの場合は、昇給しません。

昇給とベースアップの違い

給料が上がる仕組みとしては、

ベースアップ

っていうのもあります。

昇給とベースアップは、どちらも「給料が上がること」です。
でも、この二つは上がり方の意味が違います。

まず、昇給は

年に1回号俸が増えること

です。

たとえば、
5級10号俸の人が
5級14号俸になる。

このように、
俸給表という“階段”の上を、
一段のぼるのが昇給です。

一方で、ベースアップ(給与水準の引き上げ)は

階段そのものが高くなること

です。

さっきの昇給は、
同じ階段をのぼる話でした。

ベースアップは、
その階段の一段一段が、
まるごと高く作り直されるイメージです。

たとえば、
5級10号俸が
30万円 → 31万円に書き換えられる。

すべての号俸の金額が、
まとめて底上げされます。

言い方を変えると

  • 昇給=自分が前に進む
  • ベースアップ=地面ごと持ち上がる

です。

ベースアップはいつ行われるのか?

ベースアップは、昇給と違って年に1回必ず行われるわけではありません。

不景気だったら上がらないこともありますし、
好景気だとしても好き勝手に上がるわけではありません。

ベースアップは誰が決めているのか?というと、

ざっくり言えば

人事院が調べて、国会と内閣が最終決定する

という仕組みです。

まず前提として。
国家公務員は、ストライキをしたり、会社みたいに給料交渉をしたりできません。
自分たちで「給料上げてください」と交渉できない世界です。

そこで登場するのが人事院です。

人事院とは一言でいうと、

国家公務員の給料や働き方をチェックするために置かれた、国の中の“独立機関”

です。

ここが大事なポイントです。

人事院は

「〇〇省」ではありません。

  • 外務省
  • 財務省
  • 文部科学省
  • 厚生労働省

こういう「省」とは別枠です。

そして

国家公務員の中にあるけど、どの省庁の言うことも直接は聞かない機関

です。

そんな人事院は、民間企業をたくさん調査します。

  • 民間の給料はいくらくらいか
  • ボーナスは何か月分くらいか
  • どんな職種で、どれくらいもらっているか

こういうデータを集めます。

これは例えるなら、
「近所のスーパーの値段を全部見て回る人」
みたいな役目です。

りんごはいくら。
牛乳はいくら。
卵はいくら。

周りの相場を調べないと、
高すぎるのか、安すぎるのか分かりませんよね。

人事院は、まさにこれをやっています。
そして、
「民間と比べて、公務員の給料はこのくらいが妥当です」
という報告書を出します。

これを

人事院勧告

って言います。

ただし。
人事院は「決める人」ではありません。
「おすすめする人」です。

実際に給料を決めるのは、
内閣と国会です。

人事院の勧告を参考にしながら、
予算や景気も見て、
法律として決めます。

つまり、

  • 相場を調べるのが人事院
  • ルールとして決めるのが国会と内閣

こういう分業です。

ざっくりまとめ!

「昇給」とは、

同じ級のまま、号俸が上がって俸給(基本給)が増えること

と覚えておきましょう。