国家公務員

国家公務員の初任給はいくらか?総合職vs一般職、大卒vs高卒で比較

国家公務員の給与は、民間の水準と均衡を図りつつ、全国一律の俸給表とこれを補完する諸手当から成る給与体系が法定されており、適正な水準を確保するように設計されています。

国家公務員の初任給については、国家公務員法第六十二条に定める職務給の原則に基づき、採用試験の種別に採用時の官職に応じて設定されています。この記事では、国家公務員の初任給の概要について解説します。

この記事でわかること
  • 国家公務員の初任給の概要
  • 国家公務員の初任給の金額
  • 国家公務員の初任給の推移

国家公務員の初任給の概要

国家公務員の給与は、民間企業の基本給に相当する俸給と、諸手当(期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)や地域手当等)からなっています。

国家公務員の初任給については、国家公務員法第六十二条に定める職務給の原則に基づき、採用試験の種別に採用時の官職に応じて設定されています。

国家総合職の初任給の金額

国家総合職の初任給の金額は以下のとおりとなっています。

試験 級・号俸 月額
国家総合職
(院卒者)
2級11号俸 317,520円
国家総合職
(大卒程度)
2級1号俸 301,200円

※人事院勧告が完全実施されると仮定した場合の2025年4月1日の金額です。
※本府省に採用されて内部部局に配属された場合の代表例で、地域手当と本府省業務調整手当を含みます。
※このほか、要件を満たした場合は、通勤手当、超過勤務手当、住居手当、扶養手当等の諸手当を支給。期末・勤勉手当は、年間に俸給の月額等の約4.65月分(6月、12月に分けて支給)

国家一般職の初任給の金額

国家一般職の初任給の金額は以下のとおりとなっています。

試験 級・号俸 俸給月額
国家一般職
(大卒程度)
1級25号俸 232,000円
国家一般職
(高卒者)
1級5号俸 200,300円

※人事院勧告が完全実施されると仮定した場合の2025年4月1日の金額です。
※このほか、要件を満たした場合は、地域手当、通勤手当、超過勤務手当、住居手当、扶養手当等の諸手当を支給。期末・勤勉手当は、年間に俸給の月額等の約4.65月分(6月、12月に分けて支給)

地域手当の支給額の計算式は、【(俸給+俸給の特別調整額+専門スタッフ職調整手当+扶養手当)の月額×支給割合 】です。

級地 主な地域 支給割合
1級地 東京都特別区 20%
2級地 横浜市、大阪市 16%
3級地 さいたま市、千葉市、名古屋市 12%
4級地 仙台市、静岡市、神戸市、広島市、福岡市 8%
5級地 札幌市、岡山市、高松市 4%

国家専門職の初任給の金額

国家専門職の初任給の金額は以下のとおりとなっています。

試験 級・号俸 俸給月額 給料月額
※東京勤務の場合
国税専門官
(大卒程度)
税務職俸給表
1級22号俸
265,400円 318,480円
労働基準監督官
(大卒程度)
行政職俸給表(一)
1級26号俸
233,700円 280,440円
財務専門官
(大卒程度)
行政職俸給表(一)
1級25号俸
232,000円 278,400円
皇宮護衛官
(大卒程度)
公安職俸給表(一)
1級21号俸
265,600円 318,720円
矯正心理専門職
(大卒程度)
公安職俸給表(二)
1級21号俸
263,600円 316,320円
法務教官
(大卒程度)
公安職俸給表(二)
1級21号俸
263,600円 316,320円
保護観察官
(大卒程度)
行政職俸給表(一)
1級25号俸
232,000円 278,400円
食品衛生監視員
(大卒程度)
専門行政職俸給表
1級9号俸
232,800円 279,360円
航空管制官
(大卒程度)
※基礎研修終了後
専門行政職俸給表
1級9号俸
232,800円 279,360円
海上保安官
(大卒程度)
※現場配属後
公安職俸給表(二)
1級28号俸
272,400円 326,880円
皇宮護衛官
(高卒程度)
公安職俸給表(一)
1級3号俸
230,400円 276,480円
刑務官
(高卒程度)
公安職俸給表(一)
1級3号俸
230,400円 276,480円
入国警備官
(高卒程度)
公安職俸給表(一)
1級3号俸
230,400円 276,480円
税務職員
(高卒程度)
※普通科卒業時
税務職俸給表
1級7号俸
231,700円 276,480円

※人事院勧告が完全実施されると仮定した場合の2025年4月1日の金額です。
※このほか、要件を満たした場合は、地域手当、通勤手当、超過勤務手当、住居手当、扶養手当等の諸手当を支給。期末・勤勉手当は、年間に俸給の月額等の約4.6月分(6月、12月に分けて支給)

国家公務員の初任給の推移

国家公務員の初任給の推移グラフです。(人事院「国家公務員の初任給の変遷(行政職俸給表(一))」を基に筆者作成)


まとめ

国家公務員には最低賃金法の適用はなく、その給与については、給与法等の法令において、給与の種類や支給基準、給与額等が具体的に定められています。

その中で、国家公務員の初任給については、近年、民間企業における初任給水準の上昇を踏まえ、引き上げられてきています。

具体的な金額は、大卒総合職では23万円~、大卒一般職では22万円~となっており、今後も引き上げられる可能性があります。