昇格時号俸対応表

海事職俸給表(一)が6級から7級へ昇格したら号俸はどうなる?昇格時の基本給の変化をわかりやすく解説

国家公務員として働く中で、多くの職員が目指す「級の昇格」。特に6級から7級への昇格は、気になる方が多いのではないでしょうか。

この記事では、昇格時にどのように号俸(基本給)が変動するのか、その仕組みや注意点を具体的に解説します。

職務の級と号俸の違いとは?

国家公務員の月々の基本給は、「俸給表」という一覧表によって定められています。

この俸給表は、いわば国家公務員の給与の設計図です。そして、その設計図には、給与額を決めるために重要な2つの柱があります。それが、「職務の級」と「号俸」です。

まず、「職務の級」は、職員が担当する職務の複雑さ、困難さ、責任の度合いに応じて定められる区分です。

イメージとしては、役職や職責のレベルに近いもので、例えば同じ俸給表でも、係員→係長→課長や看護師→看護師長→看護部長、助教→准教授→教授などといった職務の段階に対応しています。昇進すると、通常はこの「職務の級」が上がります。

では、「号俸」とは何でしょうか? 号俸は、同じ「職務の級」の中でも、さらに細分化された区分です。

俸給表を見ると、「級」ごとに縦に番号が並んでいます。この番号が「号俸」です。

同じ級の中でも、号俸が一つ上がるごとに俸給(基本給)の月額が増える仕組みになっています。

かつては勤続年数が長くなるにつれて自動的に号俸が上がる、いわゆる「年功序列」の要素が強かったですが、近年は勤務成績も号俸の上昇(昇給)に影響を与えるようになっています。

例えば、一定の年齢(55歳)を超えると、標準的な勤務成績では昇給が停止する制度もあります。

また、令和6年度の改定では、管理職について、昇進(昇格)による給与上昇を基本としつつも、成績優秀者は昇給(号俸上昇)でも大きな給与上昇が得られる制度が導入されました。

つまり、号俸とは、

  1. 同じ職務の級の中での給与段階を示す区分です。
  2. 勤務年数や勤務成績によって上昇(昇給)していきます。
  3. 号俸が上がると、基本給(俸給月額)が増加します。

「職務の級」が担当する仕事のレベルや責任の重さを表すのに対し、「号俸」は同じレベルの仕事をする中で、どれだけ経験を積み、あるいは貢献しているか(成績)を反映して給与を調整する仕組みと言えるでしょう。

6級→7級 昇格時の号俸対応表の見方

昇格時には、人事院が示す「昇格時号俸対応表」に基づき、前級の号俸に対応する号俸が新たに割り当てられます。

一例として以下のような対応になります。

6級(昇格前) 7級(昇格後)
6級7号俸 7級1号俸
6級21号俸 7級1号俸
6級35号俸 7級3号俸

このように、号俸は減っているように見える場合でも、級が上がることで基本給は原則として維持または増加するように設計されています。

見かけの号俸の数字が小さくなっても減給ではありません。

級ごとに給与テーブルが異なり、上位級の同号俸は下位級の高い号俸と同等以上の水準になるよう調整されています。

これは、昇格により職責が重くなる分、報酬水準も上がるという制度設計によるものです。

出典:人事院規則九―八

6級→7級 昇格時の号俸対応表

以下に、海事職俸給表(一) 適用の国家公務員が 6級 から 7級 に昇格した際の、対応する号俸の一覧表を掲載します。

下記の表は人事院の昇格時号俸対応表に基づいており、該当する 7級 の欄を確認することで、昇格後に適用される号俸が一目で分かります。

昇格前 昇格後
6級1号俸
476,600円
7級1号俸
532,600円
(+56,000円)
6級2号俸
478,400円
7級1号俸
532,600円
(+54,200円)
6級3号俸
480,200円
7級1号俸
532,600円
(+52,400円)
6級4号俸
482,000円
7級1号俸
532,600円
(+50,600円)
6級5号俸
483,800円
7級1号俸
532,600円
(+48,800円)
6級6号俸
485,500円
7級1号俸
532,600円
(+47,100円)
6級7号俸
487,200円
7級1号俸
532,600円
(+45,400円)
6級8号俸
488,800円
7級1号俸
532,600円
(+43,800円)
6級9号俸
490,200円
7級1号俸
532,600円
(+42,400円)
6級10号俸
491,400円
7級1号俸
532,600円
(+41,200円)
6級11号俸
492,600円
7級1号俸
532,600円
(+40,000円)
6級12号俸
493,600円
7級1号俸
532,600円
(+39,000円)
6級13号俸
494,500円
7級1号俸
532,600円
(+38,100円)
6級14号俸
495,500円
7級1号俸
532,600円
(+37,100円)
6級15号俸
496,500円
7級1号俸
532,600円
(+36,100円)
6級16号俸
497,400円
7級1号俸
532,600円
(+35,200円)
6級17号俸
497,700円
7級1号俸
532,600円
(+34,900円)
6級18号俸
498,600円
7級1号俸
532,600円
(+34,000円)
6級19号俸
499,400円
7級1号俸
532,600円
(+33,200円)
6級20号俸
500,300円
7級1号俸
532,600円
(+32,300円)
6級21号俸
501,200円
7級1号俸
532,600円
(+31,400円)
6級22号俸
502,100円
7級1号俸
532,600円
(+30,500円)
6級23号俸
503,000円
7級1号俸
532,600円
(+29,600円)
6級24号俸
503,900円
7級1号俸
532,600円
(+28,700円)
6級25号俸
504,700円
7級1号俸
532,600円
(+27,900円)
6級26号俸
505,400円
7級1号俸
532,600円
(+27,200円)
6級27号俸
506,000円
7級1号俸
532,600円
(+26,600円)
6級28号俸
506,600円
7級1号俸
532,600円
(+26,000円)
6級29号俸
507,100円
7級1号俸
532,600円
(+25,500円)
6級30号俸
507,600円
7級1号俸
532,600円
(+25,000円)
6級31号俸
508,200円
7級1号俸
532,600円
(+24,400円)
6級32号俸
508,800円
7級1号俸
532,600円
(+23,800円)
6級33号俸
509,100円
7級1号俸
532,600円
(+23,500円)
6級34号俸
509,600円
7級2号俸
533,700円
(+24,100円)
6級35号俸
510,100円
7級3号俸
534,800円
(+24,700円)
6級36号俸
510,600円
7級4号俸
535,800円
(+25,200円)
6級37号俸
511,100円
7級5号俸
536,800円
(+25,700円)
6級38号俸
511,700円
7級6号俸
537,400円
(+25,700円)
6級39号俸
512,000円
7級7号俸
538,200円
(+26,200円)
6級40号俸
512,600円
7級8号俸
539,000円
(+26,400円)
6級41号俸
513,100円
7級9号俸
539,700円
(+26,600円)

昇格メリットは一律じゃない?

国家公務員が昇格する際には、級が替わるため、号俸の数字が下がることがあっても基本給は原則として増加します。

これが「昇格メリット」であり、その増加額は一律ではなく、号俸の位置によって差がある点に注意が必要です。

6級33号俸(509,100円)から7級1号俸(532,600円)への昇格では、差額は+23,500円。

6級41号俸(513,100円)から7級9号俸(539,700円)への昇格では、差額は+26,600円。

号俸が中間層までは昇格メリットが大きくなり、上位層では差額がやや抑制される傾向があります。 つまり「昇格=大幅昇給」とは限らず、昇格メリットは号俸の位置により変動するという点を理解しておくことが重要です。

【FAQ】国家公務員の昇格と号俸に関するよくある質問

Q1. 国家公務員が6級→7級に昇格すると、号俸は下がるのですか?

A. 見かけ上、号俸の数字が小さくなることがありますが、7級のほうが給与表の水準が高いため、基本給が下がることはありません。制度上、同等以上の給与水準が確保されるよう設計されています。

Q2. 昇格時の号俸はどうやって決まるのですか?

A. 人事院が定める「昇格時号俸対応表」に基づいて、昇格前の号俸に応じた号俸が新しい級で割り当てられます。これにより、公平で一貫した処遇が確保されます。

Q3. 号俸が下がるのは不利益変更にならないのですか?

A. 号俸の「数字」が下がるだけで、支給される基本給は昇格前と同等かそれ以上です。そのため、法律上の不利益変更には該当しません。むしろ、級が上がることで将来的な昇給や昇任の余地が広がります。

Q4. 昇格の判断は誰が、どのように行っているのですか?

A. 各府省庁が、職員の勤務成績、職務経験などを総合的に判断し、人事院規則に基づいて昇格を決定します。近年は業績評価制度も導入されており、能力や実績が重視されつつあります。