公務員の給料・福利厚生

【国家公務員】俸給の調整額はどんな手当で金額はいくらかを解説

俸給の調整額は特定の職員にだけ支給される

航空管制官や麻薬取締官、本府省でサイバーセキュリティ等に従事する職員、刑務所・少年刑務所・拘置所等に勤務する医師や薬剤師、看護師長等には、一般職の職員の給与に関する法律第十条の規定に基づき、俸給の調整額が毎月支給されます。

国家公務員の俸給の調整額とは、職務の複雑、困難若しくは責任の度又は勤労の強度、勤務時間、勤労環境その他の勤労条件が同じ職務の級に属する他の官職に比して著しく特殊な官職に対し、その特殊性に基づいて俸給月額を調整するために支給されるものです。

ざっくり言うと、「俸給表を新しく作るほどでもないけれども、かといって同じ俸給表を適用するのもなんか不平等な気がする」というときに、その業務の特殊性に基づいて俸給月額を調整するものとして設けられたのが俸給の調整額制度です。

俸給表の調整額の金額

俸給の調整額は、調整数×調整の基本額で算出されます。

調整数と調整基本額は、人事院規則九-六の別表において定められています。

例えば航空管制官は、専門行政職俸給表が適用されるので、調整数が二で職務の級が1級の若手職員だと2×8,500円=17,000円が毎月支給されます。

調整数

令和4年4月1日現在

勤務箇所 職員 調整数
一 人事院、内閣官房(内閣サイバーセキュリティセンターを除く。)、宮内庁、公正取引委員会、警察庁、カジノ管理委員会、金融庁、消費者庁、デジタル庁、総務省、法務省、出入国在留管理庁、外務省、財務省、国税庁、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、林野庁、経済産業省、国土交通省、環境省及び原子力規制委員会 サイバーセキュリティの確保、情報システムの整備若しくは管理又はこれらと併せて行われる事務の運営の改善及び効率化に関する業務に直接従事することを本務とする職員(人事院の定める者に限る。)
一の二 内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター (1) サイバーセキュリティ運用専門官(人事院の定める者に限る。)
(2) 上席情報システム専門官及び情報システム専門官(人事院の定める者に限る。)
一の三 内閣官房国際テロ情報集約室 国際テロ情報収集指導・支援連絡調整官(人事院の定める者に限る。)
二 刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院及び少年鑑別所 (1) 医師及び歯科医師
(2) 病理細菌技術者及び診療放射線技術者
(3) 理学療法技術職員及び作業療法技術職員
(4) 臨床工学技士
(5) 薬剤師及び栄養士
(6) 看護師長、看護師及び准看護師(医療刑務所、医務部を有する刑務所若しくは拘置所又は医療少年院に勤務する者に限る。)
(7) 看護師長、看護師及び准看護師((6)に掲げる者を除く。)
(8) 患者輸送用自動車運転手(人事院の定める者に限る。)
二の二 婦人補導院 (1) 医師
(2) 看護師
三 区検察庁 検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第三十六条の規定に基づき検察官の事務を取り扱うことを命ぜられた検察事務官(人事院の定める者に限る。)
四 地方更生保護委員会事務局 (1) 保護観察官(更生保護管理官、調整指導官、指導監査官、首席審査官、統括審査官、分室長及び総務課に勤務する者を除く。)
(2) 保護観察官(更生保護管理官、調整指導官、指導監査官、首席審査官、統括審査官及び分室長に限る。)
五 保護観察所 (1) 保護観察官(所長、次長、支部長、課長、民間活動支援専門官、首席保護観察官、社会復帰対策官及び統括保護観察官を除く。)
(2) 社会復帰調整官((4)に掲げる者を除く。)
(3) 保護観察官(支部長、課長、首席保護観察官、社会復帰対策官及び統括保護観察官に限る。)
(4) 首席社会復帰調整官及び統括社会復帰調整官
五の二 入国者収容所及び地方出入国在留管理局 (1) 医師
(2) 薬剤師
(3) 看護師
六 外務省総合外交政策局 国際テロ情報収集指導・支援官(人事院の定める者に限る。)
六の二 在外公館 国際テロ情報収集担当官(人事院の定める者に限る。)
七 国立ハンセン病療養所 (1) 医師及び歯科医師(所長及び副所長を除く。)
(2) 病理細菌技術者及び診療放射線技術者
(3) 看護助手(総看護師長室に勤務する者を除く。)
(4) 看護師長(一看護単位のみを担当している者及び手術室に勤務する者に限る。)並びに看護師及び准看護師(総看護師長室に勤務する看護師及び准看護師を除く。)
(5) 所長及び副所長(人事院の定める者に限る。)
(6) 理学療法技術職員、作業療法技術職員及びマツサージ師
(7) 言語聴覚士
(8) 臨床工学技士
(9) 栄養士
(10) 義肢工、洗濯員、調理師、電気士、営繕手及び入所者輸送用自動車運転手
(11) 看護師長((4)に掲げる者を除く。)
(12) 入所者係事務職員
八 国立医薬品食品衛生研究所及び国立感染症研究所 (1) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条に定める感染症の病原体その他の危険な病原体(以下「危険な病原体」という。)又は危険な病原体に汚染された病変組織その他の物件を直接取り扱う業務に従事することを常例とする病理細菌技術者
(2) (1)に掲げる業務に従事することを主たる職務内容とする職員(人事院の定める者に限る。)
九 国立児童自立支援施設 (1) 寮長として児童と起居を共にする職員((2)に掲げる者を除く。)
(2) 寮長として児童と起居を共にする職員(課長に限る。)
(3) 教育及び指導に直接従事することを本務とする職員((1)、(2)及び(6)に掲げる者を除く。)
(4) 医師((1)、(2)及び(8)に掲げる者を除く。)
(5) 副寮長
(6) 調査課長、教務課長、研修課長及び養成課長((2)に掲げる者を除く。)
(7) 教育及び指導に直接従事することを常例とする職員(人事院の定める者に限る。)
(8) 医師((2)に掲げる者以外の課長に限る。)
(9) 心理療法士
(10) 看護師
(11) 児童の輸送に従事する自動車運転手(人事院の定める者に限る。)
十 国立障害者リハビリテーションセンター(自立支援局の国立光明寮、国立保養所及び国立福祉型障害児入所施設を除く。)及び人事院の定める病院 (1) 介護員(人事院の定める者に限る。)
(2) 看護師及び准看護師((6)に掲げる者以外の者で人事院の定めるものに限る。)
(3) 医師(人事院の定める者に限る。)
(4) 理学療法技術職員及び作業療法技術職員(人事院の定める者に限る。)
(5) 生活支援員、職業指導員、心理判定員、精神保健福祉士、精神障害者社会復帰指導員及び就労支援員((14)に掲げる者を除く。)
(6) 看護師長(肢体不自由者を専ら入院させるための病棟(人事院の定めるものに限る。)に勤務する者及び人事院の定める者に限る。)並びに当該病棟に勤務する看護師及び准看護師
(7) 医師及び歯科医師((3)に掲げる者並びに院長、副院長及び部長並びに人事院の定める者を除く。)
(8) 危険な病原体に汚染された検体を直接取り扱うことを常例とし、入院患者及び外来患者に直接接する病理細菌技術者
(9) 放射線による治療その他の放射線の照射の業務を入院患者及び外来患者に直接接して行うことを常例とする診療放射線技術者
(10) 理学療法技術職員及び作業療法技術職員((4)に掲げる者を除く。)
(11) 言語聴覚士及び視能技術職員
(12) 心理療法士(人事院の定める者を除く。)
(13) 理療教育・就労支援部に属し、教育に直接従事することを本務とする職員
(14) 総合相談課長、総合支援課長、視覚機能訓練課長、生活訓練課長、肢体機能訓練課長及び就労移行支援課長
(15) 看護師長、看護師及び准看護師((2)及び(6)に掲げる者を除く。)
(16) 調理の実習指導のため入所者に直接接することを常例とする栄養士
(17) 入所者の援護の業務に直接従事することを本務とする職員(人事院の定める者に限る。)
十一 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局国立光明寮 (1) 生活支援員及び心理判定員((3)に掲げる者を除く。)
(2) 教育に直接従事することを本務とする職員(課長を除く。)
(3) 支援課長
(4) 看護師及び准看護師
(5) 調理の実習指導のため入所者に直接接することを常例とする栄養士
(6) 入所者の援護の業務に直接従事することを本務とする職員(人事院の定める者に限る。)
十二 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局国立保養所 (1) 介護員
(2) 看護師及び准看護師
(3) 医師((7)に掲げる者を除く。)
(4) 理学療法技術職員及び作業療法技術職員
(5) 生活支援員、職業指導員、心理判定員及び就労支援員((8)に掲げる者を除く。)
(6) 看護師長
(7) 医師(課長に限る。)
(8) 支援課長
(9) 調理の実習指導のため入所者に直接接することを常例とする栄養士
(10) 入所者の援護の業務に直接従事することを本務とする職員(人事院の定める者に限る。)
十三 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局国立福祉型障害児入所施設 (1) 重度知的障害児の保護及び指導に直接従事することを本務とする児童指導員及び保育士(交替制により勤務する者に限る。)
(2) 重度知的障害児の保護及び指導に直接従事することを本務とする児童指導員及び保育士((1)及び(5)に掲げる者を除く。)
(3) 重度知的障害児の看護に直接従事することを本務とする看護師及び准看護師(交替制により勤務する者に限る。)
(4) 医師
(5) 療育支援課長
(6) 重度知的障害児の保護及び指導に直接従事することを常例とする児童指導員
(7) 看護師及び准看護師((3)に掲げる者を除く。)
(8) 保健師
(9) 作業療法技術職員
(10) 言語聴覚士
(11) 心理療法士
(12) 重度知的障害児の輸送に従事する自動車運転手(人事院の定める者に限る。)
十四 地方厚生局及び地方厚生支局の麻薬取締部並びに地方麻薬取締支所 (1) 麻薬取締官((2)に掲げる者を除く。)
(2) 部長、部次長、密輸・広域事犯管理官及び支所長
十五 公共職業安定所 (1) 就職が困難な者に対する職業紹介又は職業指導の業務に常時従事する職員(人事院の定める者に限る。)
(2) 日雇労働者に対する職業紹介又は失業給付を主として行う公共職業安定所(人事院の定めるものに限る。)に勤務する職員
十六 水産庁、地方整備局及び気象庁 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶(乗組員の航行中における一週間の勤務時間その他の勤務条件が特別なものとして人事院の定める船舶に限る。)に乗り組む職員で海事職俸給表(二)の適用を受けるもの
十七 特許庁 (1) 審査官((3)に掲げる者以外の者で人事院の定めるものに限る。)
(2) 審判官((4)に掲げる者以外の者で人事院の定めるものに限る。)
(3) 先任上席審査官
(4) 先任審判官
(5) 審査官補
十八 国土交通省航空局、地方航空局、海上保安学校宮城分校並びに管区海上保安本部の海上保安航空基地及び航空基地 (1) 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)別表に定める定期運送用操縦士又は事業用操縦士の資格を有する者が行う業務に従事することを本務とする設計審査官(人事院の定める者に限る。)
(2) (1)に掲げる業務で人事院の定めるものに従事することを本務とする職員((1)に掲げる者を除く。)
(3) 航空法別表に定める一等航空士、二等航空士又は航空機関士としての業務に従事することを本務とする職員
十九 地方航空局の空港事務所、空港出張所及び空港・航空路監視レーダー事務所並びに航空交通管制部 (1) 航空管制官((3)に掲げる者以外の者で航空交通管制業務に直接従事することを本務とするものに限る。)
(2) 航空交通管理管制官((4)に掲げる者以外の者で航空交通管理管制業務に直接従事することを本務とするものに限る。)
(3) 先任航空管制官
(4) 先任航空交通管理管制官
(5) 航空管制運航情報官(先任航空管制運航情報官以外の者で対空援助業務に直接従事することを本務とするものに限る。)
(6) 航空管制通信官(先任航空管制通信官以外の者で国際管制通信業務に直接従事することを本務とするものに限る。)
二十 海上保安庁 (1) 巡視船、全長二十メートル以上の巡視艇その他全長二十メートル以上の船舶で人事院の定めるものに乗り組む職員
(2) 特殊警備隊に属し、特殊警備業務に直接従事することを本務とする職員
(3) 特殊救難隊に属し、特殊救難業務に直接従事することを本務とする職員
(4) 全長二十メートル以上の灯台見回り船に乗り組む職員((1)に掲げる者を除く。)
(5) 巡視艇又は特殊警備救難艇で全長二十メートル未満のもの(特殊警備救難艇にあつては、人事院の定めるものに限る。)に乗り組む職員
(6) 海上警備隊に属し、海上警備業務に直接従事することを本務とする職員
(7) 海上保安航空基地又は航空基地に属し、機動救難業務に直接従事することを本務とする職員
(8) 全長二十メートル未満の灯台見回り船に乗り組む職員
二十一 原子力規制庁原子力規制部 原子力専門検査官(人事院の定める者に限る。)
二十二 原子力規制庁(人事院の定める事務所に限る。) (1) 原子力防災専門官(人事院の定める者に限る。)
(2) 原子力運転検査官

調整基本額

令和4年4月1日現在

行政職俸給表(一)

職務の級 調整基本額
1級 6,600円
2級 8,500円
3級 9,600円
4級 10,200円
5級 10,600円
6級 11,200円
7級 12,100円
8級 12,700円
9級 14,300円
10級 15,900円

行政職俸給表(二)

職務の級 調整基本額
1級 6,000円
2級 7,400円
3級 8,500円
4級 8,700円
5級 9,600円

専門行政職俸給表

職務の級 調整基本額
1級 8,500円
2級 9,600円
3級 10,600円
4級 11,300円
5級 12,100円
6級 12,700円
7級 14,300円
8級 15,900円

公安職俸給表(二)

職務の級 調整基本額
1級 7,300円
2級 8,900円
3級 10,200円
4級 11,300円
5級 11,600円
6級 12,000円
7級 12,400円
8級 13,100円
9級 14,300円
10級 15,900円

海事職俸給表(一)

職務の級 調整基本額
1級 7,000円
2級 8,600円
3級 10,600円
4級 12,200円
5級 12,800円
6級 14,100円
7級 15,200円

海事職俸給表(二)

職務の級 調整基本額
1級 6,200円
2級 7,800円
3級 9,200円
4級 9,500円
5級 9,900円
6級 10,800円

教育職俸給表(一)

職務の級 調整基本額
1級 10,500円
2級 11,900円
3級 12,700円
4級 15,000円
5級 16,300円

教育職俸給表(二)

職務の級 調整基本額
1級 9,200円
2級 11,300円
3級 12,200円

研究職俸給表

職務の級 調整基本額
1級 8,000円
2級 9,300円
3級 10,900円
4級 11,700円
5級 14,500円
6級 15,900円

医療職俸給表(一)

職務の級 調整基本額
1級 10,800円
2級 13,100円
3級 14,500円
4級 15,600円
5級 16,900円

医療職俸給表(二)

職務の級 調整基本額
1級 6,200円
2級 8,000円
3級 9,100円
4級 9,700円
5級 10,500円
6級 11,300円
7級 12,200円
8級 13,800円

医療職俸給表(三)

職務の級 調整基本額
1級 8,100円
2級 9,400円
3級 9,700円
4級 10,000円
5級 10,400円
6級 11,600円
7級 12,500円

福祉職俸給表(一)

職務の級 調整基本額
1級 7,800円
2級 9,300円
3級 9,600円
4級 10,600円
5級 11,200円
6級 12,100円