ホワイトでまったりとしたイメージから多くの就活生に人気のある大学職員。特に一部の私立大学については総合商社並みの給料がもらえることから、一部の就活生に絶大な人気を誇ります。
国立大学の職員についても、私立大学よりは給料が劣るものの、それでも公務員と同等の給料・福利厚生が得られることから、民間企業から公務員志望者まで幅広く支持されています。
学生支援、キャリアサポート、成績管理、入試、研究支援、産学連携、医療支援、図書館、経営企画、広報、総務、人事、財務など幅広い業務に携われることが特徴の一つで、アカデミックで落ちついた雰囲気のキャンパスで働くことができます。
営業ノルマがなく、ワークライフバランスが充実していることを志望理由に挙げる方も多いでしょう。
また、基本的には採用された大学に定年まで勤務し続けることになるので、転居を伴う転勤がないことも魅力の一つです。
とはいえ、国立大学の職員になるためには「公務員試験を受験しなければならない」と思いこみ、選択肢から外してしまっている就活生も多いのではないでしょうか。
それは半分正しくて、半分間違っています。
国立大学の職員になるためには主に2つのルートがあります。一つは公務員試験を受験するルート、もう一つが公務員試験を受験しないルートです。
国立大学法人等職員採用試験を受験する
公務員試験を受験するルートは「国立大学法人等職員統一採用試験(以下「統一試験」といいます)」といい、以下のとおり選考が進みます。
まず、全国7つの受験地区(北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国四国、九州)の中から一つ選び、そこで筆記試験を受験します。
筆記試験合格後、受験した地区にある各機関の採用面接を経て採用が決まります。
例年、筆記試験が7月と比較的遅い時期に行われることや、日程が被らない限り複数の機関で採用面接を受けられることが特徴です。
この統一試験で厄介なのが、「筆記試験に落ちると各機関の面接を受けることができない」ということです。
いくら働きたい大学が複数あったとしても、筆記試験で合格することができなければ、採用面接まで進めません。
したがって、試験対策は十分に行う必要がありますが、合格ボーダーが7割であるうえ、ライバルの多くは地方公務員や国家公務員を併願しているため、レベルが高いです。
近年は倍率が減少傾向にあるものの、それでも2020年度の関東甲信越地区における事務系職員の倍率は3.8倍と、4人に1人しか合格しない計算となります。
そこでお勧めしたいのが、次の「公務員試験を受験しないルート」です。
独自試験を受験する
公務員試験(統一試験)を受験しない場合は、各国立大学が独自に行う採用試験(以下「独自試験」といいます)を受験することになります。
独自試験の内容は他の民間企業の就活と同じで、エントリーシート、グループディスカッション、SPI、集団面接、個別面接などが課されます。内容も各大学で異なります。
そのため、民間志望者も受験しやすく、公務員受験生にとっても面接練習のいい機会となります。
スケジュールも他の民間企業と同じように3月解禁で6月に内定が出ることが多いです。サクサクと選考が進むことは大きな魅力です。
一方で独自採用にもデメリットがあります。それは「独自採用を行っている国立大学が少ない」ということです。
統一試験ではほとんどの国立大学で採用活動が行われるのに対して、独自試験を行っている大学はその2/3にも満たないでしょう。
しかしながら、独自試験を行っている大学の多くは、統一試験からの採用数よりも独自試験からの採用数のほうが多く、「どうしてもこの大学に就職したい!」という場合はまずはその大学が独自採用を行っているかを調べて、行っているのであれば独自試験を受験するのがいいでしょう。
独自試験と統一試験は併願できることも多いです。たとえ独自試験がダメだったとしても、統一試験で再チャレンジすることができます。
ちなみに、独自試験と統一試験で処遇等に差はありません。
独自採用を行っているおすすめの国立大学
最後に、独自試験を行っている大学で、編集部がおすすめする国立大学を独断と偏見で6つ選んでみました。
東京大学
30人
※独自試験
691.3万円
※残業代を除く
217,729円
※大卒
東京で働きたい就活生は「東京大学」がおすすめです。おそらく全国の国立大学でも一番の人気を誇ります。
2020年度の独自試験からの採用数は30人、統一試験からの採用数は15人です。
採用プロセス
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5月下旬第一次選考エントリーシート
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5月下旬~6月上旬第二次選考WEB上で適性検査(変更前:グループディスカッション)
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6/13または6/14第三次選考オンラインによる個別面接
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6月下旬最終選考オンラインによる役員面接
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6月下旬~7月上旬最終合格新卒者の採用予定日は2021年4月1日
初任給
大卒 | 217,729円 |
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修士卒 | 233,622円 |
博士卒 | 252,503円 |
2020年度の平均年収は691.3万円でした。詳しくは以下の記事をご覧ください。

京都大学
30人
※独自試験
642.2万円
※残業代を除く
200,420円
※大卒
関西で働きたい就活生は「京都大学」がおすすめです。採用数も多く、日本最高クラスの研究力がある大学です。
2020年度の独自試験からの採用数は30人、統一試験からの採用数は10人です。
採用プロセス
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5月下旬~6月上旬第一次選考書類選考
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5月下旬~6月上旬第二次選考面接考査(3回程度)
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6月下旬最終合格新卒者の採用予定日は2021年4月1日
初任給
大卒 | 200,420円 |
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2020年度の平均年収は642.2万円でした。詳しくは以下の記事をご覧ください。

東北大学
10人
※独自試験
691.3万円
※残業代を除く
193,132円
※大卒
「東北大学」も採用数が多く、ねらい目でしょう。旧帝大の一つとして高い研究力と充実した教育が魅力の大学です。
2020年度の独自試験からの採用数は10人、統一試験からの採用数は15人です。
採用プロセス
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3/1~4/14リクナビからエントリーリクナビからエントリーしてエントリーシートを提出します
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4/17~4/20Web適性検査エントリーシートを提出した人のみWeb上で適性検査が行われます
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~5/1第一次選考書類選考、小論文(エントリーシート内)及び適性検査
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6月上旬第二次選考グループディスカッション及び個別面接(予定)
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6月中旬最終選考役員等面接(予定)
初任給
大卒 | 193,132円 |
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修士卒 | 207,230円 |
2020年度の平均年収は584.5万円でした。詳しくは以下の記事をご覧ください。

大阪大学
18人
※独自試験、2019年度
638.1万円
※残業代を除く
202,384円
※大卒
大阪大学は採用ホームページも一風変わった魅力的な構成になっています。
2019年度の独自試験からの採用数は18人、2020年度の統一試験からの採用数は5人です。
採用プロセス
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~5/11第一次選考エントリーシート
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6/6第二次選考グループディスカッション
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6/23以降第三次選考以降個別面接等
初任給
大卒 | 202,384円 |
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修士卒 | 217,280円 |
2020年度の平均年収は638.1万円でした。詳しくは以下の記事をご覧ください。

一橋大学
6人
※独自試験
691.3万円
※残業代を除く
209,530円
※大卒
2020年度の東京で働きたい就活生には、「一橋大学」もおすすめです。採用数は少ないものの東京で働けて転勤がないことは魅力です。
2020年度の独自試験からの採用数は6人、統一試験からの採用数は0人です。
採用プロセス
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~6/9第一次選考エントリーシート
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7/4第二次選考120分の5肢択一式による教養試験(筆記)、適性検査
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7/11第三次選考面接
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7/16第四次選考面接
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~7/21最終合格新卒者の採用予定日は2021年4月1日
初任給
大卒 | 209,530円 |
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修士卒 | 224,825円 |
2020年度の平均年収は652万円でした。詳しくは以下の記事をご覧ください。

広島大学
若干名
※独自試験
599.6万円
※残業代を除く
187,666円
※大卒
地方志向の就活生には「広島大学」がおすすめです。
2020年度の独自試験からの採用数は若干名、統一試験からの採用数は1人です。
採用プロセス
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5月上旬書類選考エントリーシート(マイナビ)
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6月上旬一次面接個別面接等
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6月中旬二次面接個別面接等+適性検査
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6月下旬三次面接個別面接等
初任給
大卒 | 187,666円 |
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2020年度の平均年収は599.6万円でした。詳しくは以下の記事をご覧ください。
