公務員の不祥事・炎上

イラスト無断使用で損害賠償?自治体・教育機関の著作権トラブル事例まとめ

目次

近年、全国の地方自治体や教育機関による著作権侵害が相次いでいます。特に目立つのは、インターネット上のイラストを「無料素材」だと誤認して無断使用するケースで、市区町村の広報誌や学校だより、ホームページに掲載された画像を巡って、著作権者や画像管理会社から損害賠償を請求される事案が多発しています。支払い額は数万円から百万円超に及び、公的機関の信頼を揺るがす問題となっています。

著作権侵害が発覚するきっかけは、著作権者や管理会社からの指摘や請求書の送付が大半で、掲載から数年を経て発覚するケースも少なくありません。使用者側が「有料であると気付かなかった」「出典不明だった」と釈明しても、法的責任を免れることはできず、多くの事例で損害賠償金の支払いや和解金の支出が必要となっています。金額は数万円から100万円超と幅広く、再発防止策や議会報告も必須となる場合が多いです。

また、教育機関における問題では、教員が学校だよりや配布プリントに使用したことが契機となり、学校全体に波及するリスクもあります。職員や教員の中には「著作権研修を受けたことがあった」にもかかわらず誤認していた事例もあり、制度としての徹底が不十分であることが露呈しています。

このような背景から得られる教訓は明白です。まず、著作物の使用時には、出典・利用規約の確認を徹底すること。そして、全職員に対する著作権研修の義務化や定期的なリマインド、広報・教育資料作成時のチェック体制の強化が不可欠です。「無料と思った」「検索して出てきたから使った」は理由になりません。公的機関としての信頼を損ねないためにも、著作権遵守の意識と体制づくりが重要です。

近年相次ぐ著作権侵害の実態を受け、実際に発生した事案を一覧にまとめました。損害賠償額や和解内容、再発防止策まで、全国の自治体・教育機関による具体的なケースを時系列で掲載しています。

石川県加賀市(2025年8月報道)

市の男女共同参画の施策説明ページに、2018年から約7年間、ネットで見つけた有料イラストを無断使用。2025年4月、当該イラストを有償提供していた京都市の会社から書面で指摘が入り判明。約157万円(約7年分の使用料相当)を著作権者側に支払い、和解する方針。加賀市行政まちづくり課課長は「あってはならないこと。今後は研修会を開くなどし、著作物の使用について周知徹底したい」とコメント。再発防止策として、職員向け研修の実施と周知徹底を行う方針。

出典:ネットで見つけたイラストを市のHPに7年間無断掲載…加賀市が157万円支払いへ(読売新聞オンライン)

福島県相馬市(2025年6月報道)

福島県相馬市が、市ホームページに掲載する「公民館だより」において、著作権者の許可を得ずにイラストを無断使用していた。市側は当該イラストを「無料で使える」と誤認していたが、著作権者の指摘により発覚。市は損害賠償金を支払った。

出典:イラスト無断使用、相馬市が賠償金支払い 無料で使えると誤認 | 福島ニュース | 福島民友新聞社

千葉県旭市(2025年6月公表)

2023年6月30日、海上中学校が発行した学年だよりおよび学校ホームページにおいて、著作権者の許可を得ずにイラストを使用し、著作権を侵害していたことが判明。損害賠償額として8万8,000円を支払うこととなった。

出典:専決処分の報告について

川崎市立川崎病院(2025年6月公表)

市立川崎病院が2017年1月に開催した院内コンサートの配布プログラムにおいて、インターネットで見つけた有料イラストを著作権者の許可なく使用し、同病院のホームページにも掲載していた。2024年11月11日、有償提供元の会社からの指摘により無断使用が判明。著作権者側に15万4,000円を支払い、和解する方針となった。再発防止策として、広報物におけるイラスト等の使用時は利用規約等の確認を徹底する旨、文書で注意喚起を実施し、職員向け著作権研修の受講を勧奨するとともに、広報物の内容審査を管理監督者が徹底するよう局内に周知する方針。

出典:市立川崎病院におけるイラストの無断使用について

島根県安来市(2025年2月報道)

島根県安来市立の学校が作成した「学校だより」において、インターネット上のスポーツ関連イラストを著作権者の許可なく使用し、ホームページでも公開していた。担当教員は当該イラストをフリー素材と誤認していたが、2023年11月に著作権者代理人から指摘を受け、同月中に損害賠償金22万円を支払った。市は2024年7月の市議会緊急会議でこの専決処分を報告した。

出典:「学校だより」でイラスト無断使用、賠償金22万円支払いへ…教員がフリー素材と思い込む

愛知県愛西市(2025年2月公表)

2023年7月、愛西市立勝幡小学校の教員が、著作権者の許可を得ずにイラストを使用してプリントを作成し、児童の保護者に配布するとともに、同校のホームページにも掲載。これにより著作権者に損害を与えた。2024年に損害賠償額として12万1,000円を支払うこととなった。

出典:専決処分事項の報告について(損害賠償の額の決定及び和解について)

一般社団法人 京都府臨床検査技師会(2025年1月公表)

「京臨技ニュースレター No.63(2018年10月)」および「京都府臨床検査技師会会誌 2019年 Vol.46」に掲載したイラストについて、著作権者である株式会社アートバンクの管理する有料素材を無料イラストと誤認して無断使用していたことが指摘された。指摘を受け確認したところ、6年以上が経過していたため詳細な入手経緯は不明であったが、誤認使用であったことを認め、該当箇所を削除。事例収集・検討を経て、使用料として212,300円(税込)を支払うことを理事会として承認した。

出典:令和 6 年度 一般社団法人 京都府臨床検査技師会 第 10 回定例理事会議事録

大分県立佐伯支援学校(2024年12月報道)

県立佐伯支援学校が2016年1月、児童と保護者向けの学校通信を作成する際、インターネット上で公開されていた忍者のイラストを無断使用し、配布およびホームページ上に掲載。2024年6月、大阪府在住のイラストレーターから使用料を求める文書が届き、事実確認の上、損害賠償として28万6000円を支払い。県教委は、他校でも同様の無断使用の可能性があるとして調査を進行中。

出典:学校通信にネット上の「忍者」画像を無断使用、大分県教育委員会が損害賠償28万6000円支払う

東京都東久留米市(2024年11月報道)

2022年11月、東久留米市立中学校の教員が作成した学校だよりにおいて、インターネット検索で見つけたテニスの有料イラストを、著作権者の許可を得ずに無断使用し、保護者に配布するとともに、学校ホームページにも掲載していた。2023年5月に著作権者の代理人弁護士からの連絡で無断使用が発覚。学校は該当の学校だよりを削除し、同年7月末に市が著作権者に損害賠償金17万6,000円を支払って和解。教員は全額の賠償を負担した。再発防止策として、全市立小中学校長に対し、イラスト使用時の利用規約確認を徹底するよう通知した。

出典:「学校だより」でイラストを無断使用、賠償金17万6000円は教員が全額負担

福岡県太宰府市(2024年11月公表)

2023年7月に発行された学校便りにおいて、著作権者の許可を得ずにイラストを使用。同便りは印刷物として配布されたほか、学校のホームページにも掲載されていた。2024年10月25日に、当該イラストを有償提供していた会社から損害賠償請求があり、賠償額は8万8,000円となった。

出典:専決処分の報告について

茨城県石岡市(2024年11月報道)

市立中学校が2023年4月に作成した冊子「部活動運営方針」の表紙および同校ホームページに、インターネット上で公開されていたイラストを許可なく掲載。該当サイトには個人利用以外は有料と明記されていたが、職員は無料利用可能な画像と誤認し使用していた。2024年10月に著作権者側から文書で問い合わせがあり無断使用が発覚。市は損害賠償として17万6,000円を支払う方針で、12月の市議会定例会に関連議案を提出する。再発防止策として、全ての市立学校への指導を徹底するとしている。

出典:ネットのイラスト無断使用 石岡市立中学校 市が賠償金17万6000円支払いへ 茨城

三重県立杉の子特別支援学校(2024年10月公表)

県立杉の子特別支援学校が、平成26年10月に発行した学校だより「杉っこ通信(平成26年2学期号)」において、著作権者の許可を得ずにイラストを使用し、同校のウェブサイトにも掲載していた。2024年1月、当該イラストの管理事業者から同校に書面で指摘があり、無断使用が発覚。10年近く経過していたため入手経緯は確認できなかったが、当時の関係者はフリー素材と誤認して著作権確認を行っていなかったことが明らかとなった。再発防止策として、県立全校へ著作権侵害の有無を確認・注意喚起を実施し、今後は県立学校長会において本事案を説明、著作物利用のルールを周知徹底するとともに、再発防止を各校に文書で通知予定としている。

出典:杉の子特別支援学校におけるイラストの無断使用について

神奈川県平塚市(2024年10月公表)

平成28年3月に開催された「ひらつか市民スポーツフェスティバル」の案内を作成する際、インターネットで検索した有料イラストを有料との認識がないまま許諾なく使用し、著作権を侵害していた。案内は延べ5地区の地域情報ホームページ「ちいき情報局」に継続的に掲載されていた。2024年6月10日に著作権者側の弁護士から請求書が届き発覚し、交渉のうえ損害賠償として44万円を支払うことで合意した。再発防止策として、庁内への注意喚起および著作権に関する研修を実施するとしている。

出典:有料イラストの無断使用に係る損害賠償

長野県王滝村(2024年9月報道)

王滝村がイラスト1点を約11年にわたり無断使用していたことが発覚し、著作権を有する男性に対し損害賠償として解決金76万円を支払う議案を9月定例会に提出。村議会は原案通り可決。

出典:フリー素材と思い込んでイラスト無断使用 王滝村、著作権者に解決金76万円支払う

広島県立竹原高等学校(2024年9月公表)

令和5年7月29日から令和6年7月9日までの間に、竹原高等学校の職員の行為により著作権侵害が発生。損害賠償金として11万円を支払うこととなった。

出典:令和6年広島県議会9月定例会提案見込事項

滋賀県大津市(2024年8月報道)

滋賀コミュニティセンター(旧滋賀公民館)が発行する広報誌「四季のたより」において、著作権者の許可を得ずにイラスト3点を無断使用していたことが発覚。2024年4月、京都市のデザイン会社「株式会社アートバンク」からの指摘により判明し、示談交渉の結果、損害賠償金として総額29万4,250円を支払うこととなった。

出典:大津市、29万円賠償へ 広報誌でイラスト無断使用 /滋賀

青森県八戸市(2024年8月報道)

市内公民館の職員が、インターネットで検索してダウンロードしたイラストを、規約を確認せず「公民館だより」に使用。実際には該当素材は非営利の個人利用以外は有料であり、自治体利用も有料対象だったため、著作権者から2024年6月に指摘があり発覚した。該当のイラストは2023年1月発行の広報紙に掲載され、市のホームページでも約1年間公開されていた。損害賠償額11万円は全国市長会市民総合賠償補償保険により支払われた。再発防止策として、公民館だよりなどを発行する際はイラストの出典元の確認を徹底するほか、著作権制度に関する研修で職員の意識向上に努めるとしている。

出典:「無料イラストかと…」公民館職員、利用規約の確認怠る 著作権元、八戸市に損賠請求

愛媛県西条市(2024年8月報道)

2014年11月から2024年7月までに西条市のホームページに掲載されたウォーキングマップおよび、2021年から2024年3月までに発行された2つの公民館だよりにおいて、インターネット上からダウンロードしたとみられる2種類のイラストを、著作権者の許可なく使用。大阪府内のイラストレーターが著作権侵害を主張し、損害賠償として約240万円の支払いを求め、大阪地裁に提訴。西条市は掲載の事実は認めつつ、使用料や著作権侵害の有無については裁判で争う方針。

出典:自治体HPで著作権侵害の指摘… イラスト使用料240万円余り請求される 市は争う方針 愛媛・西条市

山梨県昭和町(2024年6月報道)

昭和町が2004年1月から2009年12月まで発行した広報誌(紙・電子版含む)全144号において、2001年に作成した都市計画マスタープランの表紙のイラストを無断使用。2023年10月、著作権管理会社からの指摘により発覚。著作権者に対し損害賠償金443万5200円を支払う方向で調整中。昭和町は「著作物の適切な取り扱いを改めて確認していく」とコメント。

出典:広報誌にイラスト無断使用 6年間にわたり 著作権者らに440万円賠償へ 山梨・昭和町

福島県平田村(2024年6月報道)

平田村のこども園が2020年8月に発行した広報紙において、インターネット上で見つけた「イスに座る子どもが本を読むイラスト」を無断使用。広報紙は保護者らに配布されたほか、外部団体のホームページにも約3年11か月間掲載されていた。2025年8月、使用許諾業務を請け負う業者からの指摘により無断使用が判明。著作権侵害を認め謝罪し、22万2615円を損害賠償として支払う予定。澤村和明村長は「再発防止に向け、著作物の取り扱いに厳正を期し信頼回復に努めてまいります」とコメント。

出典:こども園の広報紙にネット上のイラスト無断使用 約22万円の損害賠償支払いへ 福島・平田村

埼玉県立八潮南高等学校(2024年6月公表)

埼玉県立八潮南高等学校の広報紙等において、著作権者の許可を得ずにイラストを掲載し、著作権を侵害していたことが判明。損害賠償額18万7,000円を支払う対応が取られた。

出典:埼玉県議会令和6年6月定例会付議予定議案件名表

大阪府熊取町(2024年5月公表)

町が発行する「高齢者見守りネットワーク」のチラシに、平成29年11月から令和5年8月までの約6年間にわたり、著作権者の許可を得ずにイラストを無断使用していた。2024年時点で著作権侵害が判明し、損害賠償額40万円を支払うこととなった。

出典:損害賠償に関する専決処分報告について

滋賀県近江八幡市(2024年5月報道)

令和3年6月から令和5年9月まで、近江八幡市が開催した子ども・子育て会議で配付した資料「近江八幡市児童福祉の状況」の表紙に、インターネット上でダウンロードした有料イラストを著作権者の許可なく使用。同資料は会議後に市ホームページにも掲載された。令和5年9月に、著作権者の利用許諾業務を受託する会社(東京都千代田区)から使用経緯の説明を求める文書が届き、調査の結果、無断使用が確認された。2024年4月11日、使用期間に対応する示談金28万1,600円を同社に支払い、和解に至った。再発防止策として、著作権者や権利関係が不明確なイラストの使用を控えるよう、全庁に通知文を配布した。

出典:近江八幡市が会議資料にイラスト無断使用で示談金

岐阜県多治見市(2024年5月公表)

平成25年9月、著作権者の許可を得ずに市立小泉小学校の学校報および同校ホームページにイラストを掲載。以降、令和5年9月まで当該学校報をインターネット上で公開し、著作権者に損害を与えた。2024年3月22日、損害賠償額として35万2,000円を支払うことが決定された。

また、平成28年5月、著作権者の許可を得ずに、市の公式Facebookおよび広報物にイラストを掲載し、令和6年3月まで継続してFacebook上で公開。著作権者に損害を与えたとして、2024年3月26日、損害賠償額64万3,500円の支払いが決定された。

出典:令和6年第2回多治見市議会臨時会議案説明資料

鹿児島県日置市(2024年4月報道)

2018年6月、日置市の広報チラシ「日置市女性センター銀天街だより」や同センターのホームページ、関連するFacebookにおいて、笑顔で寄り添う高齢夫婦のイラストを、著作権者の承諾を得ずに無断使用。当時の担当者が無料素材と誤認していた。2024年2月末に県外の著作権者から指摘があり発覚し、市は事後承諾の形で1年分の使用料として20万3,500円を支払うことで合意。企画課長は「著作権の認識や確認が不十分だった。誠に申し訳ない。再発防止に努める」とコメント。

出典:ネット上のイラスト「無料と誤認」 日置市、広報チラシに無断使用 著作権者が指摘、1年分の使用料20万円支払いへ

佐賀県白石町(2024年4月報道)

2022年7月、佐賀県白石町内の小学校校長が作成した学校だよりにおいて、インターネット検索で見つけた風鈴のイラストを、著作権者の許可なく使用。保護者に配布するとともに、小学校のホームページにも掲載していた。校長は「フリー素材」だと誤認していたが、2022年12月に著作権者の代理人弁護士からの指摘により無断使用が発覚。学校は該当の学校だよりをホームページから削除し、著作権者側に11万円を賠償することとなった。

出典:「学校だより」で著作物無断使用 フリー素材と勘違いで11万円賠償

徳島県徳島市(2024年4月報道)

2021年6月に開催された第2回徳島市中心市街地活性化協議会で配布された資料「市中心市街地活性化基本計画について」において、市職員がインターネット上のイラスト1点を無料素材と誤認し、著作権者の許可を得ずに無断使用。資料は市のホームページにも掲載されていた。2023年12月、イラスト掲載サイトの運営会社から使用経緯の問い合わせがあり、無断使用が判明。2024年3月に運営会社と合意し、解決金24万7,500円を支払った。市企画政策課は、「著作権の確認不足でこのような事態を招き、非常に申し訳ない。注意喚起を徹底していく」とのコメントを出した。再発防止策として、著作権に関する職員研修を実施予定としている。

出典:徳島市がネット上のイラスト無断使用、著作権侵害で解決金24万円…職員が無料と勘違い

愛知県美浜町(2024年4月報道)

町広報誌「広報みはま」において、著作権者の許諾を得ずにイラストを無断使用していたことが複数確認され、著作権者と解決金407,000円および弁護士費用110,000円の支払いで和解。

出典:愛知・美浜町の広報誌でイラストを無断使用 著作権者に解決金50万円支払い(中日新聞)

埼玉県立高等看護学院(2024年2月公表)

埼玉県立高等看護学院が発行する学内広報紙等において、著作権者の許可を得ずにイラストを掲載し、著作権を侵害していたことが判明。損害賠償額として88,000円を支払うこととなった。

出典:埼玉県議会令和6年2月定例会付議予定議案件名表

新潟県佐渡市(2024年2月報道)

佐渡市の職員が2017年度の産業振興セミナー、2018年度の社会教育イベントのポスター・チラシ・ネット告知に、著作権法人が管理するイラストを無断使用。いずれもインターネットで無料素材と誤認して使用。2022年に法人から指摘を受け、弁護士を通じて協議の上、損害賠償額38万5000円を支払うことを専決処分。

出典:無料素材と勘違い…新潟佐渡市がイラストを無断使用 法人に38万円の損害賠償支払い

玄海町立玄海みらい学園(2024年1月公表)

平成29年、当時の玄海みらい学園長が学園だより「みらい」8月号を作成する際、インターネット上のイラストをフリー素材と誤認して使用し、玄海みらい学園のホームページに掲載していた。その後、著作権者の代理人弁護士から著作権侵害に当たるとの指摘を受け、本事案が発覚。損害賠償額は50万6,000円となった。玄海町教育長は、「このたびは、学園だよりの著作権侵害により損害賠償の責任を負うこととなり、教育委員会として深くお詫び申し上げます」とのコメントを出した。再発防止策として、教育委員会および玄海みらい学園を含め、著作権に対する認識を強化し、再発防止に努める方針としている。

出典:令和6年玄海町議会定例会3月会議会議録

宮城県岩沼市(2023年12月報道)

2021年、岩沼市が作成した冊子などにおいて、著作権者の許可を得ずにイラスト2点を無断転載していたことが判明。管理会社は、2016年に名取市の類似事案で使用料を請求した同じ会社であり、岩沼市は損害賠償として123万7,500円を支払った。

出典:イラストまた無断使用で17万円支払い 名取市、7年前も同じミス

鳥取県鳥取市(2023年12月公表)

令和2年7月1日に発行された「浜坂公民館だより」などにおいて、著作権者の許可を得ずにイラストを使用していたことが判明。著作権を有する相手方との間で損害賠償および和解が成立し、著作権侵害に係る損害賠償金が支払われた。

出典:令和5年12月鳥取市議会定例会附議案案件

宮城県名取市(2023年12月報道)

2022年7月、名取市立小学校の教員が作成した学校だよりにおいて、インターネット上で見つけた金魚のイラストを、著作権者の許可を得ずに無断転載し、保護者に配布するとともに、学校ホームページにも掲載していた。教員は「フリー画像」と検索し、無料素材と誤認して使用したが、2023年11月、著作権者の個人から2年分の使用料の倍額を請求する書面が届き、損害賠償金17万6,000円を支払うことで和解。議案は12月15日の市議会で可決された。なお、名取市では2016年にも同様の無断使用で103万円を支払った過去がある。

出典:イラストまた無断使用で17万円支払い 名取市、7年前も同じミス

大分県中津市(2023年11月報道)

2016年9月、市立本耶馬渓中学校の教諭が「ほけんだより」に、インターネット上で見つけた柔道のイラストを著作権者の許可を得ずに転載し、学校ホームページにも掲載していた。教諭は無料のフリー素材と誤認していたが、2023年7月に著作権者の代理人弁護士から使用料請求書が届き無断使用が発覚。市教育委員会が調査したところ、実際には使用料が発生する旨が利用規約に明記されていた。イラストはホームページ上で3年間公開され、その後削除されたが、サーバー上にデータが残っていたため、7年間の使用料相当額25万3,000円を支払うことで示談が成立。2023年10月16日付で専決処分が行われ、市議会12月定例会で報告された。再発防止策として、各校に対し、ホームページ等に転載しているイラストの利用規約を改めて確認するよう通知を実施予定としている。

出典:中学校「ほけんだより」にイラスト無断使用…教諭がネットから転載、25万3000円賠償

徳島県徳島市(2023年8月報道)

2014年に市立昭和小学校が発行した食育だよりにおいて、著作権者の許可なくイラスト1点を無断転載し、約9年間にわたり学校ホームページ上でも掲載していたことが判明。2023年8月、著作権者からの指摘を受けて問題が発覚し、賠償金25万円を支払った。

出典:昭和小ホームページで9年間、有料イラスト無断使用 徳島市教委が賠償金25万円支払い

和歌山県みなべ町(2023年8月公表)

6年前に発行された議会だよりに使用したイラストが、実際には著作権を有する有料素材であったことが作成者からの指摘により判明。フリー素材と誤認して使用されていた。弁護士等に相談の上、6年間の使用料として22万円を著作権者に支払った。

出典:みなべ町議会だよりVOL.71

千葉県成田市(2023年5月報道)

2023年4月から約9カ月間にわたり、成田市立小学校の学年だよりおよびホームページに、インターネット上の有料イラストを著作権者の許可なく使用。教員がフリー素材と誤認していた。2024年6月までに無断使用が判明し、大阪府のイラスト作成者らに対し、損害賠償として54万5,600円を支払う予定。

出典:学年だよりにイラスト無断掲載 フリー素材と誤認 成田市、54万支払いへ

兵庫県明石市(2023年5月報道)

2021年7月、明石市立小学校の職員が、ネットで「夏のイラスト フリー」などと検索し、表示されたイラスト1点を著作権者の許可を得ずに使用してプリントを作成し、児童の保護者に配付するとともに、同校ホームページにも掲載していた。2024年、著作権者から損害賠償として17万6,000円の請求書が届いたが、市は「2022年4月のホームページリニューアル以降、当該ページは通常閲覧できない状態だった」と主張し、結果として5万5,000円の支払いで合意に至った。同校は「ネット上のイラストを安易に使うべきでなかった」として、学校だよりに使えるイラスト集を購入した。市教委は市内の小・中・特別支援学校に「ネット上の画像を使う時は十分に注意してほしい」と注意を呼びかけた。

出典:「夏のイラスト フリー」で検索したのに…著作権者から賠償請求 学校だよりやHP掲載、明石市の小学校

福島県南相馬市(2023年5月報道)

2020年9月頃から約1年半にわたり、市生涯学習センターの会報紙に、大阪府柏原市の個人が作成したイラスト2点を、著作権者の許可を得ずに無断使用。職員は「個人使用のみ無料」とする注意書きを見落としていた。著作権者から352,000円の損害賠償請求訴訟を受けたが、2023年3月に25万円を支払うことで和解した。2023年5月8日の定例記者会見で門馬和夫市長が明らかにした。市長は「ご迷惑をかけ申し訳ない。著作権の問題はネット時代に特に注意しなければならない」とのコメントを出した。

出典:ネット上のイラストを無断使用 南相馬市が25万円支払いで和解

神奈川県横浜市(2023年5月公表)

横浜市立学校のウェブページ上等で、著作権者の許可を得ずにイラストを無断使用していた件について、著作権者が損害賠償を求めて提訴。訴訟上の和解により、横浜市は著作権者に対して解決金341,000円を支払うことで合意した。

出典:令和5年第2回市会定例会議案等提出一覧

岐阜県各務原市(2023年3月報道)

各務原市教育委員会が、学校だよりに著作権者の許諾を得ずイラストを使用していたことが発覚。著作権者からの賠償請求を受け、解決金として22万円を支払うことで合意。

出典:学校だよりにイラスト無断使用、有料の認識なし 権利者に解決金、岐阜・各務原市教委

岡山県岡山市(2023年3月報道)

市立中学校が、著作権者の許可を得ずにインターネット上のイラストを学校ホームページに掲載し、無断使用していたことが判明。著作権者との間で協議の結果、使用料相当の損害賠償金18万7,000円を支払うことで和解した。

出典:中学校HPでイラスト無断使用 岡山市教委、18万7千円賠償へ:山陽新聞デジタル|さんデジ

千葉県山武市(2023年3月報道)

山武市内の市立中学校が作成した学校だよりにおいて、インターネット上のイラストを著作権者の許可なく無断使用していたことが判明。著作権者である県外在住のイラストレーターに対し、市は損害賠償金12万1,000円を支払った。同件は2023年3月10日の定例議会最終日に市から報告された。

出典:学校だよりのイラスト、著作権侵害で賠償金 フリー素材と誤認、12万円支払う 山武市の中学校で | 千葉日報オンライン

徳島県三好市(2023年2月報道)

三好市立井川中学校が、学校ホームページにおいて、インターネット上の有料イラストを著作権者の許可なく無断掲載していたことが判明。使用条件の認識不足が原因とされる。県外在住の著作権者から使用料および損害賠償の請求を受け、市は解決金15万円を支払うことで合意した。

出典:井川中学校HPでイラスト無断使用 三好市、著作権者と解決金15万円で合意|社会|徳島ニュース|徳島新聞デジタル

愛媛県八幡浜市(2023年2月公表)

市立喜須来小学校が発行した学校だより「まごころ(令和4年度夏休み号)」および同校ホームページにおいて、著作権者の許可を得ずに該当イラストを使用していたことが判明。八幡浜市は著作権侵害を認め、著作権者に対し損害賠償金80,000円を支払った。

出典:専決処分の報告について

佐賀県白石町(2023年1月報道)

2022年7月、白石町内の小学校校長が学校だよりを作成する際、インターネット検索で「フリー 無料 風鈴」と入力して見つけたイラストを、著作権者の許可を得ずに掲載。保護者に配布したほか、同校ホームページにも掲載していた。2022年12月に著作権者の代理人弁護士から指摘を受け無断使用が発覚し、学校側は該当の学校だよりをホームページから削除。著作権者側に賠償金11万円を支払うと白石町教育委員会が2023年1月10日に発表した。

出典:「学校だより」で著作物無断使用 フリー素材と勘違いで11万円賠償

愛媛県西予市(2023年1月報道)

市立中学校の教員が、インターネット上に公開されていたイラスト1点を、著作権者の許可なく学校だよりおよび同校のウェブサイトに使用していたことが判明。教員は当該イラストを無料素材と誤認して使用していた。西予市教育委員会は著作権侵害を認め、2023年1月5日付で損害賠償金12万1,000円を支払うことで著作権者と和解した。

出典:イラスト無断使用 12.1万円支払い和解 愛媛・西予市教委 /愛媛

岐阜県立岐阜本巣特別支援学校(2022年11月公表)

県立岐阜本巣特別支援学校が、通信文「ぎふもとすコネクション」第1号~第4号(令和3年5月14日〜11月8日発行)において、著作権者から利用許諾を得ずにイラストを使用し、配布していたことが判明。イラストは東京都の有限会社ワーハが著作権者から独占的に利用許諾業務を受託していたもので、同社ホームページ上で著作権帰属・許諾条件・使用料が明記されていたにもかかわらず、同校は無料で利用できると誤認して無断使用していた。岐阜県は、使用料相当額431,200円と利息を同社に支払うことで和解した。

出典:専決処分説明資料

愛媛県今治市(2022年11月報道)

2019年5月から11月にかけて、今治市内の中学校教員が、生徒の活動報告文を学校ホームページに掲載する際、著作権者の許可を得ずに県外在住のイラストレーター作成のイラスト1点を無断で使用。2022年10月にイラストレーター側からの指摘を受けて無断使用が発覚した。教員は「フリー」と検索して見つけたイラストで、有料であることに気付かなかったと説明。市は著作権侵害を認め、損害賠償金27万5,000円を支払うことで合意した。市の学校教育課は「著作権に対して認識が甘い部分があった。再発防止を徹底したい」とコメントした。再発防止策として、市内の小中学校に対し、ホームページ内文書の無断利用有無の調査を指示した。

出典:中学教員、イラストを無断で学校HPに 市が作者に27万円賠償へ

鳥取県境港市(2021年12月報道)

2018年に境港市が製作した介護予防事業の告知チラシにおいて、市職員がインターネットで「イラスト」「無料」などの検索ワードを用いて表示されたイラストを、著作権者の許可を得ずに無断使用。該当のチラシは、同年3月の体操教室および5月の講演会用に作成され、市ホームページに掲載されたほか、体操教室のチラシ約300枚が市内の公民館などで配布されていた。2023年9月、著作権を管理する京都市の会社が市のホームページで無断使用を確認し、指摘。市は謝罪し削除したうえで、使用料等として46万円を支払うことを、市議会予算委員会で報告した。市福祉保健部の阿部英治部長は「著作権に注意を払うよう総務課を通じて全職員に周知した。再発防止に努める」とコメントした。再発防止策として、著作権に関する注意喚起を総務課を通じて全職員に周知することとした。

出典:無料とネットで確認したはずが…チラシのイラストは「無断使用」、市が46万円支払いへ

和歌山県田辺市(2021年4月報道)

2013年2月、田辺市が作成した「市健康づくり計画『元気たなべ2013』」ダイジェスト版のリーフレットに、著作権者の許諾を得ずに医師を描いた有料イラスト1点を無断使用。2024年8月、東京都のイラスト管理会社からの指摘により発覚。市は規定の2倍の使用料および遅延金として、計約70万円を支払った。

出典:田辺市がイラスト無断使用 /和歌山

愛知県新城市(2020年8月公表)

市が発行した冊子およびウェブサイトにおいて、著作権者の許可なくイラストを無断使用し、著作権を侵害。管理会社から使用料の請求を受けたが、担当職員は内容証明郵便での請求に対応せず、上司等への報告も行わないまま郵便物を机中に保管。以後、同社から2回にわたって対応を求める文書が届いたが、いずれも対応・報告を行わず放置していた。結果として、市は著作権者側に対し損害賠償金842,400円を支払うこととなった。また担当職員は戒告、担当職員は厳重注意処分となった。

出典:令和2年9月定例会質疑通告書

島根県浜田市(2019年12月報道)

浜田市が2016年3月に作成した「市男女共同参画推進計画(第3次)」の計画書300部に、インターネット上で入手した「地球上で子どもらが手をつなぐ」イラストを無断使用。2024年、東京都のイラスト管理会社から指摘を受け、使用料を含む損害賠償金36万6432円を支払うことを決定。

出典:イラストを無断使用 ネットで入手、36万円賠償へ 島根・浜田

大分県日田市(2018年9月報道)

市が自治基本条例の内容を知らせるパンフレットの表紙に、ネットから無断で転用したイラストを使用。市は著作権者側に対し約56万円を支払うこととなった。

出典:日田市がイラスト無断使用 ネットから転用、パンフレット表紙に 著作権管理者に56万円支払いへ

長野県須坂市(2018年6月公表)

須坂市が主催するイベントの広報物および、複数の自治体・医療団体と連携した協議会が発行したパンフレットにおいて、3年間にわたり株式会社アートバンクのイラストを無断で改変・使用していた事実が、2018年6月に市長のSNS投稿を端緒に報道等で広く明らかとなった。使用されたイラストは、著作権表示と使用規定が明記されたアートバンク社のサイトに掲載されていたが、市は検索結果から直接ダウンロードしており、出典確認や利用許諾手続を一切行っていなかった。さらに、市作成のパンフレットには透かし付きの有料イラストや他社著作物も複数使用されていたことが発覚した。

出典:須坂市によるアートバンクイラストの無断使用に関する一連の報道について

佐賀県小城市(2016年8月報道)

小城市の職員が、京都市のデザイン会社のホームページに掲載されていた「家族でラジオ体操を楽しむ」イラストを、使用許諾を得ずにチラシに掲載し、著作権を侵害。市は著作権者に対し、損害賠償金約32万円を支払うと発表した。

出典:小城市職員、イラスト無断使用で賠償

宮城県名取市(2016年7月公表)

名取市は、2014年7月から2015年4月にかけて発行した「相互台公民館だより」計7号において、株式会社アートバンクが著作権を管理するイラスト3点を、インターネットからダウンロードして無断で使用。印刷物として配布したほか、PDFデータとして市ホームページにも掲載していた。2016年2月、アートバンク社からの照会文書を受けて無断使用が発覚。市は、著作権使用価格表に基づく使用料相当額として、解決金1,031,400円の支払いに応じることで和解した。

出典:平成 28 年第 5 回名取市教育委員会定例会会議録

岡山県岡山市(2016年12月報道)

岡山市の地域ケア総合推進センターおよび市内の公民館において、インターネットでダウンロードしたイラストを、著作権者の許諾を得ずに無断で使用。市の担当者が「無料 イラスト」などの検索で見つけた画像を、実際には有料であるにもかかわらず無料と誤認して使用した。後日、著作権者から使用料を請求されたことで発覚した。

出典:イラスト無断で使用 イベントのチラシなどに掲載

山形県山形市(2015年12月公表)

公民館だより等で株式会社アートバンク社の有料イラスト4点を「無料」と誤認して無断使用。指摘を受けて著作権侵害が判明し、使用料として約138万円を支払った。

出典:やまがた市議会報12月1日194号

兵庫県高砂市(2014年12月報道)

高砂市が平成24年4月施行の商業活性化基本条例を解説する冊子において、インターネット上で販売されているパン屋や魚屋などのイラスト3点を、イラスト企画・制作会社(京都府)の許諾を得ず無断使用。2023年10月に同社から通知があり、11月中旬に使用料として40万5000円の請求書が届いた。市は著作権侵害を認め、請求額の妥当性を検討中。市産業振興課は「使用前に確認すべきだった」とコメント。

出典:高砂市がイラスト無断掲載 業者が40万円の賠償請求

滋賀県野洲市(2014年7月報道)

滋賀県野洲市の市民活動支援センターが、2013年4月・5月・10月に発行した情報紙「つながり」(各約250部)に、音符がクジラになった楽譜、紅葉狩りをする家族、楽器を演奏する家族のイラスト計3点を、インターネット上から無断で使用。市役所窓口やホームページにも掲載していた。2014年4月、イラストを管理する「株式会社アートバンク」(京都市)から通知を受け発覚。市は無断使用を認め、使用料と調査費あわせて約29万5千円を請求された。

出典:滋賀・野洲市、イラスト無断使用 情報紙に3点掲載 : 京都新聞