公務員の給料・福利厚生

国家総合職の年収はいくら?2026年の年齢・役職別モデル

国家総合職の年収は、新卒の本府省勤務で額面約494万円が現行モデルです。2026年人事院勧告どおり給与が改定された場合は、約515万円へ上がる見込みです。

その後は、20代後半の係長級で500万円台、30代の課長補佐級で600万円前後が一つの目安です。本府省課長まで昇進すると1,000万円を超えますが、総合職採用者が全員同じ役職まで進むわけではありません。

また、公表されているモデル年収には、原則として超過勤務手当、住居手当、通勤手当などが含まれていません。実際の年収は、勤務地、残業時間、昇進時期、家族構成によって大きく変わります。

この記事のポイント

公表されている数字
総合職だけの平均年収は非公表。年齢・役職別のモデルで見る
1年目と満年度
4月採用の1年目は6月ボーナスが少なく、満年度モデルを下回る
40代以降の差
本府省課長なら1,000万円超。昇進する役職によって年収差が大きくなる

国家総合職の年収はいくら?

人事院が示した2026年の国家公務員モデル給与から、総合職採用者に関係する本府省の役職を抜き出すと、次のようになります。

役職・年齢 勧告前の月額 勧告前の年収 2026年勧告後の年収
係員・22歳
総合職大卒初任給
30万1,200円 494万2,000円 514万6,000円
係長・28歳 32万600円 538万6,000円 558万9,000円
課長補佐・35歳 35万5,860円 588万4,000円 610万2,000円
本府省課長・40歳 67万1,720円 1,105万4,000円 1,138万1,000円
本府省室長・50歳 49万7,160円 832万円 861万円
本府省課長・50歳 85万7,720円 1,447万3,000円 1,488万3,000円
局長 117万1,400円 1,938万6,000円 2,003万1,000円
事務次官 152万600円 2,523万9,000円 2,609万円

2026年勧告後の金額は、勧告どおり給与法が改正された場合の見込みです。2026年8月時点では、勧告が出ただけで新しい俸給額が確定したわけではありません。

また、この表は一人の職員が年齢順にすべての役職を通ることを示したものではありません。特に課長、局長、事務次官は選抜性が高く、総合職採用者でも到達する役職によって生涯の年収推移は大きく分かれます。

初任給は月30万円を超える

2026年度に本府省へ採用された場合の初任給例は、大卒程度試験が月額30万1,200円、院卒者試験が月額31万7,520円です。

採用区分 適用される級・号俸の例 本府省勤務の初任給例
総合職・院卒者試験 行政職俸給表(一)2級11号俸 31万7,520円
総合職・大卒程度試験 行政職俸給表(一)2級1号俸 30万1,200円
一般職・大卒程度試験 行政職俸給表(一)1級25号俸 28万7,600円

この初任給には、本府省業務調整手当と東京都特別区の地域手当が含まれています。通勤手当、住居手当、扶養手当、超過勤務手当は別に支給されます。

大卒総合職と大卒一般職の初任給差は月1万3,600円です。採用直後の差はそれほど大きくありませんが、総合職は本府省の係長、課長補佐、管理職へ進むことを想定した採用区分であるため、その後の昇進速度によって差が広がります。

1年目の実際の年収はモデル年収より低い

大卒総合職の年収約494万円は、初任給水準で12か月勤務し、ボーナスも満額支給された場合の額面モデルです。

4月採用の1年目は、6月のボーナスについて算定期間が不足するため、通常は満額になりません。そのため、勧告前の給与水準なら、1年目の額面年収はおおむね430万~450万円が目安です。

2026年勧告どおり給与が引き上げられ、4月にさかのぼって差額が支給される場合は、450万~470万円程度が一つの目安になります。残業代や住居手当が多ければ、1年目から500万円前後になることも考えられます。

区分 額面年収の目安 前提
1年目 430万~470万円 6月ボーナスが満額ではない
2年目以降 約494万~515万円 初任給水準・ボーナス満額・残業代なし
1年目・残業や住居手当あり 470万~520万円程度 給与改定の有無、残業時間、住居手当の支給状況で変動

表の金額は額面です。通勤手当は実費補填に近い性格があるため、生活に使える収入として年収を比較するときは分けて考えた方がよいでしょう。

国家総合職の年収を構成するもの

国家公務員の年収は、俸給だけでは決まりません。基本的には、毎月の俸給と各種手当、年2回の期末・勤勉手当を合計したものが額面年収になります。

給与項目 内容 年収への影響
俸給 職務の級と号俸で決まる基本給 昇格・昇給により増加
地域手当 勤務地に応じて支給。東京都特別区は20% 東京勤務と非支給地域では差が生じる
本府省業務調整手当 本府省で勤務する職員に支給 係員、係長、課長補佐などで支給額が異なる
超過勤務手当 正規の勤務時間を超えた場合に支給 若手職員では実際の年収差が大きくなりやすい
住居手当 一定の条件を満たす借家居住者に支給 月額最大2万8,000円
扶養手当 要件を満たす扶養親族がいる場合に支給 家族構成によって変動
期末・勤勉手当 6月と12月に支給されるボーナス 2026年勧告では年間4.70月分へ引上げ

本府省のモデル給与では、東京都特別区の地域手当20%と本府省業務調整手当が反映されています。一方、住居手当、扶養手当、通勤手当、超過勤務手当は含まれていません。

年齢・役職別の年収イメージ

総合職は、一般に本府省の係員から始まり、係長、課長補佐、室長、課長などへ昇進します。ただし、実際の昇進時期や最終役職は、府省、採用年次、勤務評価、ポストの空き、出向歴などによって異なります。

年代 役職のイメージ 額面年収の目安 見方
20代前半 係員 450万~520万円 1年目はボーナスが少ない
20代後半 係長級 550万~650万円 残業代と住居手当で差が出る
30代前半~後半 課長補佐級 600万~800万円 本府省勤務では残業代の影響が大きい
40代 室長・課長級 850万~1,200万円超 管理職への昇進有無で差が開く
50代 課長・審議官・局長級など 850万~2,000万円超 ポストによる差が非常に大きい

20代から30代前半までは、同期間の給与差は比較的小さい傾向があります。差が大きくなりやすいのは、課長補佐以降です。本府省課長へ昇進すると、管理職手当などの影響により年収が大きく上がります。

一方、地方機関への異動、出向、海外勤務などによって適用される手当は変わります。東京勤務から地域手当の低い地域へ異動すると、役職が上がっても月額給与が一時的にあまり増えない場合があります。

具体的な年収モデルケース

公表モデルに住居手当や超過勤務手当が加わる場合の見方を整理します。超過勤務手当は職員ごとの算定基礎額や勤務時間によって変わるため、根拠のない一律額は加算していません。

モデルケース 公表モデル 追加する手当の例 公表モデルに加えた見方
大卒係員・22歳 約515万円 残業なし・住居手当なし 約515万円
係長・28歳 約559万円 住居手当が月2万8,000円、超過勤務あり 約593万円+超過勤務手当
課長補佐・35歳 約610万円 住居手当なし、超過勤務あり 約610万円+超過勤務手当
本府省課長・40歳 約1,138万円 管理職のため通常の残業代を加算しない 約1,140万円

係長の例は、住居手当が上限額の月2万8,000円支給されると仮定し、年33万6,000円を加えています。実際の住居手当は家賃などの要件で変わります。若手から課長補佐級までは残業時間が実際の年収を左右しますが、残業代が多いことは勤務時間も長いことを意味します。

国家総合職の手取りはいくら?

額面年収からは、共済組合の掛金、厚生年金保険料、所得税、住民税などが差し引かれます。手取りは家族構成や控除によって異なりますが、一般的には額面年収の70~80%前後が目安です。

額面年収 年間手取りの目安 月平均に直した手取り
515万円 約390万~410万円 約32万~34万円
559万円 約420万~440万円 約35万~37万円
610万円 約450万~480万円 約38万~40万円
861万円 約620万~660万円 約52万~55万円
1,138万円 約790万~850万円 約66万~71万円
1,488万円 約1,000万~1,090万円 約83万~91万円

月平均は年間手取りを12で割った数字です。実際にはボーナスが年2回支給されるため、毎月の給与明細に記載される手取り額とは一致しません。

府省によって年収は変わる?

同じ行政職俸給表(一)の級・号俸であれば、俸給そのものは府省によって変わりません。財務省だから基本給が高い、文部科学省だから基本給が低いという制度ではありません。

ただし、実際の年収には次のような差が生じます。

  • 課長補佐や課長へ昇進する時期
  • 本府省、地方機関、海外公館などの勤務地
  • 超過勤務の時間数
  • 本府省業務調整手当や地域手当の有無
  • 在外公館勤務、単身赴任、広域異動などに伴う手当
  • 扶養親族や借家の有無

特に40代以降は、どの府省に採用されたかというより、どの役職まで昇進したかが年収を大きく左右します。

一般職との年収差は昇進後に広がる

本府省勤務の大卒初任給は、総合職が月30万1,200円、一般職が月28万7,600円です。採用時点の差は月1万3,600円で、年収にすると20万円前後の差にとどまります。

その後、総合職は本府省の幹部候補として、比較的早い時期に係長、課長補佐へ昇進することが想定されています。一般職からも管理職へ昇進できますが、平均的な昇進速度や配置されるポストには違いがあります。

そのため、20代では年収差が小さくても、課長補佐や課長への昇進時期によって30代後半から差が広がりやすくなります。ただし、総合職で採用されれば自動的に1,000万円へ到達するわけではありません。

FAQ

国家総合職は何歳で年収1,000万円になりますか?
人事院の2026年勧告後モデルでは、40歳の本府省課長が年収約1,138万円です。ただし、40歳までに課長へ昇進するのは選抜されたケースであり、総合職全員が同じ年齢で1,000万円に到達するわけではありません。
国家総合職の1年目から年収500万円を超えますか?
満年度の公表モデルは約494万~515万円ですが、1年目は6月のボーナスが満額ではありません。残業代や住居手当が少なければ430万~470万円程度、手当が多ければ500万円前後になる可能性があります。
公表されている年収に残業代は含まれていますか?
人事院のモデル年収には、超過勤務手当、住居手当、扶養手当、通勤手当などは原則として含まれていません。若手職員の実際の額面年収は、公表モデルより高くなることがあります。
総合職の平均年収は739万円ですか?
約739万円は、2026年勧告後における行政職俸給表(一)職員全体の平均年間給与です。一般職なども含まれているため、総合職だけの平均年収ではありません。
総合職の院卒は大卒より年収が高いですか?
採用時の初任給は、院卒者試験が月31万7,520円、大卒程度試験が月30万1,200円で、院卒の方が高く設定されています。その後は昇進、昇給、役職、勤務実績による影響が大きくなります。

出典・作成方針

公表されているモデル給与と俸給制度を基礎に作成しています。2026年勧告後の金額は、勧告どおり給与法が改正された場合の見込みです。手取り額、1年目の年収、住居手当を加えたモデルケースは概算であり、実際の支給額を保証するものではありません。

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