公務員の給料・福利厚生

国家一般職の年収はいくら?2026年の年齢別・手取りを解説

国家一般職の年収は、地域手当がない地方機関の大卒係員モデルで約401万円、35歳係長モデルで約526万円、50歳課長モデルで約731万円です。ただし、勤務先が本府省か地方機関か、地域手当が支給される地域かによって、同じ年齢でも年収は大きく変わります。

2026年8月の人事院勧告では、一般職大卒の初任給を月額23万2,000円から24万1,500円へ引き上げることが示されました。勧告後の地方機関モデルでは、22歳大卒の年間給与は約401万4,000円です。

なお、人事院が公表する「行政職俸給表(一)の平均年収」は、一般職試験から採用された職員だけの平均ではありません。総合職採用者や管理職も含まれるため、「国家一般職の平均年収」としてそのまま使わないことが重要です。

この記事のポイント

大卒初任給
2026年勧告後は月額24万1,500円。地方機関の年間給与モデルは約401万4,000円
年収の目安
35歳係長で約526万円、40歳係長で約559万円、50歳課長で約731万円
年収差の要因
勤務地、地域手当、本府省勤務、超過勤務、住居手当、昇任時期によって差が生じる

国家一般職の年収はいくら?

国家公務員採用一般職試験から採用された職員の年収は、2026年人事院勧告後の給与水準を基準にすると、次のように見るのが現実的です。

年齢・役職モデル 額面年収 手取り年収の目安
22歳・大卒係員 約401万円 約315万~330万円
35歳・係長 約526万円 約405万~425万円
40歳・係長 約559万円 約425万~450万円
50歳・課長 約731万円 約540万~570万円

額面年収は、人事院が示した地方機関モデルです。手取りは、共済掛金、所得税、住民税などを差し引いた概算で、独身・扶養なしを想定しています。扶養家族、住居、年齢、前年所得などによって実際の手取りは変わります。

一般職採用者全員が同じ昇進をするわけではありません。35歳や40歳で係長になる時期、50歳までに課長へ昇任するかどうかは、省庁、採用機関、本人の勤務実績、ポストの空き状況などで異なります。

2026年の初任給と年収

2026年4月1日時点の一般職大卒初任給は月額23万2,000円です。その後、2026年8月7日の人事院勧告で、一律9,500円引き上げて24万1,500円とすることが示されました。

給与勧告は、出された時点で俸給表の改定が確定するものではありません。政府による取扱い決定や給与法改正を経て実施されます。以下の「勧告後」は、勧告どおり改定された場合の金額です。

項目 2026年4月時点 2026年勧告後 増加額
一般職大卒の初任給 23万2,000円 24万1,500円 月9,500円
一般職高卒の初任給 20万300円 20万9,800円 月9,500円
期末・勤勉手当 年間4.65月分 年間4.70月分 0.05月分
大卒係員の年間給与モデル 約384万4,000円 約401万4,000円 年17万円

年間給与モデルは、地域手当が支給されない地方機関に勤務する場合です。通勤手当、住居手当、超過勤務手当などは含まれていないため、実際の支給額は職員ごとに異なります。

年齢・役職別の年収モデル

人事院が2026年勧告時に示した行政職俸給表(一)のモデル給与から、地方機関に勤務する職員の例を整理すると次のとおりです。

年齢 役職段階 月額 年間給与
18歳 係員・一般職高卒初任給 20万9,800円 348万7,000円
22歳 係員・一般職大卒初任給 24万1,500円 401万4,000円
35歳 係長 31万2,100円 525万9,000円
40歳 係長 33万1,700円 558万9,000円
50歳 課長 44万1,500円 730万6,000円

この表は「年齢だけで自動的にその年収になる」という意味ではありません。俸給は、役職に対応する「級」と、同じ級の中での位置を示す「号俸」によって決まります。昇給に加えて、係員から係長、課長補佐、課長へ昇任して級が上がることで年収も増えていきます。

一般職では、採用機関によって想定される昇任先が異なります。本省庁の一般職であれば課長補佐や室長級を目指すルートがあり、地方出先機関では係長、課長、本局の管理職などを目指すルートがあります。

新卒1年目の実際の年収は400万円より少ないことがある

人事院の約401万4,000円は、月給と通常の年間ボーナスを基礎にした年間給与モデルです。しかし、4月採用の新規職員は、最初に支給される6月のボーナスについて在職期間が短いため、満額にはなりません。

地域手当なし、住居手当なし、残業なしの大卒職員を想定すると、採用から最初の12か月の額面収入は、おおむね360万~380万円程度が一つの目安です。4月から12月までの暦年収入だけを集計する場合は、約280万~300万円程度になることがあります。

2年目以降は年間を通じて勤務し、夏と冬のボーナスも通常の在職期間で計算されるため、同じ俸給でも1年目より年間給与が増えやすくなります。

本府省と地方機関では年収が変わる

国家一般職の年収を見るときに、年齢と同じくらい重要なのが勤務地です。東京都特別区では地域手当が20%支給されるため、地域手当がない地域より月例給与が高くなります。

さらに、本府省で勤務する職員には、職務の級などに応じて本府省業務調整手当が支給されます。2026年4月時点で、行政職俸給表(一)1級の本府省業務調整手当は月額9,200円です。

一般職大卒の初任給24万1,500円を使い、地方機関と東京都特別区の本府省を比較すると、次のようになります。

モデル 俸給 主な加算 月額 年収の目安
地域手当なしの地方機関 24万1,500円 なし 24万1,500円 約401万円
東京都特別区の本府省 24万1,500円 地域手当20%、本府省業務調整手当9,200円 29万9,000円 約493万円

本府省モデルの年収は、2026年勧告後の俸給、地域手当20%、年間4.70月分のボーナス、本府省業務調整手当を使ったKomuInfoの概算です。超過勤務手当、通勤手当、住居手当は含めていません。

同じ一般職大卒の年間給与モデルでも、地方機関と東京都内の本府省では、額面年収に90万円前後の差が生じます。ただし、地域手当は勤務地の生活費や民間賃金の違いを反映した手当であり、差額がそのまま生活の余裕になるとは限りません。

国家一般職の年収を構成するもの

国家一般職の年収は、俸給だけで決まりません。主に次の給与を合計したものが額面年収になります。

給与の種類 内容 年収への影響
俸給 級と号俸で決まる基本給 毎月の給与とボーナス計算の基礎になる
地域手当 民間賃金が高い地域などに勤務する職員へ支給 東京都特別区は20%。勤務地による年収差が大きい
本府省業務調整手当 本府省の業務に従事する職員へ支給 級が上がると手当額も大きくなる
住居手当 一定の条件を満たす借家居住者などへ支給 対象者は年間給与が増える
通勤手当 公共交通機関や自動車などで通勤する職員へ支給 額面には含まれるが、実質的には通勤費の補填
超過勤務手当 正規の勤務時間を超えて勤務した場合に支給 残業時間によって年収差が生じる
期末・勤勉手当 民間のボーナスに相当 2026年勧告後は年間4.70月分

年収を比較するときは、通勤手当を含む総支給額なのか、通勤手当を除いた実質的な給与なのかも確認する必要があります。残業が多い部署では年収が高く見えても、その差の多くが超過勤務手当というケースがあります。

「国家一般職の平均年収739万円」は正確ではない

2026年人事院勧告後の行政職俸給表(一)の全体平均年間給与は、勧告前の約712万3,000円から約739万円へ増えるモデルが示されています。しかし、これは国家一般職試験から採用された職員だけの平均ではありません。

行政職俸給表(一)は、一般職試験採用者だけでなく、総合職試験採用者や中途採用者、課長・部長級などの管理職にも適用されます。平均年齢や役職構成の影響も受けるため、22歳や30歳の一般職職員が739万円を受け取るという意味ではありません。

国家総合職との年収差

2026年人事院勧告後の大卒初任給は、一般職が24万1,500円、総合職が25万1,500円です。俸給段階では月1万円の差があります。

区分 大卒初任給 東京都特別区の本府省モデル月額
一般職 24万1,500円 29万9,000円
総合職 25万1,500円 31万2,600円
1万円 1万3,600円

一般職は行政職俸給表(一)1級、総合職は2級の初任給を前提としているため、本府省業務調整手当の額も異なります。採用直後の差は限定的ですが、年齢が上がると昇任ペースや就く役職の違いが影響します。総合職は本府省の管理職や幹部候補として比較的早く昇任する傾向があるため、30代後半以降は初任給差以上に年収差が広がる場合があります。

一方、一般職でも本府省の課長補佐、室長級、地方機関の課長や部長などへ昇任すれば、年収700万円以上を目指せます。試験区分だけで生涯年収が固定されるわけではありません。

採用先を選ぶときの年収の見方

国家一般職は、最終合格後に各省庁や地方機関の官庁訪問を経て採用されます。採用先ごとの給与を比較するときは、次の順番で確認すると分かりやすくなります。

  1. 本府省採用か地方機関採用かを確認する
  2. 主な勤務地の地域手当を確認する
  3. 採用時の級・号俸を確認する
  4. 住居手当や本府省業務調整手当の対象になるか確認する
  5. 係長・課長補佐・課長への昇任例を採用案内で確認する
  6. 超過勤務の実績と超過勤務手当を分けて考える

初任給だけなら、本府省採用の方が地域手当や本府省業務調整手当により高くなりやすい傾向があります。ただし、転勤範囲、残業、家賃、通勤時間も異なるため、額面年収だけで採用先を決めないことが大切です。

FAQ

国家一般職の平均年収はいくらですか?
一般職試験から採用された職員だけを対象とする公式の平均年収は、原則として公表されていません。2026年勧告後の行政職俸給表(一)全体では約739万円ですが、総合職採用者や管理職も含まれます。一般職の年収を見る場合は、22歳約401万円、35歳係長約526万円などのモデルが参考になります。
国家一般職大卒の初任給はいくらですか?
2026年4月1日時点では月額23万2,000円です。2026年8月の人事院勧告では、月額24万1,500円への引上げが示されています。勧告どおり実施するには、政府の取扱い決定や給与法改正が必要です。
国家一般職1年目の手取りはいくらですか?
地域手当なし、独身・扶養なしの大卒職員では、通常月の手取りは19万~20万円台が一つの目安です。地域手当、住居手当、残業、共済掛金、税金によって変わります。また、新卒1年目は6月のボーナスが満額にならないため、通常の年間給与モデルより年収が低くなる場合があります。
30歳で年収500万円に届きますか?
本府省勤務や地域手当の高い地域で、一定の超過勤務手当がある場合は、30歳前後で年収500万円に届く可能性があります。地域手当がない地方機関で残業が少ない場合は、500万円を下回ることもあります。年齢だけでなく、級・号俸、勤務地、手当を確認する必要があります。
一般職でも年収700万円を超えますか?
超える可能性があります。人事院の地方機関モデルでは、50歳課長の年間給与は約730万6,000円です。本府省の課長補佐や室長級、地方機関の管理職へ昇任した場合も、役職や勤務地によって年収700万円以上になることがあります。

出典・作成方針

金額は2026年8月24日時点の制度と人事院勧告を基準に整理しています。勧告後の金額は、勧告どおり給与改定が実施された場合のモデルです。手取り額と一般職の本府省モデルは、税・社会保険料や公表された手当額を基にした参考試算であり、実際の支給額を保証するものではありません。

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