公務員のキャリア・出世・仕事術

警察庁長官の年収はいくら?どのくらい偉い?階級・序列を解説

警察庁長官は、日本の警察組織の中でどのくらい上の立場なのでしょうか。

結論からいうと、警察庁長官は全国の警察行政を担う警察庁のトップです。2026年度の給与上の格付けは指定職8号俸で、俸給月額は122万4,000円。警察庁長官自身の年間給与がモデルとして公表されているわけではありませんが、同じ8号俸の事務次官モデルを参考にすると、年間給与は約2,524万円が一つの目安になります。

ただし、警察官の「階級」で一番上なのは警視総監です。警察庁長官には警視総監や警視監といった階級そのものがありません。このため、警察行政上の役職と、警察官の階級は分けて見る必要があります。

この記事のポイント

役職として見ると
警察庁長官が警察庁のトップ
階級として見ると
警察庁長官に階級はなく、最高階級は警視総監
給与を見ると
指定職8号俸・月122万4,000円。年収約2,524万円はモデル上の目安

警察庁長官の年収は約2,524万円が目安

警察庁長官には、一般的な国家公務員の「行政職○級○号俸」ではなく、幹部向けの指定職俸給表が適用されます。

人事院が2026年度の指定職について示した資料では、警察庁長官は指定職8号俸です。8号俸は指定職俸給表の最上位で、2026年4月時点の俸給月額は122万4,000円となっています。

項目 金額・区分 見方
指定職 8号俸 指定職俸給表の最上位
俸給月額 1,224,000円 基本給に相当する部分
俸給だけの年額 14,688,000円 1,224,000円×12か月
モデル年間給与 約25,239,000円 同じ8号俸の事務次官モデルを参考

ここで注意したいのは、「122万4,000円×12か月=警察庁長官の年収」ではないことです。実際の年間給与には地域手当や本府省業務調整手当、期末・勤勉手当などが加わります。

人事院が示している事務次官のモデル年間給与は2,523万9,000円です。警察庁長官も事務次官と同じ指定職8号俸で、本府省業務調整手当の対象となり、勤勉手当でも「事務次官等」と同じ区分に置かれています。このため、年間約2,524万円を給与制度上の目安として見ることができます。

ただし、これは警察庁長官個人の実際の支給額を公表した数字ではありません。事務次官のモデル給与を参考にした目安です。

警察庁長官はどのくらい偉い?全国の警察行政を担うトップ

警察庁長官の位置付けを考えるうえで基準になるのが、警察法第16条です。

同条では、警察庁長官は警察庁の庁務を統括するとともに、警察庁の所掌事務について都道府県警察を指揮監督すると定められています。警察庁も、広域組織犯罪への対応や犯罪鑑識、犯罪統計などについて都道府県警察を指揮監督する国の警察機関として位置付けられています。

その意味では、警察庁長官は国の警察行政を担う警察庁の最高責任者と考えると分かりやすいでしょう。

一方で、「全国の警察官が全員、警察庁長官の直属の部下」という構造ではありません。都道府県警察はそれぞれ都道府県公安委員会の管理下にあり、警視庁では警視総監、道府県警察では警察本部長がそれぞれの警察本部を統括します。警察庁長官による指揮監督も、警察庁が法律上所掌する事務について行われるものです。

さらに警察庁自体も独立した存在ではなく、内閣総理大臣の所轄の下に置かれる国家公安委員会の管理を受けます。警察庁長官は、国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を得て任免する仕組みです。

警察庁長官には「階級」がない

警察庁長官を理解するうえで、最も間違えやすいのが階級です。

警察法第62条は、警察官の階級を定める際に「警察官(長官を除く。)」としています。したがって、警察庁長官には「警視総監」「警視監」といった法定の階級がありません。

法律上の警察官の階級を上から並べると、次の9段階です。警察庁長官はこの階級表のさらに上に「警察庁長官」という階級があるのではなく、階級制度の対象外に置かれた役職です。

順番 階級
1 警視総監
2 警視監
3 警視長
4 警視正
5 警視
6 警部
7 警部補
8 巡査部長
9 巡査

この9階級は警察法に列挙されています。よく耳にする「巡査長」は法律上の階級には含まれていません。

警察庁長官と警視総監はどちらが上?

警察庁長官と警視総監は、単純な階級比較ができません。

警察行政上の役職で見れば警察庁長官が国の警察機関のトップ、警察官の階級で見れば警視総監が最高位です。

比較 警察庁長官 警視総監
所属 警察庁 警視庁
立場 警察庁の長 東京都警察の長
階級 なし 警視総監
階級上の位置 階級制度の対象外 警察官の最高階級
2026年度指定職 8号俸 7号俸
俸給月額 1,224,000円 1,153,000円

給与上の格付けでも、2026年度は警察庁長官が8号俸、警視総監が7号俸です。俸給月額では警察庁長官のほうが月7万1,000円高く設定されています。

「警察組織の行政上のトップは誰か」と聞かれれば警察庁長官、「警察官の最高階級は何か」と聞かれれば警視総監と整理すると、両者の違いが分かりやすくなります。

警察上層部を給与上の格付けで比較

警察庁や都道府県警察の最高幹部には指定職俸給表が適用されます。2026年度の指定職資料では、警察庁長官が8号俸、警視総監が7号俸、警察庁次長が6号俸となっています。

ただし、ここで示す号俸は職務・責任に応じた給与上の格付けです。所属組織の違う役職を、一つの指揮命令系統として並べたものではありません。

主な役職 指定職 俸給月額 位置付け
警察庁長官 8号俸 1,224,000円 警察庁トップ
警視総監 7号俸 1,153,000円 警視庁トップ・最高階級
警察庁次長 6号俸 1,078,000円 警察庁の長官に次ぐポスト
長官官房長、刑事局長、交通局長、警備局長、サイバー警察局長 5号俸 1,006,000円 主要局長級
生活安全局長、警視庁副総監 4号俸 933,000円 局長・副総監級
大阪府警察本部長 3号俸 852,000円 道府県警察本部長の上位格付け

警察庁長官の8号俸は、警察関係の指定職の中でも最高の給与上の格付けです。一方、警視総監や道府県警察本部長にはそれぞれ別の組織上の役割があるため、号俸の差をそのまま全職員の指揮命令順位と考えるのは適切ではありません。

FAQ

警察庁長官は全国の警察官に直接命令できるのですか?
全国の警察官が警察庁長官の直属の部下という制度ではありません。警察庁長官は、国家公安委員会の管理の下、警察庁の所掌事務について都道府県警察を指揮監督します。一方、各都道府県警察は都道府県公安委員会の管理下にあります。
警察庁長官はどうやって任命されますか?
警察法第16条により、国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を得て任免します。各省の事務次官と同じように大臣が単独で任命する仕組みではありません。
国家公安委員長と警察庁長官はどちらが上ですか?
両者は役割が異なります。警察庁は国家公安委員会の管理下に置かれ、警察庁長官は警察庁の庁務を統括します。国家公安委員長は国家公安委員会を構成する国務大臣であり、警察官の階級や警察庁内の役職として比較するものではありません。

出典・作成方針

  • e-Gov法令検索「警察法」第16条・第48条・第49条・第62条など
  • 警察庁「警察のしくみ」
  • 人事院「指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸の定め並びに職務の級の定数の設定及び改定に関する意見(令和8年度)」
  • 人事院「指定職俸給表」―2026年4月時点の俸給月額
  • 人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」―国家公務員モデル給与例
  • e-Gov法令検索「人事院規則九―一二三(本府省業務調整手当)」「人事院規則九―四〇(期末手当及び勤勉手当)」
  • 人事院「令和8年人事院勧告」

俸給月額は2026年4月時点の現行制度を基準としています。年間給与約2,524万円は、警察庁長官個人の支給額を示すものではなく、同じ指定職8号俸である事務次官の公表モデルを参考にした目安です。2026年8月の人事院勧告による改定額は、現行制度の金額と区別しています。また、役職上の位置付けと警察官の法定階級を混同しないよう分けて整理しています。

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