公務員の給料・福利厚生

2026年の年末調整で税金はいくら戻る?年収別の還付額を試算

2026年の年末調整で戻る税金は、給与・ボーナスから天引きされた所得税等の合計から、2026年の制度で計算した年間の税額を差し引いた金額です。年収だけでは還付額を決められませんが、収入と控除、天引き額が分かれば試算できます。

2026年は基礎控除が引き上げられるため、収入や家族構成が前年と同じでも、年間の税額が減る方がいます。扶養なし・社会保険料を額面年収の15%と置くモデルでは、2025年の制度と比べた減税額は、年収500万円で27,600円、600万円で36,700円です。

ただし、この減税額と、実際に振り込まれる還付金は別です。まず制度改正による税額の差を年収別に示し、そのあとに、天引き額を仮定した還付例を載せます。公務員にも、給与所得者として同じ所得税の計算が適用されます。

この記事のポイント

年収別の表の読み方
制度改正による減税額と、実際の還付額を分けて見ます。
試算が当てはまる条件
扶養なし・社会保険料15%のモデルです。家族や保険、iDeCoなどの控除があれば結果は変わります。
自分の還付額に必要な数字
今年の給与・賞与、控除額、年末調整前の年間の所得税等の天引き額を使います。

還付額は「天引きされた税金-年間の税額」で決まる

年末調整は、先に納めた税金と、その年に納めるべき税金を精算する手続です。2026年分で精算するのは、所得税と復興特別所得税です。

還付額=年末調整前の年間源泉徴収額-年末調整で確定した年間税額

差額がプラスなら還付、マイナスなら不足分の追加徴収になります。月々の給与とボーナスの配分、年の途中の昇給、扶養の変更などにより、同じ年収でも天引き額は変わります。

2026年度改正による基礎控除などの変更は、原則として12月の年末調整で反映します。11月までの給与の源泉徴収事務には、この改正による変更はありません。新しい源泉徴収税額表は2027年から使うため、2026年は年末に改正分を精算する形です。

2026年は年収帯によって基礎控除の増加額が違う

基礎控除は、税金を計算する前に所得から差し引く金額です。控除が増えると、税率をかける対象が小さくなります。

控除額を判定する「合計所得金額」は、額面年収そのものではありません。給与だけなら、年収から給与所得控除を差し引いた給与所得が出発点です。社会保険料やiDeCoを差し引いて、基礎控除の区分を決めるわけではありません。

今回の年収別試算に関係する範囲では、基礎控除は次のように変わります。

合計所得金額 2025年分 2026年分 増加額
132万円以下 95万円 104万円 9万円
132万円超336万円以下 88万円 104万円 16万円
336万円超489万円以下 68万円 104万円 36万円
489万円超655万円以下 63万円 67万円 4万円
655万円超2,350万円以下 58万円 62万円 4万円

表の左端は年収ではなく、給与所得などを合算した所得です。例えば年収600万円では給与所得控除が164万円、給与所得が436万円となるため、基礎控除は68万円から104万円へ増えます。年収700万円では給与所得が520万円になるため、63万円から67万円への増加です。

この区分の違いがあるため、年収が高いほど今回の減税額も大きいとは限りません。給与以外に年金や事業などの所得がある方は、それらも含めて判定します。

年収別に試算|500万円で27,600円、600万円で36,700円の税額減少

次の表は、同じ年収・同じ控除条件で、2025年の制度と2026年の制度を比較した試算です。右端は年間の税額が減る金額であり、実際の還付総額ではありません。

対象は国内居住の給与所得者で、収入は給与・ボーナスだけとします。配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除・iDeCo・住宅ローン控除などは使わず、社会保険料を額面年収の15%として差し引きました。

額面年収 社会保険料の仮定 2025年制度の年間税額 2026年制度の年間税額 年間税額の減少
300万円 45万円 35,200円 27,000円 8,200円
400万円 60万円 65,300円 57,100円 8,200円
500万円 75万円 117,900円 90,300円 27,600円
600万円 90万円 184,200円 147,500円 36,700円
650万円 97万5,000円 217,400円 180,700円 36,700円
700万円 105万円 282,300円 274,100円 8,200円
800万円 120万円 435,400円 427,200円 8,200円
900万円 135万円 609,000円 600,800円 8,200円
1,000万円 150万円 782,500円 774,400円 8,100円

年間税額は所得税と復興特別所得税の合計です。課税所得の1,000円未満、年末調整で計算する年間税額の100円未満を切り捨てています。住民税と社会保険料の増減は含めていません。

このモデルでは、年収500万~650万円の掲載例で税額の減少が比較的大きくなります。一方、700万円以上の掲載例では基礎控除の増加が4万円になるため、減税額はおおむね8,000円台です。

年収500万円では、課税所得が213万円から177万円に下がり、10%と5%の税率帯をまたぎます。そのため、控除の増加額36万円に10%をかけるだけでは正しく計算できません。

実際の還付額は?年収400万・600万・800万円のモデルケース

先ほどの2026年の年間税額に、源泉徴収済みの金額を組み合わせると、還付額を計算できます。次の天引き額は、計算方法を示すために置いた仮の数字です。年収から予測した金額でも、職員の平均額でもありません。

額面年収 年間の天引き額の仮定 2026年の年間税額 還付額の試算
400万円 70,000円 57,100円 12,900円
600万円 200,000円 147,500円 52,500円
800万円 450,000円 427,200円 22,800円

年収600万円で所得税等を年間20万円天引きされていたなら、還付額は52,500円です。2025年の制度で計算した場合の精算額15,800円に、2026年改正による税額の減少36,700円が加わった形になります。

同じ年収600万円でも、天引き額が違えば結果は変わります。その他の条件を固定すると、次のとおりです。

年間の天引き額 年間税額 精算結果
200,000円 147,500円 52,500円の還付
160,000円 147,500円 12,500円の還付
140,000円 147,500円 7,500円の追加徴収

減税があっても、天引き額が年間の税額より少なければ還付にはなりません。「制度改正で税額が減ること」と「年末に税金が戻ること」は、このように分けて確認します。

自分の天引き額を調べるときは、給与明細の「所得税」を1月から12月まで合計し、ボーナス分も加えてください。12月分は、年末調整による還付・追加徴収を反映する前の金額を使います。

年収600万円の年間税額147,500円はどう計算する?

所得税の税率は、額面年収に直接かけるものではありません。給与所得控除と所得控除を差し引いた残りに、税率を当てはめます。

年収600万円・扶養なし・社会保険料90万円のモデルを、2026年の制度で順に計算します。

計算項目 金額・計算内容
給与収入 6,000,000円
給与所得控除 6,000,000円×20%+440,000円=1,640,000円
給与所得 6,000,000円-1,640,000円=4,360,000円
社会保険料控除 900,000円と仮定
基礎控除 1,040,000円
課税所得 4,360,000円-900,000円-1,040,000円=2,420,000円
所得税 2,420,000円×10%-97,500円=144,500円
復興特別所得税を含む年間税額 144,500円×102.1%=147,534.5円→147,500円

この例の課税所得242万円には、所得税の速算表の税率10%と控除額97,500円を使います。復興特別所得税を含め、年末調整の端数処理をした年間税額が147,500円です。

なお、給与収入660万円未満の給与所得は、実際の年末調整では国税庁の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で求めます。この600万円の例では、上の計算式と同じ436万円になります。

ここから年間の天引き額と比較して、初めて還付額が決まります。年間税額147,500円そのものが、戻ってくる金額ではありません。

生命保険やiDeCoを申告すると、還付額はどう変わる?

控除を申告すると、上のモデルより年間の税額が下がることがあります。ただし、所得から差し引く控除額が、そのまま戻るわけではありません。税率10%の範囲なら、所得控除4万円による所得税等の減少は、端数処理前で約4,084円です。

iDeCo月12,000円を本人が支払った場合

年収600万円のモデルに、本人が口座振替などで支払ったiDeCo月12,000円、年間144,000円の控除だけを追加してみます。年間の天引き額は20万円で固定します。

項目 iDeCoの控除なし 年間144,000円の控除あり
課税所得 2,420,000円 2,276,000円
年間税額 147,500円 132,800円
年間の天引き額の仮定 200,000円 200,000円
還付額 52,500円 67,200円

この条件では、iDeCoの申告により年間税額が14,700円下がり、還付額が同額増えます。iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、その年に支払った全額が所得控除の対象です。

給与天引きで月々の源泉徴収にも反映されている場合は、天引き額自体が変わります。そのため、この例のように同額の還付増を見込めるとは限りません。

23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除

2026年・2027年は、23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約の一般生命保険料控除の上限が4万円から6万円になります。例えば、対象となる一般生命保険料を年12万円支払った場合、この区分の控除額は6万円です。

ただし、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を合わせた上限は12万円のままです。すでに合計上限に達している場合、一般生命保険料の枠が増えても控除総額は増えません。

確認するのは、保険料の支払額と、そこから計算する控除額です。「保険料12万円を払ったので、税金が12万円戻る」という計算にはなりません。

還付が少なくても、税負担が増えたとは限らない

還付額が前年より少なくても、税負担が増えたとは限りません。月々に天引きされた税金が少なければ、年末に返す金額も小さくなるためです。

年間の税負担を比べるときは、年末調整後の源泉徴収票の「源泉徴収税額」を確認します。還付金は精算の結果であり、年間の税額そのものではありません。

また、配偶者や子の収入が増えて控除額が減った場合、昇給や賞与増で年収が増えた場合は、基礎控除の引上げと別の方向に税額が動きます。前年の還付金だけを基準にせず、今年の収入と控除を見直してください。

住宅ローン控除ですでに所得税がゼロになる方は、基礎控除が増えても所得税の還付総額が増えない場合があります。住宅ローン控除は、所得控除と異なり、計算した所得税額から差し引く制度です。

還付の反映時期と申告内容は、給与明細で確認する

年末調整の還付・追加徴収は、通常、年末調整を行う時期の給与などで精算されます。公務員の場合も、12月給与への反映か、その後の精算かは、所属先の案内と給与明細で確認してください。

申告前には、今年の給与・賞与の見込み、家族の年間所得、保険料とiDeCoの証明書をそろえます。基礎控除を年末調整で受けるための申告も忘れないようにしてください。

精算後は、給与明細の年末調整欄で還付・追加徴収を確認し、源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」と「源泉徴収税額」で申告内容の反映を確かめます。

自分の還付額を知りたい場合は、年収別の税額を出発点にし、実際の控除と年間の天引き額を入れて計算してください。特に、配偶者・扶養親族がいる方や住宅ローン控除を受ける方は、扶養なしの表からそのまま判断しないことが大切です。

FAQ

年収600万円なら、2026年の年末調整で36,700円戻りますか?

36,700円は、扶養なし・社会保険料90万円などの条件で、2025年の制度と比較した年間税額の減少です。実際の還付額は年間の天引き額によって変わります。天引き額を20万円と仮定した場合、このモデルの還付額は52,500円です。

公務員と会社員では、還付額の計算が違いますか?

給与所得者としての所得税の計算方法は同じです。ただし、社会保険料・共済掛金の実額、給与と賞与の配分、控除の内容が違えば結果も変わります。還付の反映時期は勤務先の案内で確認してください。

去年の源泉徴収票から、今年の還付額を予測できますか?

前年の年収や控除は参考になりますが、前年の「源泉徴収税額」は通常、年末調整後の年間税額です。今年の還付額を計算するには、今年の年末調整前の天引き額も必要です。

基礎控除104万円なら、104万円の税金が戻るのですか?

104万円は所得から差し引く金額です。還付額ではありません。税金がどれだけ減るかは、課税所得に適用される税率や、ほかの控除によって変わります。

2026年は減税されるのに、追加徴収になることもありますか?

あります。改正後の年間税額より、すでに天引きされた税金が少なければ不足分を徴収します。昇給や賞与増、扶養の変更なども含めて確認してください。

出典・作成方針

2026年10月10日時点で確認した公表資料をもとに作成しています。年収別の税額はKomuInfoによるモデル試算で、実際の還付額や平均還付額を示すものではありません。社会保険料は額面年収の15%と仮定し、基礎控除と社会保険料控除以外の控除は、個別に記載した例を除いて適用していません。還付例の年間源泉徴収額は説明用の仮定です。

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