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指定職とは?国家公務員の役職一覧・年収・俸給表を解説

指定職とは、国家公務員のうち、事務次官、外局の長官、本府省の局長・局次長・部長・審議官など、特に責任の重い幹部官職を占める職員に適用される俸給表上の区分です。一般の職員とは別に「指定職俸給表」が用意され、1号俸から8号俸までの8段階で俸給月額が決まります。

2026年4月1日現在の俸給月額は、1号俸の73万6,000円から8号俸の122万4,000円までです。代表的には、本府省局長が4号俸・5号俸、外局の長官が6号俸、内閣府審議官などが7号俸、事務次官が8号俸という構成になっています。

ただし、「局長なら必ず5号俸」のように役職名だけで機械的に決まるわけではありません。指定職は個別の官職ごとに1~8号俸が設定される仕組みで、同じ「局長」「審議官」でも、職務と責任の重さによって号俸が違います。

この記事のポイント

指定職とは
事務次官・長官・局長・審議官など、国家公務員の上級幹部に適用される俸給表
俸給月額
2026年4月現在は1号俸73万6,000円~8号俸122万4,000円
公表モデル
本府省局長で約1,939万円、事務次官で約2,524万円

指定職は「役職名」ではなく、幹部に適用される俸給表

まず押さえておきたいのは、「指定職」という名称の役職があるわけではないことです。

たとえば「財務事務次官」「国税庁長官」「主計局長」といった実際の官職があり、その官職を占める職員に指定職俸給表の何号俸を適用するかが決められています。

一般の国家公務員では、職務の級と号俸を組み合わせ、昇格や昇給によって俸給が変わっていきます。一方、指定職では1号俸から8号俸までの給与水準が設けられ、官職ごとの職務・職責を基準に号俸が設定されます。

そのため、指定職の給与を見るときは「本人が何年勤務したか」だけを見るのではなく、どの官職に就いているかを見ることが重要です。

指定職俸給表は1号俸から8号俸|役職と俸給月額の一覧

2026年4月1日現在の指定職俸給表と、内閣人事局が示している代表官職を並べると次のようになります。在職者数は2025年7月1日時点の数字です。

号俸 俸給月額 代表官職 在職者数
8号俸 1,224,000円 事務次官 20人
7号俸 1,153,000円 内閣府審議官等 31人
6号俸 1,078,000円 外局の長官 20人
5号俸 1,006,000円 本府省の局長 102人
4号俸 933,000円 本府省の局長 170人
3号俸 852,000円 本府省の局次長・部長・審議官、外局の次長等 519人
2号俸 794,000円 本府省の局次長・部長・審議官、外局の次長等 130人
1号俸 736,000円 本府省の局次長・部長・審議官、外局の次長等 0人

在職者数は合計992人です。特に3号俸は519人と多く、審議官や部長、局次長などの幹部官職が厚く配置されています。

一方、8号俸は事務次官クラスです。俸給だけで月122万4,000円となり、指定職俸給表の最高額に位置します。

同じ「局長」でも号俸は違う|財務省の指定職を例に見る

代表官職だけを見ると「局長は4~5号俸」という印象を受けますが、実際の指定はもっと細かく決められています。

2026年度の財務省を例にすると、事務次官は8号俸、財務官は7号俸、主計局長は6号俸です。一方、官房長や主税局長、関税局長、理財局長、国際局長は5号俸となっています。

号俸 財務省などの具体例 俸給月額
8号俸 財務事務次官 1,224,000円
7号俸 財務官、国税庁長官 1,153,000円
6号俸 主計局長 1,078,000円
5号俸 官房長、主税局長、関税局長、理財局長、国際局長、国税不服審判所長 1,006,000円
4号俸 大臣官房総括審議官、国税庁次長 933,000円
3号俸 大臣官房政策立案総括審議官、関東・近畿財務局長、東京・大阪税関長、東京・大阪国税局長、税務大学校長 852,000円
2号俸 財務省の局次長・審議官、その他の財務局長・税関長・国税局長など 794,000円

財務省だけを見ても、同じ「局長」という名称の中でかなり差があります。主計局長は6号俸ですが、他の本省局長は5号俸、関東・近畿財務局長は3号俸、その他の財務局長は2号俸です。税関長も東京・大阪が3号俸、それ以外は2号俸となっています。

国税庁でも、長官は7号俸、本庁次長は4号俸、東京・大阪国税局長は3号俸、その他の国税局長は2号俸です。肩書の語感ではなく、組織内で担う職責に応じて給与上の格付けが行われていることが分かります。

指定職の年収はいくら?本府省局長と事務次官のモデル

俸給表の金額は「基本給」に当たるため、俸給月額を12倍しただけでは年収になりません。

東京都特別区に勤務する場合は地域手当が20%支給されます。さらに、本府省勤務の指定職には本府省業務調整手当として月5万1,800円が支給されます。期末手当・勤勉手当もあるため、年間給与は俸給月額の12倍よりかなり大きくなります。

内閣人事局の「国家公務員の給与(令和8年)」に掲載されているモデル給与例では、本府省局長と事務次官は次の水準です。

モデル 指定職俸給 俸給月額 月額給与 年間給与
本府省局長 4号俸のモデル 933,000円 1,171,400円 19,386,000円
事務次官 8号俸 1,224,000円 1,520,600円 25,239,000円

本府省局長の月額給与117万1,400円は、4号俸の俸給93万3,000円に、東京都特別区の地域手当18万6,600円と、本府省業務調整手当5万1,800円を加えた金額です。

事務次官では、8号俸122万4,000円に地域手当24万4,800円、本府省業務調整手当5万1,800円を加えると、月額152万600円になります。内閣人事局のモデル年間給与は2,523万9,000円です。

指定職の給与は「号俸」と「官職」をセットで見る

指定職の給与を比較するとき、俸給月額だけを見ても役職の位置づけは十分に分かりません。実際には、次の3つを合わせて見る必要があります。

第一は何号俸に指定されているかです。8号俸に近づくほど高い職責が給与上評価されていると考えられます。

第二は実際の官職です。たとえば財務省では主計局長が6号俸、他の主要局長が5号俸です。地方機関でも関東・近畿財務局長は3号俸、その他の財務局長は2号俸となっており、「局長」という名称だけでは位置づけを判断できません。

第三は俸給以外の給与です。東京勤務なら地域手当が加わり、本府省勤務なら本府省業務調整手当もあります。年間では期末・勤勉手当も加わるため、「8号俸122万4,000円だから年収1,468万8,000円」と単純に12倍するのは適切ではありません。

指定職と大臣などの「特別職」は別の制度

指定職は高級官僚の給与として紹介されることが多いため、大臣や副大臣なども指定職だと思われることがありますが、制度上は別です。

指定職俸給表は、一般職の国家公務員である事務次官、長官、局長、審議官などに適用されるものです。一方、内閣総理大臣、国務大臣、副大臣、大臣政務官などは「特別職」で、別の給与法によって給与が定められています。内閣人事局の資料でも、指定職の給与と主な特別職の給与は分けて整理されています。

「官僚としてどこまで昇進すると指定職になるのか」を見る場合は、政治家の大臣ではなく、局長・長官・事務次官などの行政官側を見ると分かりやすくなります。

FAQ

指定職は国家公務員の何級ですか?
行政職俸給表の「○級」と指定職の「○号俸」は別物です。指定職には独立した指定職俸給表があり、1号俸から8号俸までが設定されています。一般の行政職から指定職の官職に就けば、その官職に定められた指定職の号俸が適用されます。
本府省の局長は何号俸ですか?
内閣人事局の代表官職では、本府省局長は4号俸または5号俸です。ただし、実際の号俸は個別の官職ごとに決まります。たとえば2026年度の財務省では、主計局長は6号俸、主税局長・関税局長・理財局長・国際局長は5号俸です。
指定職の国家公務員は何人いますか?
内閣人事局の資料では、2025年7月1日現在の指定職俸給表適用職員は合計992人です。最も多いのは3号俸の519人で、8号俸は20人です。

出典・作成方針

  • 内閣官房内閣人事局「国家公務員の給与(令和8年)」―指定職の代表官職、号俸、俸給月額、在職者数、モデル給与例
  • 人事院「指定職俸給表」―2026年4月時点で用いられている1号俸~8号俸の俸給月額
  • 人事院「令和8年度 指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸の定め並びに職務の級の定数の設定及び改定に関する意見」―財務省・国税庁など個別官職の号俸
  • 人事院「国家公務員の給与制度の概要」「人事院月報2026年4月号」―地域手当、本府省業務調整手当、期末・勤勉手当など
  • e-Gov法令検索「人事院規則九―四〇(期末手当及び勤勉手当)」―指定職職員の勤勉手当における成績率

俸給月額は原則として2026年4月1日現在の現行制度を基準にしています。在職者数は内閣人事局資料の注記に従い2025年7月1日現在です。年間給与は手取りではなく額面であり、個人の実支給額ではなく公表されたモデル給与として掲載しています。また、2026年人事院勧告による改定内容は、給与法改正後に現行制度へ反映される可能性があるため、勧告額と現行俸給額を混同しないよう区別しています。

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