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国家総合職・教養区分の企画提案試験とは?時間配分・構成・対策

国家総合職「教養区分」の企画提案試験は、与えられた課題に対する政策案を作成し、試験官への発表と質疑応答を行う試験です。2026年度の試験時間は、政策概要説明紙を作るⅠ部が90分、発表・質疑応答を行うⅡ部がおおむね30分です。

対策では、知識を集めるだけでなく、課題の原因を整理し、実行できる施策にまとめる練習が必要です。提案書を書き上げても、「なぜその施策なのか」「誰が実施するのか」「どのような問題が起こり得るか」を説明できなければ、質疑応答で答えに詰まります。

まずは90分で提案をまとめる手順を決め、その提案を短く説明する練習まで続けて行いましょう。以下の時間配分や構成例は、公式の指定ではなく、KomuInfoが示す練習用のモデルです。

この記事のポイント

試験時間の読み方
Ⅱ部のおおむね30分は質疑応答を含む時間で、発表だけの持ち時間ではありません。
提案の組み立て
施策の新しさだけでなく、資料から捉えた原因に対応し、実施方法まで説明できるかを確認します。
練習後の点検
書き終えた案を発表し、費用や弱点への質問にも答えて、説明紙との矛盾を探します。

企画提案試験は「作成」と「説明」の2段階

人事院は、企画提案試験を、企画力、建設的な思考力、説明力などを判定する試験としています。Ⅰ部で作る政策概要説明紙はA4両面1枚で、箇条書きや図、表を使う自由な形式です。長い文章を書き続けるよりも、政策の内容と根拠を読み取りやすく整理する必要があります。

試験の流れは次のとおりです。Ⅰ部とⅡ部は、同じ提案を使って行う一連の試験として捉えてください。

段階時間・形式行うこと
Ⅰ部90分・1題課題と資料を踏まえ、政策概要説明紙を作成する
Ⅱ部おおむね30分Ⅰ部の提案を発表し、試験官の質問に答える
説明紙A4両面1枚箇条書き・図・表などで政策案をまとめる

2026年度の配点比率は6/24で、総合論文試験と同じ比率です。企画提案だけで最終合否が決まるわけではありませんが、十分な準備時間を確保したい試験種目です。

政策課題討議試験・人物試験との違い

企画提案試験では、自分が作った政策案を試験官に説明します。政策課題討議試験は受験者同士のグループ討議、人物試験は人柄や対人的能力などについての個別面接です。企画提案の質疑応答では、まず提案の根拠や実施方法を説明できるように準備しましょう。

事前資料は「何が問題か」を整理しながら読む

企画提案試験では、参考文献や資料などが事前に公表されます。2026年度秋試験の受験案内では、詳細を第1次試験合格者発表日の10月21日(水)に案内し、指定された第2次試験日によって資料の掲載日が異なるとしています。自分に対応する資料を確認してください。

資料を読むときは、内容を順番に要約するだけでは不十分です。「誰が困っているのか」「どのような変化が起きているのか」「原因として何が考えられるか」を分けてメモすると、当日の設問に合わせて使いやすくなります。

統計には、調査年、対象者、単位も添えておきましょう。例えば、全国の平均値と特定地域の数値を混ぜると、施策の対象を誤って捉えるおそれがあります。また、2つの数値が一緒に動いていることだけで、一方が他方の原因だとは断定できません。

90分の時間配分は、施策を決める時間と書く時間を分ける

Ⅰ部では、資料を読み続けて清書の時間がなくなることも、早く書き始めて途中で案が変わることもあります。練習では、最初の35分で提案の骨格を決め、残り55分で説明紙の作成と確認を行う配分を試してみてください。

次の表は90分を使うモデルです。公式の時間指定ではなく、読み書きの速さに合わせて調整するための目安です。

経過時間作業ここまでに決めたいこと
0〜10分設問・条件を確認する求められる政策、対象、必ず触れる事項
10〜25分資料と課題を整理する中心となる課題、原因、使う根拠
25〜35分施策を比較し、構成を決める主な提案、採用理由、実施方法
35〜75分説明紙を作成する課題から効果・留意点までの全体像
75〜85分内容を点検する設問への答え、矛盾、数値・条件の誤り
85〜90分発表順序を確認する最初に伝える結論と説明の順番

この配分では、75分時点で説明紙全体をいったん完成させます。最後まで一部の文章を磨くより、施策の実施方法や留意点まで書けているかを先に確認しましょう。

資料を読むのに時間がかかる方は、清書時間を削る前に、必要な根拠を選ぶ練習をしてください。資料のすべてを説明紙に載せる必要はありません。自分の課題設定と施策を支える情報を選びます。

説明紙は「課題→原因→施策→実施方法」のつながりを示す

政策案は、施策名だけでは伝わりません。「どの問題に対応する施策か」「なぜ効果があると考えるか」を説明して、初めて提案の筋道が見えます。

例えば、「若者支援のために相談窓口を増やす」という案なら、既存の窓口では何が足りないのかを先に示します。窓口の存在が知られていないのなら周知方法、開庁時間に利用できないのなら受付時間の見直しが課題に対応する施策になります。

構成に迷った場合は、次の項目を下書きに使ってください。これは練習用の構成例であり、当日の設問で指定された事項を優先します。

項目書く内容確認する問い
提案の要旨対象と施策を短く示す誰の、何を改善する政策か
現状・課題資料から読み取れる問題を示すなぜ対応が必要なのか
原因問題が起こる背景を整理する施策で働きかけられる原因は何か
具体的施策対象、支援内容、利用方法を書く実際に何を変えるのか
実施方法実施主体、役割分担、期間、費用を示す誰が、どのように実行するのか
効果・留意点成果の測り方、リスクと対応を書く効果をどう確かめ、問題にどう対応するか

表面に提案の要旨・課題・施策、裏面に実施方法・効果・留意点を置く方法もあります。見出しを付け、どこを読めば何が分かるかを明確にしましょう。図や表は、役割分担や施策の流れを説明するときに使うと効果的です。

施策を増やしすぎると、各施策の根拠や実施方法が薄くなります。練習では中心となる施策を1つ決め、必要に応じて補助的な施策を組み合わせると、説明と質疑応答をまとめやすくなります。

モデルケース:相談支援を提案するなら、利用までの障害を考える

ここでは、架空の練習課題として「若者が必要な就労支援につながりにくい」という問題を考えます。実際の出題や模範解答ではありません。以下の地域数・金額も、政策の組み立て方を示すための仮定です。

仮に、既存の支援制度があっても、平日の昼間に相談できない人や、どこに相談すればよいか分からない人がいるとします。この場合、提案の中心を「新しい制度の創設」ではなく「既存の支援につながる入口の改善」に置くことが考えられます。

項目仮の提案内容
対象就労に困難を抱え、既存の支援を利用していない若者
施策夜間のオンライン相談を設け、相談内容に応じて既存の支援機関へつなぐ
実施体制国が共通の運用方針と検証方法を示し、モデル地域の自治体と支援機関が連携する
実施期間まず1年間試行し、利用状況と支援への接続状況を検証する
費用の仮定5地域に各500万円、合計2,500万円の試行費用を見込む
成果の確認相談件数だけでなく、支援機関の継続利用や就労・訓練への移行を追う
留意点個人情報の共有範囲を定め、オンラインを利用しにくい人には電話などの方法も用意する

この案で説明したいのは、夜間相談そのものの新しさよりも、利用時間や相談先の分かりにくさという障害に対応する点です。一方、支援につながらない主な原因が制度への不信感であれば、受付時間を変えるだけでは十分とはいえません。原因の捉え方によって、選ぶ施策も変わります。

費用についても、「各地域500万円」と書くだけでは根拠が弱くなります。実際の提案では、人員配置、対応時間、システム利用料など、費用が生じる項目を考えます。資料から確かめられない数値を置く場合は、試行規模を検討するための仮定として説明してください。

発表は、冒頭で提案を伝えてから根拠を説明する

人事院が公開している2025年度の企画提案試験の課題紙では、発表時間は5分とされています。Ⅱ部のおおむね30分すべてを発表に使うわけではありません。2026年度秋試験の細かな進行は、その年度の案内と当日の指示を確認してください。練習では、まず5分で提案全体を説明する形を作るとよいでしょう。

発表では、説明紙の全文を読み上げる必要はありません。冒頭で「何を提案するか」を伝え、課題、施策、実施方法へ進みます。次の配分は5分間の練習例です。

時間内容話す要点
0〜30秒提案の要旨対象、施策、目指す改善
30秒〜1分30秒課題と原因資料上の根拠と、対応すべき理由
1分30秒〜3分具体的施策支援内容と、課題に働きかける仕組み
3〜4分実施方法実施主体、役割分担、試行の進め方
4〜5分効果と留意点成果の確認方法、主なリスクへの対応

録音して時間を測り、長すぎる部分を削ります。5分に収めるために早口にするより、背景説明を絞り、施策の内容と採用理由に時間を使ってください。

質疑応答では、採用理由と提案の限界を説明する

質問対策では、自分の提案に対して「なぜ」「本当に実施できるか」を繰り返し考えます。次の質問例はKomuInfoが作成した練習用であり、実際の質問を予測するものではありません。

練習用の質問回答で説明したいこと
なぜこの課題を優先するのですか?問題の規模、影響、資料上の根拠
既存の制度では対応できませんか?既存制度の不足と、提案で改善する部分
なぜ国が関与する必要がありますか?国・自治体・民間の役割分担
予算が半分になったらどうしますか?残す機能、対象や規模の調整方法
利用者が集まらなかったらどうしますか?原因の確認と、周知・運用の見直し
効果をどう判断しますか?実施前後の変化、比較対象、評価する時点

回答は、質問への答えを先に述べ、その理由を続けます。モデルケースで「オンラインを使えない人はどうするのか」と聞かれたら、「電話での相談も用意します」と答えてから、利用手段によって支援から取り残されないようにする理由を説明します。

指摘された弱点が妥当なら、認めたうえで対応を述べて構いません。ただし、その場で提案の目的まで変えると、説明紙との整合性が崩れます。目的を維持しながら、対象、規模、実施方法をどう調整するかを考えましょう。

分からない数値や制度は推測で言い切らず、「現時点の資料では確認できないため、実施前に調査する」と答えます。その後に、何を調べ、結果に応じてどう判断するかまで述べると、回答が具体的になります。

対策は、公式問題を使って作成から質疑応答まで行う

人事院の試験問題例ページでは、2026年度春試験を含む企画提案試験の問題が公開されています。まず課題紙を読み、置かれた立場、求められる提案、必須事項を確認してください。

例えば2025年度の公開問題には、結婚や子供を持つことを希望する人の環境整備について、具体的施策を提案させる課題があります。この課題では、施策を進めるうえでの留意点にも触れるよう指定されています。テーマについて知っていることを書く前に、こうした要求を拾う練習が必要です。

1週間で練習を組むなら、次の進め方が考えられます。学習時間に応じて期間を延ばしても、最後に作成・発表・質問への回答をつなげて行う点は共通です。

日練習内容確認する点
1日目公式問題と資料を読む設問の条件と必要な根拠を拾えているか
2日目時間をかけて提案を組み立てる原因と施策がつながっているか
3日目A4両面にまとめ、発表を録音する説明紙の読みやすさと発表時間
4日目質問を6問以上作り、声に出して答える費用、役割分担、効果、弱点を説明できるか
5日目別の問題で90分の作成練習をする時間内に全体を完成できるか
6日目発表と模擬質疑を行う説明紙と回答が矛盾していないか
7日目弱かった部分を修正する次回も使える作成手順ができたか

初回は構成を理解するために時間をかけ、次の問題では90分を測ってください。練習後は、「知識が足りなかった」と大きく捉えるより、「原因の整理に時間がかかった」「実施方法を書けなかった」など、つまずいた作業を特定します。その作業を直すことで、次の練習に改善をつなげられます。

2026年度秋試験は、指定された日程と事前資料を確認する

2026年度秋試験の企画提案試験は、11月24日(火)または11月26日(木)です。翌日に政策課題討議試験と人物試験が行われ、受験者ごとに指定された連続2日間で受験します。自分の日程と試験場は、第1次試験合格通知書で確認してください。

資料公表前でも、公式問題を使った90分の作成練習と短い発表練習は始められます。対応する事前資料が公表されたら、資料の内容を読み込み、当日の課題に使える根拠や論点を整理しましょう。

FAQ

企画提案試験の時間は何分ですか?

2026年度は、Ⅰ部の政策概要説明紙作成が90分、Ⅱ部の発表・質疑応答がおおむね30分です。集合時刻や当日の進行は、合格通知書と受験者向けの案内を確認してください。

専門知識がないと提案できませんか?

専門用語や制度名を多く知っていることだけで提案が決まるわけではありません。公式に示されている評価対象は、企画力、建設的な思考力、説明力などです。事前資料で必要な知識を補いながら、対象者、実施主体、効果が生まれる理由まで説明する練習をしてください。

説明紙は文章だけで書く必要がありますか?

箇条書き、図、表などを使えます。役割分担や実施手順は図表、施策の採用理由は短い文章というように、内容に合わせて整理してください。

事前に完成した政策案を暗記すれば対応できますか?

完成案の暗記だけでは、当日の設問に対応できない場合があります。資料から複数の論点を整理し、対象や条件に応じて提案を組み替える練習をしましょう。

質疑応答で弱点を指摘されたら、提案を変えるべきですか?

指摘の内容を確認し、必要な修正を説明してください。提案の目的を維持したまま、規模や実施方法を見直せる場合もあります。根拠なく全面撤回することも、弱点を認めず押し通すことも避けたい対応です。

出典・作成方針

2026年10月11日時点で確認した公式資料をもとに作成しています。時間配分、説明紙の構成、質問例、練習計画はKomuInfoによる対策例です。モデルケースの地域数・費用は架空の仮定であり、公式の採点基準、模範解答、合格を保証する方法ではありません。受験時は、その年度の案内と当日の指示を優先してください。

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