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2027年(令和9年)の人事院勧告は、2026年8月時点ではまだ内容が決まっていません。ただし、直近の人事院勧告と民間賃金の動きを見ると、2027年も月例給の引上げが続く可能性は高いと考えられます。
KomuInfoでは現時点の中心シナリオとして、2027年の月例給について3%前後の官民較差、俸給表では平均2.8~3.5%程度の引上げを予想します。ボーナスは年間4.70月の据え置きから4.75月への引上げまでが現実的な範囲で、現時点では4.75月をやや有力とみています。
ただし、2027年人事院勧告を大きく左右するのは、これから決まる2027年春闘の賃上げ率と2027年4月の民間給与です。そのため、以下の数値は確定情報ではなく、2026年8月時点のモデル予想として見てください。
この記事のポイント
2027年人事院勧告の予想
まず、現時点での予想を整理します。2025・2026年のような3%台の大幅改定が続くかは不透明ですが、民間の賃上げ基調が急激に止まらない限り、2027年もプラス改定となる可能性が高いでしょう。
| 項目 | 2026年 | 2027年予想 | 予想の確度 |
|---|---|---|---|
| 官民較差 | 15,056円・3.51% | 2.5~3.6%程度 | 中 |
| 俸給表の平均改定率 | 3.3% | 2.8~3.5%程度 | 中 |
| ボーナス | 4.70月 | 4.70~4.75月 | 低~中 |
| 大卒一般職の初任給 | 241,500円 | 25万円前後 | 低~中 |
| 年間給与 | 行政職(一)平均で約26.6万円増 | 15万~25万円程度増のケースを想定 | 中 |
ここで重要なのは、「官民較差3%」と「全職員の俸給表が一律3%上がる」は同じ意味ではないことです。人事院は官民給与の較差を解消するよう俸給表を改定しますが、年齢層・級・号俸によって実際の改定率は異なります。
2026年も官民較差は3.51%でしたが、行政職俸給表(一)の平均改定率は3.3%で、1級4.0%、2級3.6%、3級3.4%、4級3.1%、5~10級3.0%という配分になりました。
2027年も給与アップを予想する理由
民間では3年連続で5%台の賃上げ
2026年春闘では、連合の最終集計で定期昇給を含む賃上げ率が5.01%となり、3年連続で5%台となりました。さらに、定期昇給を除いた「賃上げ分」だけでも3.50%です。300人未満の中小組合でも定昇込み4.69%、賃上げ分3.51%となっています。
人事院勧告がそのまま春闘の数字に連動するわけではありませんが、民間で3%台のベースアップが定着し始めていることは、公務員給与にとっても重要な材料です。
2026年も官民較差は3.51%あった
2026年の人事院勧告では、行政職俸給表(一)の国家公務員給与428,451円に対し、比較対象となる民間給与は443,507円となり、15,056円・3.51%の官民較差が確認されました。人事院はこの較差を解消するため、月例給の引上げを勧告しています。
2027年4月に民間企業がさらに3%前後のベースアップを実施すれば、2026年改定後の国家公務員給与に対して再び一定の較差が生まれる可能性があります。
日銀は2027年度も2%台の物価上昇を見込む
日本銀行の2026年7月の展望では、消費者物価(除く生鮮食品)の2027年度見通し中央値は2.4%です。あわせて、人手不足が続くなかで賃金と物価が相互に参照しながら上昇するメカニズムが維持され、2026年度後半から2027年度にかけて基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」と概ね整合的な水準になるとの見通しを示しています。
物価だけを理由に人事院勧告の改定率が決まるわけではありません。しかし、2%程度の物価上昇と人手不足が継続すれば、民間企業が賃上げを続ける環境は残りやすくなります。
給与改定は2023年以降、大きな水準が続いている
直近4年間を見ると、国家公務員の給与改定はそれ以前とは明らかに異なる水準になっています。
| 年 | 官民較差 | 官民較差率 | ボーナス |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 3,869円 | 0.96% | 4.50月 |
| 2024年 | 11,183円 | 2.76% | 4.60月 |
| 2025年 | 15,014円 | 3.62% | 4.65月 |
| 2026年 | 15,056円 | 3.51% | 4.70月 |
| 2027年予想 | 1万円台を中心に想定 | 2.5~3.6%程度 | 4.70~4.75月 |
2023年は1%未満だった官民較差が、2024年には2.76%、2025年には3.62%、2026年には3.51%となりました。2026年は行政職(一)の平均年間給与について、月例給とボーナスを合わせて約26.6万円、3.7%の増加とされています。
比較時の注意:2025年から、官民給与の比較対象となる民間企業の規模は「50人以上」から「100人以上」へ見直されています。2024年以前と2025年以降の官民較差は、完全に同じ比較条件による時系列ではありません。
そのため2027年についても、従来のような「数百円~数千円程度の改定」を基本シナリオにするより、1万円前後から1万円台の月例給較差が再び生じるケースを考えておく方が、現在の賃金環境には合っています。
2027年のボーナスは4.75月になる?
2026年勧告では、国家公務員のボーナスが年間4.65月から4.70月へ0.05月引き上げられました。民間の特別給が4.72月相当だったのに対し、国家公務員は4.65月だったためです。
2027年については、4.70月据え置きと4.75月への引上げの両方が十分あり得ます。
| 民間ボーナスの動向 | 2027年の予想 |
|---|---|
| 2026年並み | 4.70月据え置きの可能性 |
| やや増加 | 4.75月への引上げが有力 |
| 大幅増加 | 4.80月も理論上あり得るが、現時点では強気シナリオ |
| 景気悪化・賞与減少 | 4.70月据え置き、場合によっては引下げリスク |
人事院は民間の特別給を直近1年間で調査し、国家公務員の年間支給月数を0.05月単位で調整します。そのため、月例給よりもボーナスの方が景気や企業業績の影響を受けやすく、現段階での予想確度は低めです。
2027年に給与はいくら増える?モデルケース
仮に2027年の俸給月額が平均3.2%上がり、ボーナスが4.70月から4.75月へ増えた場合を試算します。
以下は「現在の俸給月額×1.032」とし、ボーナスも単純に俸給月額を基礎として計算したモデルケースです。地域手当、扶養手当、超過勤務手当、実際の期末・勤勉手当の算定基礎などは考慮していないため、実際の給与額とは一致しません。
| 現在の俸給月額 | 3.2%改定後 | 月額増加 | 年間額面増加の目安 |
|---|---|---|---|
| 300,000円 | 309,600円 | 9,600円 | 約17.6万円 |
| 350,000円 | 361,200円 | 11,200円 | 約20.5万円 |
| 400,000円 | 412,800円 | 12,800円 | 約23.4万円 |
たとえば俸給月額35万円なら、3.2%改定で月額は約1万1,200円増えます。ボーナス0.05月増も含めた単純モデルでは、年間の額面給与は約20.5万円増える計算です。
これは額面給与の増加額です。実際の手取り増加額は所得税・住民税・共済掛金などの増加によって小さくなります。
若手・初任給は2027年も上がる可能性
2026年勧告では、総合職・一般職とも初任給を9,500円引き上げる勧告となりました。一般職大卒程度は232,000円から241,500円、総合職大卒程度は242,000円から251,500円となります。
民間企業では人材獲得競争が続いているため、2027年も初任給を通常の給与改定より厚めに引き上げる可能性があります。
仮に2027年に一般職大卒程度の初任給が8,000~10,000円程度上がれば、25万円前後に達します。2024年以前と比べれば、国家公務員の初任給水準は短期間で大きく変わることになります。
注意:25万円前後という金額はKomuInfoによる2026年8月時点の予想です。2027年の初任給改定額はまだ決まっていません。
2027年は中堅・管理職も注目
近年は「若手だけ大幅アップ」という見方だけでは不十分になっています。2026年勧告では、1級4.0%に対して、5~10級も3.0%引上げとなり、人事院は中堅層以上について2025年を上回る改定を行いました。
そのため2027年についても、若手の採用競争力確保だけでなく、係長・課長補佐・管理職を含む中堅以上の給与水準が論点になると考えられます。
仮に2027年も全階層で2~3%台の改定となれば、俸給月額そのものが高い40~50代では、率が若手より低くても月額の増加額では1万円を超えるケースが珍しくなくなります。
3つのシナリオで見る2027年人事院勧告
現時点で一点予想に絞るより、2027年春闘の結果によって次のように考える方が実用的です。
| シナリオ | 民間賃金のイメージ | 月例給予想 | ボーナス予想 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 2027春闘が明確に減速 | 1.5~2.5%程度 | 4.70月 |
| 中心 | 3%程度のベアが継続 | 2.8~3.5%程度 | 4.75月前後 |
| 強気 | 2026年以上の賃上げ | 3.5~4%台 | 4.75~4.80月 |
現時点では中心シナリオが最も可能性が高いとみています。ただし、景気後退や企業収益の悪化、2027年春闘の失速があれば、2024~2026年ほどの改定率にならない可能性があります。
2027年人事院勧告を予想するなら春闘の「ベア」を見る
2027年に入ってから最も注目したい数字は、春闘の「定昇込み賃上げ率」だけではなく、定期昇給を除いた賃上げ分です。
2026年春闘は定昇込み5.01%でしたが、賃上げ分は3.50%でした。人事院勧告の月例給改定を考える場合、「5%だから公務員給与も5%上がる」と考えるのは適切ではありません。
2027年春闘で賃上げ分が再び3%台となり、その賃上げが人事院の民間給与調査対象企業にも広く波及していれば、3%前後の給与改定予想はかなり現実味を増します。
2027年人事院勧告はいつ分かる?
人事院は毎年、民間企業の給与実態を調査し、国家公務員との給与水準を比較したうえで給与勧告を行います。2026年は8月7日に勧告が行われました。
2027年の正式な勧告日程は現時点では未確定ですが、例年どおりであれば夏に内容が判明します。
予想精度が大きく上がるのは、2027年3~4月の春闘集中回答、春以降の職種別民間給与実態調査、夏季賞与の動向が見えてくる時期です。特に2027年4月の民間給与が、最終的な官民較差を判断するうえで重要になります。
地方公務員の給与も同じだけ上がるとは限らない
国家公務員の人事院勧告が大幅なプラスになれば、地方公務員の給与改定にも大きな影響があります。ただし、地方公務員については各自治体の人事委員会勧告や条例改正を経て給与が決まるため、国家公務員と改定率・改定額が完全に一致するとは限りません。
特に自治体ごとの民間給与水準や給与表の構成によって差が出るため、2027年の地方公務員給与を確認するときは、国の人事院勧告だけではなく、勤務先自治体の人事委員会勧告まで確認する必要があります。
結局、2027年人事院勧告はどうなりそう?
2026年8月時点では、2027年も国家公務員給与の引上げが続くというのがKomuInfoの中心予想です。
2024年2.76%、2025年3.62%、2026年3.51%と高い官民較差が続いており、2026年春闘でも定昇を除く賃上げ分は3.50%でした。民間賃金の上昇が2027年にも継続すれば、月例給で2.8~3.5%程度、ボーナス4.75月前後は十分考えられる水準です。
一方、2027年春闘そのものはまだ始まっていません。したがって「2027年も3%以上上がる」と断定する段階ではありません。今後は2027年春闘のベア率→2027年4月の民間給与→夏の民間賞与という順番で確認すると、人事院勧告の方向性が見えやすくなります。
FAQ
2027年も国家公務員の給料は上がりますか?
2027年の人事院勧告は何%くらいになりそうですか?
2027年のボーナスは何か月になりそうですか?
2027年の人事院勧告はいつ発表されますか?
地方公務員も同じ改定率になりますか?
出典・作成方針
- 人事院「令和8年 人事院勧告」
- 人事院「令和8年 職員の給与に関する報告・勧告」
- 人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」
- 人事院月報2026年1月号「民間給与との比較対象企業規模の見直し」
- 連合「2026春季生活闘争 第7回(最終)回答集計」
- 日本銀行「経済・物価情勢の展望(2026年7月)」
2026年までの数値は公表資料を基に記載しています。2027年の改定率、官民較差、初任給、ボーナス、年間給与増加額については、2026年8月時点の経済・賃金動向を基にしたKomuInfoの予想・モデルケースであり、人事院が公表した見通しではありません。2027年春闘や人事院の調査結果が判明した段階で予想を見直す必要があります。



