国家総合職

国家総合職「教養区分」の試験科目・配点|2026年度の変更点も解説

国家総合職の「教養区分」は、第1次試験で基礎能力試験と総合論文試験、第2次試験で企画提案試験・政策課題討議試験・人物試験を受けます。専門試験はありませんが、論文や政策提案にも配点があり、知識問題だけで合否が決まる試験ではありません。

配点を読むうえで大切なのは、第1次試験の合格判定には基礎能力試験の成績だけを使うことです。同じ日に書く総合論文は、第1次試験の合格者について採点され、最終合格の判定に加わります。

2026年度から教養区分は春と秋の年2回実施になりました。あわせて、基礎能力試験の問題数・分野配分と総合論文の出題数も変更されています。試験科目、問題数、配点の見方とあわせて整理します。

この記事のポイント

第1次試験の合否
基礎能力試験Ⅰ部30題・Ⅱ部20題の成績で決まる
最終合格の配点比率
基礎能力4/24、総合論文6/24、企画提案6/24、政策課題討議4/24、人物4/24。英語は別枠で加算
2026年度の変更点
春試験を追加。基礎能力は54題から50題、総合論文は2題から1題へ

試験科目は第1次が筆記、第2次が提案・討議・面接

2026年度の受験案内にある試験種目と解答時間をまとめました。配点比率の分母「24」は最終合格を決める際の比率です。基礎能力試験はⅠ部とⅡ部で問題数も比率も異なります。

段階試験種目問題数・内容時間配点比率
第1次基礎能力試験Ⅰ部多肢選択式30題2時間20分2.5/24
第1次基礎能力試験Ⅱ部多肢選択式20題1時間1.5/24
第1次総合論文試験1題2時間30分6/24
第2次企画提案試験説明紙の作成、発表・質疑応答作成1時間30分、発表等おおむね30分6/24
第2次政策課題討議試験グループ討議おおむね1時間30分4/24
第2次人物試験個別面接受験案内に一律の時間表示なし4/24

基礎能力試験を合計すると4/24です。総合論文と企画提案はそれぞれ6/24で、最終合格の判定では両者を合わせて12/24を占めます。ただし、表の比率をそのまま「50問中の正解数」に掛けて総得点を計算する仕組みではありません。

基礎能力試験はⅠ部30題、Ⅱ部20題

Ⅰ部は文章理解、判断・数的推理、時事・情報の計30題です。Ⅱ部は自然・人文・社会の知識分野から20題が出題されます。人事院が示す分野別の題数は「出題予定数」です。

区分出題分野予定題数満点の30%に当たる正解数
Ⅰ部文章理解10題Ⅰ部全体で9題/30題
Ⅰ部判断・数的推理(資料解釈を含む)14題
Ⅰ部自然・人文・社会に関する時事、情報6題
Ⅱ部自然・人文・社会20題6題/20題

人事院は、基礎能力試験の基準点をⅠ部・Ⅱ部それぞれ原則として満点の30%としています。上の9題と6題は、その割合を2026年度の問題数に当てはめた数字です。基準点に達することと、第1次試験に合格することは別で、基準点以上の受験者についてⅠ部・Ⅱ部の標準点を合計し、合格者を決めます。

総合論文は第1次の日に書き、最終合格で評価される

総合論文試験は1題、解答時間は2時間30分です。政策の企画立案の基礎となる教養・哲学的な考え方を題材に、幅広い教養や専門的知識を踏まえた判断力、思考力が問われます。配点比率は6/24で、単一の試験種目としては企画提案試験と並びます。

試験日は第1次試験と同じですが、第1次試験の合否は基礎能力試験の成績で判定されます。総合論文が採点されるのは第1次試験の合格者です。第1次試験の自己採点時に論文の出来を基礎能力試験の点数へ足して考えることはできません。

第2次では政策を組み立て、説明し、議論する

企画提案試験は二つの部分から成ります。Ⅰ部では与えられた課題と資料を基に、解決策を政策概要説明紙(プレゼンテーションシート)へまとめます。Ⅱ部ではその内容を試験官に説明し、質疑応答を受けます。2026年度秋の受験案内では、参考文献や資料などを事前に人事院のサイトへ掲載するとしています。

政策課題討議試験では、グループ討議を通じた説明力やコミュニケーション力などが評価されます。人物試験は人柄や対人的能力などを見る個別面接です。第2次試験の際には、人物試験の参考とする性格検査も行われます。

企画提案は6/24、政策課題討議と人物試験は各4/24です。第2次の3種目だけで14/24を占めるため、筆記の知識対策に加え、資料から課題をつかんで提案を説明する練習が必要になります。

配点比率は素点の単純な掛け算ではない

人事院は、基礎能力試験の正解数などを、試験種目ごとの平均点と標準偏差を使った「標準点」に換算します。第1次試験では基礎能力試験Ⅰ部とⅡ部の標準点を合計し、最終合格では論文、第2次試験などの標準点と英語試験の加算点も合わせます。同じ正解数でも、その回の平均点などが違えば標準点は変わります。

たとえばⅠ部で18/30題、Ⅱ部で11/20題正解したとします。Ⅰ部の9題、Ⅱ部の6題という原則上の基準点は両方とも上回ります。しかし、29/50題正解だから合格とは判断できません。第1次試験の合否には、各部の平均点・標準偏差を用いて算出した標準点が関わるからです。これは計算の読み方を示すモデルケースであり、2026年度秋試験の合格予想点ではありません。

英語資格は最終合格時に15点または25点を加算

TOEFL iBT、TOEIC Listening & Reading Testの公開テスト、IELTS、実用英語技能検定は、所定のスコアや級を満たし、証明書類を提出すると加算の対象になります。英語試験の加算は第1次試験の合否判定には使われず、最終合格者の決定時に加わります。

一例として、2026年度秋試験の受験案内では、TOEIC Listening & Reading Testの公開テストが600点以上730点未満なら15点、730点以上なら25点です。IPテストは対象に含まれません。この15点・25点は「15/24」「25/24」という配点比率ではなく、各試験種目の標準点を合計した後に加える点数です。ほかの英語試験の基準、証明書の種類や提出方法は受験案内で確認してください。

2026年度は年2回化に加え、試験内容も変更

従来の秋試験に加えて、2026年度は春試験が始まりました。変更されたのは実施回数だけではありません。基礎能力試験の問題数と分野の配分、総合論文の出題数も見直されています。

項目2025年度秋まで2026年度春・秋から
実施時期秋のみ春・秋の年2回
基礎能力Ⅰ部知能分野24題知能分野24題+時事・情報6題の計30題
基礎能力Ⅱ部知識分野30題(時事・情報6題を含む)知識分野20題
総合論文2題1題
採用候補者名簿の有効期間6年6か月7年間

基礎能力試験は合計54題から50題になり、時事・情報6題はⅡ部からⅠ部へ移りました。総合論文も2題から1題になっています。過年度の問題やボーダーを見るときは、2026年度から試験構成が変わっている点に注意が必要です。

人事院は、試験年度の4月1日に19歳を迎えている人が、主に大学2年生から受験できると案内しています。また、2026年度試験の最終合格者から、採用候補者名簿の有効期間は従来の6年6か月から7年間に延びました。春試験では総合職のいずれか1つの試験区分のみ申し込めますが、春試験と秋の教養区分の双方に申し込むことは可能です。

受験勉強では、まずⅠ部・Ⅱ部の双方で基準点を下回らないことを前提に、第1次試験の得点を伸ばす必要があります。そのうえで、最終合格では論文と企画提案の比率が大きいことを踏まえ、文章で考えをまとめる練習にも時間を配分するとよいでしょう。

FAQ

教養区分に専門試験はありますか?

専門試験はありません。ただし、総合論文では幅広い教養や専門的知識を土台とした判断力・思考力が問われます。

総合論文で高評価なら、第1次試験に合格できますか?

第1次試験の合否は基礎能力試験Ⅰ部・Ⅱ部の成績で決まります。総合論文は第1次試験の合格者について採点され、最終合格の判定に使われます。

基礎能力試験は何点取れば合格ですか?

事前に一律の合格正解数は示されていません。Ⅰ部・Ⅱ部それぞれ原則として満点の30%という基準点があり、それを満たした受験者の標準点を基に第1次試験の合格者が決まります。

出典・作成方針

問題数と時間は2026年度秋の受験案内、配点と合否判定は春・秋共通の「合格者の決定方法」、2026年度の試験内容変更は人事院の変更点資料を基に整理しました。モデルケースの正解数は制度の読み方を示すための仮定であり、合格点の予測ではありません。

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