東京大学の運営費交付金は、2004年度の926.4億円から2025年度の871.7億円へ、54.7億円、5.9%減少しました。
ただし、変化は一直線ではありません。2016年度に811.8億円まで低下した一方、前年度を上回った年もあります。どの時期に、どの程度動いたのかを長期推移から確認します。
2026年度当初予算では812.1億円を見込みます。予算と決算は単純比較できません。
2025年度の全国順位は全法人の決算収集完了後に更新します。参考として、2024年度は85法人中1位です。
東京大学の交付金は21年間で5.9%減少
2004年度の926.4億円から、2025年度は871.7億円となりました。この間には前年度を上回った年度が13回、下回った年度が8回あり、一直線の変化ではありません。
単位:億円 実線:東京大学 破線:全国平均
期間中の最高額は2012年度の980.2億円、最低額は2016年度の811.8億円でした。直近5年では、2021年度から26.1億円(2.9%)減少しています。
前年からの決算額の増加が最も大きかったのは2011年度(+79.0億円)、減少が最も大きかったのは2013年度(-94.4億円)です。長期の増減率だけでなく、年度ごとの振れも合わせて見る必要があります。
出典:各年度の決算報告書「運営費交付金」の決算額。全国平均は公開可能な法人値の単純平均です。 2025年度の公式決算報告書
交付金の変化を6年ごとに見る
第1期は+0.4%、第2期は+4.7%、第3期は+10.6%、第4期は途中経過で+5.1%です。増減の時期は異なり、法人化後の全期間が同じ方向に動いたわけではありません。
| 期間 | 期首 | 期末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 第1期(2004〜2009年度) | 926.4億円 | 930.5億円 | +4.1億円(+0.4%) |
| 第2期(2010〜2015年度) | 856.9億円 | 897.4億円 | +40.5億円(+4.7%) |
| 第3期(2016〜2021年度) | 811.8億円 | 897.8億円 | +86.0億円(+10.6%) |
| 第4期(2022〜2027年度)途中 | 829.8億円 | 871.7億円 | +41.9億円(+5.1%) |
第1期(2004〜2009年度)、第2期(2010〜2015年度)、第3期(2016〜2021年度)、第4期(2022〜2027年度)。第4期は2025年度までの途中経過です。文部科学省の制度資料を参照。
東京大学の2025年度の財務構造
運営費交付金は収入の27.2%
収入計3,206.6億円のうち、運営費交付金は871.7億円です。自己収入とその内訳を重ねて合計せず、収入全体の構成と自己収入の内訳を分けて示します。
- 運営費交付金 871.7億円
- 自己収入 870.7億円
- 産学連携等研究収入・寄附金等 1,097.7億円
- その他 366.5億円
自己収入の中心は附属病院
附属病院収入は607.6億円で、自己収入の69.8%を占めます。
支出の33.8%を教育研究経費が占める
支出計3,115.4億円のうち、教育研究経費は1,054.1億円です。
2025年度の収入予算は3,168.3億円、収入決算は3,206.6億円でした。差は決算報告書上の予算と実績の差です。
決算報告書上、収入計と支出計の差は91.2億円です。この差額は企業会計上の利益を示すものではありません。
2026年度当初予算では運営費交付金812.1億円を見込む
運営費交付金の年度計画予算見積額は812.1億円です。産学連携等研究収入及寄附金収入等1,013.0億円が運営費交付金を上回ります。
予算は見込額です。決算実績とは集計段階が異なるため、前年比として扱いません。
予算の全項目・出典を見る
| 科目 | 見積額 |
|---|---|
| 雑収入 | 53.0億円(5,296,712千円) |
| 授業料及入学検定料 | 178.1億円(17,806,733千円) |
| 運営費交付金 | 812.1億円(81,206,973千円) |
| 産学連携等研究収入及寄附金収入等 | 1,013.0億円(101,302,939千円) |
| 附属病院収入 | 582.1億円(58,210,293千円) |
| 大学改革支援・学位授与機構施設費交付金 | 0.6億円(59,000千円) |
| 長期借入金収入 | 15.0億円(1,500,000千円) |
| 施設整備費補助金 | 13.7億円(1,372,193千円) |
| 合計 | 2,667.5億円(266,754,843千円) |
| 科目 | 見積額 |
|---|---|
| 合計 | 2,667.5億円(266,754,843千円) |
| 施設整備費 | 29.3億円(2,931,193千円) |
| 産学連携等研究経費及寄附金事業費等 | 1,013.0億円(101,302,939千円) |
| 教育研究経費 | 1,043.1億円(104,310,418千円) |
| 診療経費 | 549.3億円(54,928,017千円) |
| 借入償還金 | 32.8億円(3,282,276千円) |
東京大学の年度別運営費交付金決算額
| 年度 | 決算額 | 前年差 | 前年比 | 全国順位 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 871.7億円 | +24.8億円 | +2.9% | — |
| 2024年度 | 847.0億円 | +0.1億円 | +0.0% | 1位/85 |
| 2023年度 | 846.8億円 | +17.1億円 | +2.1% | 1位/86 |
| 2022年度 | 829.8億円 | -68.0億円 | -7.6% | 1位/86 |
| 2021年度 | 897.8億円 | +18.4億円 | +2.1% | 1位/89 |
| 2020年度 | 879.4億円 | +18.2億円 | +2.1% | 1位/89 |
| 2019年度 | 861.1億円 | +19.1億円 | +2.3% | 1位/90 |
| 2018年度 | 842.1億円 | +8.2億円 | +1.0% | 1位/90 |
| 2017年度 | 833.8億円 | +22.1億円 | +2.7% | 1位/90 |
| 2016年度 | 811.8億円 | -85.7億円 | -9.5% | 1位/90 |
| 2015年度 | 897.4億円 | +24.7億円 | +2.8% | 1位/90 |
| 2014年度 | 872.7億円 | -13.1億円 | -1.5% | 1位/90 |
| 2013年度 | 885.8億円 | -94.4億円 | -9.6% | 1位/90 |
| 2012年度 | 980.2億円 | +44.3億円 | +4.7% | 1位/90 |
| 2011年度 | 935.9億円 | +79.0億円 | +9.2% | 1位/90 |
| 2010年度 | 856.9億円 | -73.6億円 | -7.9% | 1位/90 |
| 2009年度 | 930.5億円 | -31.3億円 | -3.3% | 1位/90 |
| 2008年度 | 961.7億円 | -6.0億円 | -0.6% | 1位/90 |
| 2007年度 | 967.7億円 | -9.8億円 | -1.0% | 1位/90 |
| 2006年度 | 977.5億円 | +3.1億円 | +0.3% | 1位/90 |
| 2005年度 | 974.4億円 | +48.0億円 | +5.2% | 1位/88 |
| 2004年度 | 926.4億円 | — | — | 1位/88 |
この数字を読むときの注意
本記事の長期比較に使うのは、各年度の決算報告書に記載された「運営費交付金」の決算額です。損益計算書の「運営費交付金収益」や、その年度に国が新たに交付した額とは一致しません。
決算額には前年度からの繰越使用や、年度途中の追加交付・補正が含まれる場合があります。運営費交付金だけで法人全体の財務力は測れず、収入構造や支出と合わせて見る必要があります。また、法人統合などで全国順位の母集団は年度ごとに異なります。
出典・集計方法
- 長期推移は、各法人が公表した決算報告書の「運営費交付金」決算額
- この決算額には、前年度からの繰越使用や年度途中の追加交付・補正が含まれる場合があり、当年度の新規交付額だけを示すものではない
- 最新年度の収入・支出内訳は、同じ決算報告書の収入欄・支出欄にある検証済み決算額
- 全国順位・平均・中央値は同年度の公開可能な法人値で集計
- 全国比較の合計は各年度の公開可能値の合計で、法人統合や比較除外により母集が年度ごとに異なる場合がある
- CPIは総務省統計局「消費者物価指数 全国・総合・年度平均」(2020年基準)。実質額は表示年度の価格へ換算
- 法人統合があった年度や報告期間が12か月に満たない年度などは、通常の比較対象から除外
