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公務員の夏季休暇は、いわゆる「有給休暇」なのでしょうか。
結論からいうと、国家公務員の夏季休暇は給与が支給される有給の「特別休暇」です。年20日の年次休暇とは別枠なので、夏季休暇を3日取得しても年次休暇の残日数が3日減るわけではありません。内閣人事局も、国家公務員の夏季休暇について給与ありの特別休暇として整理しています。
ただし、「公務員なら全国一律で夏季休暇が3日」というわけでもありません。一般職の国家公務員は原則として3日の範囲内ですが、地方公務員は自治体ごとに制度が異なり、たとえば埼玉県職員は5日の夏季休暇が設けられています。
この記事のポイント
公務員の夏季休暇は「有給」なのか
まず、「有給」という言葉を整理しておきましょう。
公務員の夏季休暇は、民間企業で一般に「有給」と呼ばれる年次有給休暇そのものではありません。国家公務員の場合は、人事院規則に定められた「特別休暇」の一つです。
一方で、夏季休暇を取得したからといって、その日の給与が差し引かれるわけでもありません。内閣人事局の休暇制度一覧では、常勤の国家公務員について、年次休暇だけでなく夏季休暇も給与が支給される休暇として整理されています。
| 休暇 | 給与 | 年次休暇の残日数 |
|---|---|---|
| 夏季休暇 | 支給される | 減らない |
| 年次休暇 | 支給される | 取得した分だけ減る |
| 介護休暇 | 原則無給 | 年次休暇とは別制度 |
つまり、「夏季休暇は有給ですか?」という質問への答えは「給与は出るので有給。ただし、年次有給休暇とは別の特別休暇」というのが最も正確です。
国家公務員の夏季休暇は原則3日
一般職の国家公務員については、人事院規則15―14で夏季休暇が定められています。
2026年時点では、通常は7月から9月までの期間内に、週休日や休日などを除いて原則として連続する3日の範囲内で取得できます。
| 項目 | 一般職の国家公務員 |
|---|---|
| 休暇の種類 | 特別休暇 |
| 日数 | 3日の範囲内 |
| 通常の取得期間 | 7月~9月 |
| 取得方法 | 原則として連続 |
| 給与 | 支給あり |
| 年次休暇との関係 | 別枠 |
年次休暇は原則として1暦年20日です。4月1日採用の場合、採用初年度は15日となります。この年次休暇とは別に夏季休暇があるため、通常の職員であれば、年休20日とは別に夏季休暇を利用できるイメージです。
繁忙期なら6月から10月まで取得できる場合もある
国家公務員の夏季休暇は基本的に7月から9月ですが、現在は例外があります。
7月から9月が業務の繁忙期に当たり、その期間内に夏季休暇の全部または一部を取得することが困難と認められる職員については、6月から10月まで取得可能期間を広げることができます。これは2024年1月から実施されている取扱いです。
誰でも自由に10月まで延ばせるわけではない
6月から10月までの拡大は、業務上の事情によって通常期間での取得が困難と認められる職員が対象です。「9月に取り忘れたので10月に使う」といった扱いが一律に認められているわけではありません。
夏季休暇を取っても年休は減らない
夏季休暇で特に誤解されやすいのが、年次休暇との関係です。
たとえば、年次休暇が残り15日の職員が夏季休暇を3日取得したとします。
| 取得前 | 取得した休暇 | 取得後の年次休暇 |
|---|---|---|
| 年休15日 | 夏季休暇3日 | 年休15日のまま |
| 年休15日 | 年次休暇3日 | 年休12日 |
同じ「仕事を3日休む」場合でも、使っている休暇制度が違います。夏季休暇は特別休暇なので、年休を温存したまま休むことができます。
夏季休暇と年休を組み合わせれば長期休暇も可能
夏季休暇だけなら国家公務員は原則3日ですが、年次休暇や土日と組み合わせれば、まとまった休みにすることもできます。
たとえば土日休みの職員が、月曜日・火曜日に年次休暇を取り、水曜日から金曜日まで夏季休暇を取得するモデルケースを考えてみます。
| 曜日 | 扱い |
|---|---|
| 土・日 | 週休日 |
| 月・火 | 年次休暇2日 |
| 水・木・金 | 夏季休暇3日 |
| 土・日 | 週休日 |
このケースなら、年次休暇を使うのは2日だけで9連休になります。夏季休暇3日は別枠なので、5日分の年休を使って9連休にする場合より、年次休暇を3日温存できます。
実際の取得時期については、職場内で業務との調整が必要です。人事院も、年次休暇と夏季休暇について計画表を活用し、職員の希望する取得時期に配慮しながら計画的な使用を進めるよう示しています。
地方公務員は「3日」とは限らない
地方公務員の場合、休暇制度は各自治体の条例や規則などによって定められるため、国家公務員と同じ3日とは限りません。
たとえば埼玉県では、職員の夏季休暇は5日です。埼玉県の職員採用情報でも、「年次休暇(年20日)」とは別に「夏季休暇5日」が設けられていることが案内されています。
横浜市水道局でも、夏季休暇として6月1日から9月30日までの期間内に5日の範囲内で取得できる制度が設けられています。
| 勤務先の例 | 夏季休暇 | 主な取得期間 |
|---|---|---|
| 一般職の国家公務員 | 3日の範囲内 | 7月~9月 |
| 埼玉県職員 | 5日 | 自治体の規則等による |
| 横浜市水道局職員 | 5日の範囲内 | 6月~9月 |
このように、「公務員の夏休みは何日?」という質問には一律の答えがありません。国家公務員か地方公務員か、さらにどの自治体・任命権者に所属しているかを分けて確認する必要があります。
「お盆休み」が自動的にあるわけではない
公務員の夏季休暇を考えるとき、もう一つ押さえておきたいのが「お盆休み」との違いです。
8月13日から16日ごろがお盆だからといって、その期間が国民の祝日になるわけではありません。役所も原則として通常どおり開庁します。
そのため、職員は夏季休暇や年次休暇を交代で取得する形になります。民間企業のように「会社全体が1週間休業する夏休み」とは仕組みが異なります。
窓口や交替制勤務では取り方が異なることもある
行政窓口、病院、警察、消防、税関など、夏季も継続して業務を行う職場では、全員が同じ日に休むことはできません。取得できる日や具体的な運用は、所属先の規程や勤務表を確認する必要があります。
結局どう見ればいい?「年休+夏季休暇」で考える
公務員の休暇を比較するときは、「夏季休暇が何日あるか」だけを見るより、年次休暇と特別休暇を分けて見ると分かりやすくなります。
一般職の国家公務員なら、原則として年次休暇20日とは別に夏季休暇があります。夏季休暇を取得しても、その分だけ年次休暇を消費するわけではありません。
一方、地方公務員では夏季休暇が5日ある自治体もあります。就職先の勤務条件を比較する場合は、「年休20日」といった数字だけではなく、夏季休暇・結婚休暇・子育て関係休暇などを含めた特別休暇の内容まで確認すると、実際の休みやすさを把握しやすくなります。
FAQ
公務員の夏季休暇は有給ですか?
夏季休暇を翌年に繰り越すことはできますか?
9月までに取れなかった夏季休暇を10月に使えますか?
地方公務員の夏季休暇も国家公務員と同じですか?
出典・作成方針
- 内閣官房 内閣人事局「国家公務員の休暇等」
- 人事院「国家公務員関係法令等一覧」
- 人事院「計画表の活用による年次休暇及び夏季休暇の使用の促進について」
- 人事院「令和5年度 年次報告書」
- 人事院「国家公務員の紹介」
- 埼玉県「福利厚生等」
- 横浜市「横浜市水道局企業職員休暇規程」
2026年9月時点で確認できる制度をもとに作成しています。国家公務員については一般職の常勤職員を中心に説明しています。地方公務員、非常勤職員、会計年度任用職員などは勤務先によって付与日数・取得期間・要件が異なる場合があります。



