国家総合職

国家総合職・教養区分2026秋のボーダー予想|30~32点を検証

2026年度の国家総合職「教養区分」秋試験は、基礎能力試験Ⅰ部・Ⅱ部の合計30~32点付近を、第1次試験ボーダーの条件付きの目安として検討しています。ただし、これは人事院が公表した合格点ではありません。春の公式成績とKomuInfoの自己採点集計を使った試算であり、平均点や選抜水準の変化によって、この範囲から外れる可能性もあります。

今回の投稿平均は、Ⅰ部19.42点、Ⅱ部10.61点です。春の投稿平均と比べると、Ⅰ部が2.00点、Ⅱ部が0.31点上昇しています。投稿データ上では、特にⅠ部で得点しやすくなった様子が見られます。

一方、春はKomuInfoの投稿平均と公式平均に大きな差がありました。秋も投稿平均を全受験者の平均とみなすことはできません。申込者数、採用の状況、問題別の回答分布も合わせて、どこまで判断できるかを確認します。

この記事のポイント

暫定的な見方
30~32点は条件付きの目安。同じ合計点でも、Ⅰ部・Ⅱ部の内訳で標準点が変わります。
得点上昇の中心
Ⅰ部は自己採点と問題別投票の両方で得点上昇の方向。ただし、全受験者の難易度評価とは区別が必要です。
合格発表までの準備
公式正答で採点し直し、各部の基準点を確認。境界付近の方も二次対策を進める目安にしてください。

30~32点は、春の成績を基準にした条件付きの試算

2026年春の第1次試験合格点は、標準点で104点でした。公式平均点と標準偏差を使うと、例えばⅠ部18点・Ⅱ部10点の合計28点で、標準点の合計は104点になります。これは春の成績分布における換算例です。

秋の投稿平均は春より高いため、同じ程度の相対的な成績を取るには、春より多くの正解が必要になる可能性があります。そこで、春の公式平均に投稿平均の上昇分を加え、秋の平均点を仮置きして計算しました。

この計算では、Ⅰ部の平均を15.806点、Ⅱ部の平均を7.638点と仮定します。標準偏差と合格点は春と同じと置いています。実際の秋の平均点、標準偏差、合格点がこの値になると予測しているわけではありません。

標準点は、人事院の計算式「10×配点比率×{15×(素点-平均点)÷標準偏差+50}」で算出しています。Ⅰ部の配点比率は2.5/24、Ⅱ部は1.5/24です。

次の表は、この仮定の下での得点例です。各部の標準点は、それぞれ小数点以下を切り捨てて合計しています。

Ⅰ部の素点Ⅱ部の素点素点合計仮定に基づく標準点合計春の104点との比較
19点10点29点100点下回る
20点10点30点103点1点下回る
21点9点30点104点同じ
21点10点31点107点上回る
22点10点32点110点上回る

このモデルでは、表のような内訳なら30点前後が境界になります。ただし、Ⅱ部の平均が投稿集計以上に上昇した場合や、秋の選抜水準が春より高くなった場合は、31~32点付近に移ることも考えられます。現段階では、30~32点を中心に検討しつつ、29点以下の通過や33点以上の境界も排除できません。

「30点なら合格」「29点なら不合格」と、一律に線を引ける段階ではありません。合計点に加え、Ⅰ部・Ⅱ部の内訳を確認してください。

秋の申込者数は5,795人で、前年秋から2.0%減少

2026年秋の申込者数は5,795人です。前年秋の5,914人から119人、約2.0%減っています。一方、2026年春の3,133人と合算すると、年間の申込件数は8,928件になります。春と秋の両方に申し込んだ人も含まれるため、年間の実人数とは区別が必要です。

過去の推移は次のとおりです。「最終合格者数」は、官庁訪問を経て採用された人数とは異なります。

実施回申込者数第1次試験受験者数最終合格者数受験者数÷最終合格者数
2023年秋4,014人2,531人423人6.0倍
2024年秋4,734人3,092人467人6.6倍
2025年秋5,914人3,898人426人9.2倍
2026年春3,133人2,175人213人10.2倍
2026年秋5,795人未公表未確定未確定

2023・2024年は人事院の2024年実施結果、2025年は2025年実施結果、2026年春は2026年実施状況に基づきます。

2025年秋は申込者数が増えた一方、最終合格者数は前年より減少しました。したがって、申込者数の増減だけで競争の厳しさを判断することはできません。今回の2.0%減少も、ボーダーが大きく下がると判断するほどの材料ではありません。

第1次試験の予測には、一次通過者数を見る必要がある

2026年春は、受験者2,175人に対して第1次試験合格者が408人でした。一次通過率は約18.8%で、受験者全体の約5人に1人が通過した計算です。

仮に秋の受験率が2025年秋と同程度なら、受験者数は約3,820人になります。さらに春と同じ一次通過率を仮定すると、一次合格者は約717人です。ただし、どちらも人数の予測を検討するためのモデルケースであり、人事院が示した予定人数ではありません。

受験者数や得点分布が同じなら、一次合格者がこのモデルより多ければ選抜は緩くなる方向に、少なければ厳しくなる方向に働きます。ただし、素点のボーダーには問題の難易度も影響するため、通過率と得点分布を合わせて読む必要があります。

採用需要は広がっているが、採用予定数から一次ボーダーは決まらない

教養区分からの採用は拡大してきました。人事院の説明では、採用者数は2022年度106人、2023年度134人、2024年度171人と増加しています。また、2026年4月1日における採用状況では、過年度の合格者を含む教養区分の採用者は251人です。

ただし、採用実績の増加と、今回の秋試験で何人を一次通過させるかは別の問題です。教養区分では、大学の低学年で合格し、数年後に官庁訪問を行う人もいるため、試験年度と採用年度が一致しない場合があります。

採用予定数も、対象となる名簿と採用時期を確認する必要があります。

公表資料公表されている内容ボーダー分析での扱い
2026年度春試験の採用予定数2026年春の教養区分合格者名簿から、2027年4月に約50人を採用予定春試験の一次・最終合格予定人数を表す数字ではない
過年度名簿を含む2027年4月採用予定教養区分で約240人2026年秋だけに割り当てられた人数ではない
2026年度秋試験の府省別一覧2027年4月採用は「4名以下」「予定なし」などの符号で表示。2028年4月採用の予定も別欄に掲載符号を合計して、秋の試験合格者数を推定することはできない

約50人・約240人は2026年2月時点の予定であり、秋の府省別一覧は同年7月31日時点の資料です。公表時点と対象が異なります。

採用需要の拡大は、教養区分の受験機会や合格者確保を考えるうえでの背景になります。しかし、「採用が増えているので今年の一次ボーダーは下がる」とまでは言えません。

春の公式平均はⅠ部13.806点・Ⅱ部7.328点

難易度を比較する基準として、まず確認したいのは春の公式成績です。Ⅰ部の平均正答率は約46.0%、Ⅱ部は約36.6%でした。特にⅡ部は、全受験者ベースでは得点を伸ばしにくかったことが分かります。

2026年春の種目満点公式平均点公式標準偏差基準点
基礎能力試験Ⅰ部30点13.806点4.7959点
基礎能力試験Ⅱ部20点7.328点3.0236点

春の第1次試験合格点は標準点104点、最終合格点は532点でした。基準点は各部の最低条件であり、9点・6点を取れば一次合格するという意味ではありません。

2025年秋の素点は、問題数の変更を挟むため直接比較できない

2025年秋はⅠ部24点満点・Ⅱ部30点満点で、公式平均はそれぞれ11.146点・12.802点でした。2026年の30点満点・20点満点とは構成が異なります。2025年秋の第1次試験合格点109点も、当時の配点と成績分布に基づく標準点です。

したがって、2025年秋の合計素点と今回の合計素点を並べて、「何点上がった」「何点下がった」と判断するのは適切ではありません。今回の数値試算は、同じ問題数・配点で実施された2026年春を基準にしています。

自己採点集計では、Ⅰ部の平均が春から2点上昇

以下は、2026年10月5日時点の分析に使用したKomuInfoの集計です。回答数は科目ごとに異なり、春と秋で同じ人を追跡した結果ではありません。集計ページは随時更新されるため、現在の表示とは異なる場合があります。

項目春・Ⅰ部秋・Ⅰ部春・Ⅱ部秋・Ⅱ部
回答数578件43件162件41件
平均点17.42点19.42点10.30点10.61点
中央値18点20点10点10点
最頻値20点20点・21点12点10点
標準偏差4.282.982.562.37
上位25%の得点目安20点21点12点12点
上位10%の得点目安22点23点14点14点

Ⅰ部は平均・中央値ともに2点上昇しています。Ⅱ部は平均が0.31点上昇した一方、中央値と上位層の目安は変わっていません。自己採点集計からは、Ⅰ部の得点上昇が今回の主な特徴と読めます。

秋の合算集計は38件で、平均29.76点、中央値31点、最頻値31点、標準偏差3.47です。上位25%の目安は32点、上位10%は34点で、最多得点帯は30~34点でした。

Ⅰ部19.42点とⅡ部10.61点を足すと30.03点になりますが、合算集計の平均29.76点とは一致しません。これは集計対象が異なるためです。春についても、科目別平均の合計27.72点を「同一回答者の合算平均」として扱うことはできません。

春の投稿平均と公式平均の差は、科目別に足すと約6.6点

春の投稿平均と公式平均の差は、Ⅰ部が3.614点、Ⅱ部が2.972点でした。科目別の差を足すと約6.59点です。各科目の投稿平均は、全受験者平均よりかなり高い水準にありました。

秋も同じ差が生じると仮定すれば、平均はⅠ部15.806点・Ⅱ部7.638点となります。冒頭の試算はこの値を使っています。ただし、春の集計は回答数が多く、秋は試験翌日の少数回答です。投稿者の構成や集計時期が異なるため、差をそのまま引く方法にも限界があります。

また、秋のⅠ部の標準偏差2.98が春より小さいことは、現在の投稿が狭い得点範囲に集まっていることを示します。全受験者の得点のばらつきまで小さくなったとは、まだ判断できません。

問題別集計では、秋のⅠ部は高正答率の問題が増えている

ライブ投票と公式正答を照合すると、秋のⅠ部は正答率70%以上の問題が8問あります。特にNo.1~8では、No.5を除く7問が70%以上でした。秋の集計に用いた正答番号は、人事院の公表番号と一致しています。

次の表は、各問の正答率を足し合わせた参考値です。問題ごとに投票者と投票数が異なるため、同じ人たちの平均得点を示すものではありません。

集計正答率の単純平均正答率を足した参考得点正答率70%以上正答率30%未満
春・Ⅰ部52.28%15.684点/30点3問2問
秋・Ⅰ部58.61%17.584点/30点8問1問
秋・Ⅱ部49.91%9.981点/20点1問0問

春・秋のⅠ部の参考得点差は1.900点で、自己採点平均の上昇2.00点と近い値です。二つの集計は投稿者が重なる可能性があり、独立した調査ではありませんが、Ⅰ部の得点上昇を示す方向はそろっています。

Ⅰ部のNo.1~8だけを見ると、参考得点は春4.927点、秋6.409点です。全30問の上昇1.900点のうち、約1.482点がこの8問に集中しています。投稿データ上では、全問が一様に易しくなったというより、序盤に正解を積み上げやすい問題が多かった様子が見られます。

春のⅡ部の問題別正答率は、今回の比較から除外しています。比較用データでは春の表にも秋と同じ正答番号が設定されていたため、春の公式正答で照合し直す必要があります。春の自己採点平均10.30点は別の集計として掲載していますが、問題別表の設定だけから、その採点方法の正否まで判断することはできません。Ⅱ部の平均差を使った試算は、春・秋とも各回の公式正答で自己採点されていることを前提としています。

秋にも、最多解答が正答と異なる問題は残っている

秋のⅠ部ではNo.9とNo.25、Ⅱ部ではNo.20で、最多解答と公式正答が異なります。正答率はそれぞれ31.5%、21.2%、31.9%でした。

例えばⅠ部No.25は、選択肢「5」が36.3%で最多でしたが、正答「1」は21.2%です。多数派の選択肢を選んだことと、得点できたことは一致しません。最多解答を並べた速報を使った方は、公式正答で採点し直してください。

春の問題講評を振り返る際も、「難しかった」という全体の感想だけでなく、得点源となる問題が何問あったか、難問で失点が集中したかを分けて見る必要があります。今回は予備校の講評動画の具体的な発言内容までは確認できていないため、特定の予備校による「易化・難化」の評価は採用していません。

平均点と選抜水準が変わると、境界は数問動く

ボーダー試算の不確実さを確認するため、平均点の仮定を変えて計算します。次の表はⅠ部・Ⅱ部の標準偏差を春と同じに固定し、Ⅱ部10点の場合を比べたものです。

平均点の仮定Ⅰ部20点・Ⅱ部10点Ⅰ部21点・Ⅱ部10点Ⅰ部22点・Ⅱ部10点
Ⅰ部15.306点・Ⅱ部7.328点標準点106点109点112点
Ⅰ部15.806点・Ⅱ部7.638点標準点103点107点110点
Ⅰ部16.306点・Ⅱ部8.328点標準点100点103点106点

合格点を春と同じ104点と仮定すると、上の例では合計30点で届く場合も、32点が必要になる場合もあります。同じ素点でも、全受験者の平均が高ければ標準点は低くなります。

さらに、中央の平均点モデルで合格点を109点と仮置きすると、Ⅰ部21点・Ⅱ部10点の合計31点では届かず、22点・10点の32点で上回ります。109点は2025年秋の公表値ですが、制度変更を挟むため、ここでは選抜水準が高くなった場合の計算例としてのみ使っています。

30~32点という幅は、統計的な信頼区間ではありません。平均点と選抜水準の仮定を変えたときに生じる、複数のモデルの目安です。秋の公式標準偏差が春と異なれば、各部1問の重みも変わります。

合計点だけでなく、各部の基準点と内訳を確認する

2026年度は、各部の素点を平均点・標準偏差で換算した標準点の合計で、第1次試験の合格者を決定します。配点比率はⅠ部2.5/24、Ⅱ部1.5/24です。各部の基準点は原則として満点の30%で、Ⅰ部9点・Ⅱ部6点に相当します。総合論文と外部英語試験の加算点は、一次判定には入りません。

例えばⅠ部26点・Ⅱ部5点なら、合計は31点でも、Ⅱ部が原則の基準点に届きません。一方、Ⅰ部21点・Ⅱ部10点なら、両部の基準点を満たしたうえで、合計31点の相対的な位置を検討できます。

今回の試算に照らした行動の目安は、次のように考えています。両部の基準点を満たすことが前提で、点数帯は合否判定ではなく、二次対策を進める際の参考です。

素点合計現時点での見方確認・準備すること
29点以下表の試算例に近い内訳なら中心モデルでは届きにくいが、通過を否定できる段階ではない公式正答で再確認し、各部の基準点を確認。通過時に備え、二次の形式を把握する
30~32点仮定や各部の内訳によって判断が変わる境界付近Ⅰ部・Ⅱ部の内訳を確認し、合格発表前から二次対策を進める
33点以上今回の中心モデルより上に位置する目安一次通過を保証するものではないが、二次対策を進める根拠になる

一次を通過しても、最終合格は総合論文、企画提案、討議、人物試験などを含めて決まります。自己採点の点数だけで、最終合格の可能性まで判断することはできません。

予測を更新する際は、得点分布と一次通過者数を重視する

今後の更新では、投稿平均だけでなく、Ⅰ部・Ⅱ部を同じ回答者で組み合わせた得点分布を確認する必要があります。合算38件の要約統計だけでは、30点付近に何人いるか、各部の内訳がどう分かれているかを十分に把握できません。

また、春の集計と比べる場合は、試験翌日同士など集計時期をそろえ、公式正答による採点、実施回、重複投稿や入力修正の扱いも確認します。回答が増えても、参加者の偏りが自動的に解消されるわけではありません。

2026年秋の第1次試験合格発表は、10月21日(水)午前9時です。第2次試験は11月24日・25日、または26日・27日の指定された連続2日間に行われます。30~32点付近の方も、合否の予測だけに時間を使わず、企画提案・討議・面接の準備を始めておくとよいでしょう。

FAQ

2026年秋は30点あれば一次合格できますか?

現時点では断定できません。春の成績を基準にした中心モデルでは、Ⅰ部21点・Ⅱ部9点は標準点104点、Ⅰ部20点・Ⅱ部10点は103点となります。実際の秋の平均点・標準偏差・合格点が未公表のため、同じ30点でも内訳を含めて確認する必要があります。

KomuInfoの平均29.76点を超えていれば合格圏ですか?

投稿平均を超えたことだけでは判断できません。春は投稿平均が公式平均を大きく上回っていました。今回の合算平均も38件の投稿に基づくため、全受験者の平均や一次合格ラインを表しているわけではありません。

申込者数が前年より減ったので、ボーダーも下がりますか?

必ずしも下がりません。秋の申込者数は前年より約2.0%減りましたが、実受験者数、一次合格者数、問題の難易度によってボーダーは変わります。今回はⅠ部の投稿平均が上昇しており、人数の減少だけでは判断できません。

総合論文がよく書けた場合、一次の点数を補えますか?

一次の合格判定に使うのは、基礎能力試験Ⅰ部・Ⅱ部の標準点です。総合論文は一次合格者について評定され、最終合格の判定に加わります。

出典・作成方針

2026年10月5日時点で確認した資料を基に作成しています。申込者数、公式平均点、過去の合格点は公表値です。秋のボーダー、受験者数・一次合格者数のモデルケース、仮の標準点はKomuInfoの条件付き試算であり、公式の予測や合否判定ではありません。標準点は人事院の計算式に従い、各部で小数点以下を切り捨ててから合計しています。春のⅡ部の問題別表は正答番号の設定を再確認する必要があるため比較から除外し、予備校講評の具体的な難易度評価は未確認のため反映していません。

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