筑波大学の運営費交付金は、2004年度の422.1億円から2025年度の412.3億円へ、9.9億円、2.3%減少しました。
ただし、変化は一直線ではありません。2022年度に362.8億円まで低下した一方、前年度を上回った年もあります。どの時期に、どの程度動いたのかを長期推移から確認します。
2026年度当初予算では353.9億円を見込みます。予算と決算は単純比較できません。
2025年度の全国順位は全法人の決算収集完了後に更新します。参考として、2024年度は85法人中7位です。
筑波大学の交付金は21年間で2.3%減少
2004年度の422.1億円から、2025年度は412.3億円となりました。この間には前年度を上回った年度が9回、下回った年度が12回あり、一直線の変化ではありません。
単位:億円 実線:筑波大学 破線:全国平均
期間中の最高額は2011年度の482.5億円、最低額は2022年度の362.8億円でした。直近5年では、2021年度から38.3億円(10.2%)増加しています。
前年からの決算額の増加が最も大きかったのは2011年度(+46.6億円)、減少が最も大きかったのは2009年度(-28.7億円)です。長期の増減率だけでなく、年度ごとの振れも合わせて見る必要があります。
出典:各年度の決算報告書「運営費交付金」の決算額。全国平均は公開可能な法人値の単純平均です。 2025年度の公式決算報告書
交付金の減少は法人化後ずっと続いたわけではない
第1期は+7.2%、第2期は-3.2%、第3期は-9.2%、第4期は途中経過で+13.6%です。増減の時期は異なり、法人化後の全期間が同じ方向に動いたわけではありません。
| 期間 | 期首 | 期末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 第1期(2004〜2009年度) | 422.1億円 | 452.4億円 | +30.3億円(+7.2%) |
| 第2期(2010〜2015年度) | 435.9億円 | 421.8億円 | -14.1億円(-3.2%) |
| 第3期(2016〜2021年度) | 411.9億円 | 374.0億円 | -37.9億円(-9.2%) |
| 第4期(2022〜2027年度)途中 | 362.8億円 | 412.3億円 | +49.5億円(+13.6%) |
第1期(2004〜2009年度)、第2期(2010〜2015年度)、第3期(2016〜2021年度)、第4期(2022〜2027年度)。第4期は2025年度までの途中経過です。文部科学省の制度資料を参照。
筑波大学の2025年度の財務構造
運営費交付金は収入の30.0%
収入計1,373.3億円のうち、運営費交付金は412.3億円です。自己収入とその内訳を重ねて合計せず、収入全体の構成と自己収入の内訳を分けて示します。
- 運営費交付金 412.3億円
- 自己収入 559.0億円
- 産学連携等研究収入・寄附金等 195.5億円
- その他 206.5億円
附属病院収入が運営費交付金を上回る
附属病院収入は443.8億円で、自己収入の79.4%を占めます。運営費交付金412.3億円より31.5億円多い金額です。
支出の38.4%を教育研究経費が占める
支出計1,265.7億円のうち、教育研究経費は486.3億円です。
2025年度の収入予算は1,275.5億円、収入決算は1,373.3億円でした。差は決算報告書上の予算と実績の差です。
決算報告書上、収入計と支出計の差は107.6億円です。この差額は企業会計上の利益を示すものではありません。
2026年度当初予算では運営費交付金353.9億円を見込む
運営費交付金の年度計画予算見積額は353.9億円です。附属病院収入416.7億円が運営費交付金を上回ります。
予算は見込額です。決算実績とは集計段階が異なるため、前年比として扱いません。
予算の全項目・出典を見る
| 科目 | 見積額 |
|---|---|
| 大学改革支援・学位授与機構施設費交付金 | 0.6億円(58,000千円) |
| 合計 | 1,082.1億円(108,206,235千円) |
| 施設整備費補助金 | 20.0億円(1,997,663千円) |
| 産学連携等研究収入及寄附金収入等 | 167.8億円(16,775,278千円) |
| 授業料及入学検定料 | 104.0億円(10,396,294千円) |
| 雑収入 | 19.2億円(1,920,881千円) |
| 運営費交付金 | 353.9億円(35,386,601千円) |
| 附属病院収入 | 416.7億円(41,671,518千円) |
| 科目 | 見積額 |
|---|---|
| 産学連携等研究経費及寄附金事業費等 | 167.8億円(16,775,278千円) |
| 診療経費 | 414.8億円(41,476,725千円) |
| 借入償還金 | 1.9億円(194,793千円) |
| 施設整備費 | 20.6億円(2,055,663千円) |
| 教育研究経費 | 477.0億円(47,703,776千円) |
| 合計 | 1,082.1億円(108,206,235千円) |
筑波大学の年度別運営費交付金決算額
| 年度 | 決算額 | 前年差 | 前年比 | 全国順位 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 412.3億円 | +36.0億円 | +9.6% | — |
| 2024年度 | 376.2億円 | -8.9億円 | -2.3% | 7位/85 |
| 2023年度 | 385.2億円 | +22.4億円 | +6.2% | 7位/86 |
| 2022年度 | 362.8億円 | -11.2億円 | -3.0% | 8位/86 |
| 2021年度 | 374.0億円 | -11.9億円 | -3.1% | 8位/89 |
| 2020年度 | 385.9億円 | -27.6億円 | -6.7% | 7位/89 |
| 2019年度 | 413.5億円 | +2.9億円 | +0.7% | 6位/90 |
| 2018年度 | 410.5億円 | -5.6億円 | -1.4% | 6位/90 |
| 2017年度 | 416.2億円 | +4.3億円 | +1.0% | 6位/90 |
| 2016年度 | 411.9億円 | -10.0億円 | -2.4% | 6位/90 |
| 2015年度 | 421.8億円 | -17.1億円 | -3.9% | 6位/90 |
| 2014年度 | 439.0億円 | 0.0億円 | 0.0% | 6位/90 |
| 2013年度 | 439.0億円 | -25.7億円 | -5.5% | 5位/90 |
| 2012年度 | 464.6億円 | -17.8億円 | -3.7% | 6位/90 |
| 2011年度 | 482.5億円 | +46.6億円 | +10.7% | 6位/90 |
| 2010年度 | 435.9億円 | -16.5億円 | -3.6% | 5位/90 |
| 2009年度 | 452.4億円 | -28.7億円 | -6.0% | 6位/90 |
| 2008年度 | 481.1億円 | +26.2億円 | +5.7% | 5位/90 |
| 2007年度 | 454.9億円 | +8.8億円 | +2.0% | 6位/90 |
| 2006年度 | 446.1億円 | +18.5億円 | +4.3% | 6位/90 |
| 2005年度 | 427.6億円 | +5.5億円 | +1.3% | 7位/88 |
| 2004年度 | 422.1億円 | — | — | 7位/88 |
この数字を読むときの注意
本記事の長期比較に使うのは、各年度の決算報告書に記載された「運営費交付金」の決算額です。損益計算書の「運営費交付金収益」や、その年度に国が新たに交付した額とは一致しません。
決算額には前年度からの繰越使用や、年度途中の追加交付・補正が含まれる場合があります。運営費交付金だけで法人全体の財務力は測れず、収入構造や支出と合わせて見る必要があります。また、法人統合などで全国順位の母集団は年度ごとに異なります。
出典・集計方法
- 長期推移は、各法人が公表した決算報告書の「運営費交付金」決算額
- この決算額には、前年度からの繰越使用や年度途中の追加交付・補正が含まれる場合があり、当年度の新規交付額だけを示すものではない
- 最新年度の収入・支出内訳は、同じ決算報告書の収入欄・支出欄にある検証済み決算額
- 全国順位・平均・中央値は同年度の公開可能な法人値で集計
- 全国比較の合計は各年度の公開可能値の合計で、法人統合や比較除外により母集が年度ごとに異なる場合がある
- CPIは総務省統計局「消費者物価指数 全国・総合・年度平均」(2020年基準)。実質額は表示年度の価格へ換算
- 法人統合があった年度や報告期間が12か月に満たない年度などは、通常の比較対象から除外
