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国家公務員採用総合職試験の「教養区分」は、法律や経済などの専門試験を課さず、基礎能力、論文、政策提案、討議、面接によって総合的な能力を評価する試験区分です。
2026年度からは、従来の秋試験に加えて春試験も実施され、年2回受験できる試験になりました。19歳の春(主に大学1年生の3月)から受験でき、最終合格後の採用候補者名簿は7年間有効です。
ただし、試験に最終合格しただけで国家公務員として採用されるわけではありません。志望する府省の官庁訪問を受け、内々定を得る必要があります。
この記事では、国家総合職「教養区分」の受験資格、試験日程、試験科目、配点、第1次試験、第2次試験、合格後の流れをまとめます。詳しい内容は、それぞれの解説記事から確認できます。
この記事のポイント
国家総合職「教養区分」とは
国家総合職は、中央省庁などで政策の企画・立案や調査、制度設計に携わる職員を採用するための試験です。
大卒程度試験には法律区分、経済区分、政治・国際・人文区分などがありますが、教養区分では特定分野の専門試験が課されません。
その代わり、文章理解や数的処理などの基礎能力に加え、幅広い知識を使って政策課題を考える力、提案内容を説明する力、ほかの受験者と議論する力が評価されます。
| 項目 | 教養区分の概要 |
|---|---|
| 試験の種類 | 国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験) |
| 実施時期 | 春・秋の年2回 |
| 専門試験 | なし |
| 第1次試験 | 基礎能力試験・総合論文試験 |
| 第2次試験 | 企画提案試験・政策課題討議試験・人物試験 |
| 英語試験 | 対象資格のスコアに応じて加点 |
| 合格後 | 官庁訪問を経て各府省が採用者を決定 |
19歳の春から受験できる
教養区分は、試験年度の4月1日に19歳を迎えている方などが受験対象になります。2026年度から春試験が加わったため、一般的な進学時期なら大学1年生の3月(19歳の春)から受験できます。
早い時期に最終合格した場合でも、直ちに大学を辞めて就職する必要はありません。2026年度以降の教養区分では、採用候補者名簿の有効期間が最終合格発表日から7年間あります。
大学卒業後や大学院修了後など、採用希望時期に対応する官庁訪問に参加できます。ただし、名簿の有効期間内に「内定」ではなく、実際に採用される必要があります。
2026年度から春・秋の年2回実施
国家総合職「教養区分」は、2026年度から春試験と秋試験の年2回実施になりました。
春に実施される総合職試験では、第1次試験日が同じため、教養区分と法律区分などを同じ春試験で重複して申し込むことはできません。一方、春試験のいずれかの区分と、秋に行われる教養区分は受験できます。
| 日程 | 2026年度・春 | 2026年度・秋 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 3月15日(日) | 10月4日(日) |
| 第1次試験合格発表 | 3月30日(月) | 10月21日(水) |
| 第2次試験 | 4月27日(月)・28日(火) または4月30日(木)・5月1日(金) |
11月24日(火)・25日(水) または11月26日(木)・27日(金) |
| 最終合格発表 | 5月29日(金) | 12月17日(木) |
秋試験の多肢選択式の正答番号は10月5日(月)に公表予定です。第2次試験は、第1次試験合格通知書で指定された連続する2日間に受験します。
教養区分の試験科目と配点
教養区分では、第1次試験で基礎能力試験と総合論文試験、第2次試験で企画提案試験、政策課題討議試験、人物試験を受けます。
| 段階 | 試験種目 | 配点比率 |
|---|---|---|
| 第1次試験 | 基礎能力試験 | 4/24 |
| 総合論文試験 | 6/24 | |
| 第2次試験 | 企画提案試験 | 6/24 |
| 政策課題討議試験 | 4/24 | |
| 人物試験 | 4/24 |
第1次試験の合否は、基礎能力試験の成績によって決まります。総合論文試験は第1次試験と同じ日に実施されますが、第1次試験合格者について採点され、最終合格者の決定に使用されます。
この仕組みを理解せず、総合論文の配点まで含めて第1次試験のボーダーを考えないよう注意してください。
第1次試験の内容
基礎能力試験
2026年度の基礎能力試験は、Ⅰ部とⅡ部に分かれています。
- Ⅰ部:文章理解、判断・数的推理、資料解釈、時事・情報
- Ⅱ部:自然、人文、社会に関する知識
Ⅰ部は30題、Ⅱ部は20題で、合計50題です。問題数だけでなく、解答時間と出題分野が異なるため、事前に解く順番を決めておく必要があります。
総合論文試験
総合論文試験では、幅広い教養や知識をもとに、社会や政策に関する課題を分析し、自分の考えを論理的に記述する力が評価されます。
2026年度からは出題数が2題から1題に変更されました。出題数は減りましたが、配点比率は6/24あり、最終合格を左右する重要な試験です。
第1次試験当日の流れ
2026年度秋試験は、受付開始から試験終了まで長時間にわたります。基礎能力試験Ⅰ部、Ⅱ部、総合論文試験の順に行われるため、昼食や飲み物も用意しておきましょう。
受験票はA4の普通紙に印刷し、指定された方法で写真を入れて持参します。時計、筆記用具、昼食なども前日までに準備してください。
試験当日は解答ライブ投票を実施
KomuInfoでは、2026年度秋の国家総合職「教養区分」について、受験者が選んだ解答を投票できるライブ集計ページを用意しています。
試験終了後に各問題の最多解答を確認できます。ただし、投票結果は受験者の回答を集計したものであり、人事院が公表する正式な正答ではありません。
正式な正答番号が公表されるまでは、参考情報として利用してください。
第2次試験の内容
第1次試験に合格すると、企画提案試験、政策課題討議試験、人物試験を受けます。
企画提案試験
与えられた課題と資料を読み、解決策を政策概要説明紙にまとめます。その後、試験官に対して提案内容を説明し、質疑応答を受けます。
資料を正確に読み取る力だけでなく、課題、原因、対策、実施方法を一貫した形で説明する力が必要です。
政策課題討議試験
受験者同士で政策課題について討議します。自分の意見を述べることに加え、ほかの受験者の意見を聞き、議論を整理する姿勢も評価されます。
人物試験
人物試験は個別面接です。面接カードの内容をもとに、志望動機、学生時代の経験、国家公務員として取り組みたい仕事などを聞かれます。
政策課題討議試験と人物試験では、E評価を受けると、ほかの試験種目の成績にかかわらず不合格になります。
第1次試験の合格発表後にすること
2026年度秋試験の第1次試験合格者は、合格発表を確認した後、パーソナルレコードで採用志望情報を登録します。
登録後、第1次試験合格通知書、面接カード、英語試験申請書などをダウンロードします。合格通知書には、第2次試験の日時と試験場が記載されます。
合格者番号の掲載期間や書類のダウンロード期間が決まっているため、後回しにしないよう注意してください。
英語試験のスコアによる加点
教養区分では、対象となる外部英語試験のスコアや級を持っている受験者に対し、最終合格者を決定する際に加点があります。
- TOEFL iBT
- TOEIC Listening & Reading Test
- IELTS
- 実用英語技能検定
基準を満たす場合は、スコアなどに応じて15点または25点が加算されます。対象となる試験の種類、有効期限、証明書類の提出方法は、受験年度の案内を確認してください。
最終合格しても採用決定ではない
国家総合職試験では、最終合格すると採用候補者名簿に記載されます。しかし、最終合格だけで採用されるわけではありません。
実際に採用されるためには、採用希望時期に対応する官庁訪問へ参加し、志望府省による面接などを受けて内々定を得る必要があります。
たとえば、2028年4月の採用を希望する場合は、2027年度に行われる官庁訪問が対象です。
- 国家総合職「教養区分」を受験する
- 第1次試験に合格する
- 第2次試験を受験する
- 最終合格して採用候補者名簿に記載される
- 採用希望時期に対応する官庁訪問へ参加する
- 府省から内々定を得る
- 国家公務員として採用される
大学1・2年生など、実際の採用希望時期まで期間がある場合は、採用希望時期を適切に登録したうえで、その時期に対応する官庁訪問に参加します。
教養区分の難易度
教養区分には専門試験がないため、法律や経済を専攻していない受験者にも挑戦しやすい試験です。ただし、専門試験がないことと、試験自体が簡単であることは同じではありません。
基礎能力試験では文章理解、数的処理、時事、自然科学、人文科学、社会科学など、広い範囲から出題されます。さらに、総合論文、政策提案、討議、面接まで準備する必要があります。
特に第2次試験では、知識量だけでなく、次の能力が問われます。
- 資料から重要な課題を見つける力
- 実行可能な対策を考える力
- 提案を短時間で整理する力
- 相手に分かりやすく説明する力
- 異なる意見を踏まえて議論する力
択一試験の勉強だけに偏らず、論文、プレゼンテーション、討議、面接を段階的に練習する必要があります。
受験段階別の確認記事
| 現在の段階 | 次に確認する記事 |
|---|---|
| 受験を検討している | 試験科目・問題数・配点 |
| 試験日程を確認したい | 2026年度秋試験の日程 |
| 第1次試験の直前 | 試験時間・時間配分 / 持ち物・服装 |
| 第1次試験終了後 | 解答ライブ投票 |
| 合格発表を確認したい | 第1次合格発表と合格後の手続き |
| 第2次試験を受験する | 企画提案・討議・面接対策 |
よくある質問
大学1年生の3月でも受験できますか?
一般的な進学時期であれば受験できます。2026年度から春試験が始まり、19歳の春、主に大学1年生の3月から受験できるようになりました。正確な受験資格は、その年度の受験案内で確認してください。
春試験と秋試験の両方を受験できますか?
受験資格を満たしていれば、春と秋の教養区分を両方受験できます。春に法律区分など別の総合職区分を受験した場合でも、秋の教養区分は受験できます。
英語試験のスコアがなくても受験できますか?
受験できます。外部英語試験は受験資格ではなく、対象となるスコアや級を持っている場合に最終合格者決定の総得点へ15点または25点を加算する仕組みです。
早い時期に最終合格したら、すぐ官庁訪問を受ける必要がありますか?
直ちに採用される必要はありません。2026年度以降の採用候補者名簿は最終合格発表日から7年間有効なので、採用希望時期に対応する官庁訪問に参加します。
採用後の年収とキャリア
教養区分から採用された後は、採用された府省で係員、係長、課長補佐などを経験しながらキャリアを形成します。
教養区分だから特別な俸給表が適用されるわけではありません。採用後の給与は、適用される俸給表、職務の級、号俸、勤務地、各種手当などによって決まります。
まとめ
国家総合職「教養区分」は、専門試験を課さず、基礎能力、論文、政策提案、討議、面接によって総合的な能力を評価する試験です。
- 2026年度から春・秋の年2回実施
- 19歳の春(主に大学1年生の3月)から受験可能
- 第1次試験は基礎能力試験と総合論文試験
- 第2次試験は企画提案、政策課題討議、人物試験
- 2026年度以降の採用候補者名簿は7年間有効
- 最終合格後も官庁訪問を受ける必要がある
これから受験する方は、まず試験日程と試験科目を確認し、第1次試験と第2次試験の対策を分けて進めましょう。
