公務員の給料・福利厚生

登記官の年収はいくら?法務局職員の給料・役職・仕事内容を解説

登記官の年収を調べると、法務局職員の平均給与や、役職ごとの推定年収が出てきます。ただ、「登記官」は一律の給与が決まった階級ではありません。同じ登記官でも、職務の級や号俸、勤務地、手当によって年収は変わります。

人事院や法務省の公表資料では、登記官だけを対象にした平均年収は確認できません。一方、法務局の一般的なキャリアパスでは登記官は「係長相当職」の例として示されています。人事院の2026年のモデル給与では、地方機関の係長は35歳で年506万6,000円、40歳で年538万6,000円です。ただし、これは登記官だけの平均額ではなく、地域手当が支給されない地方機関を想定したモデルです。

この記事のポイント

登記官の平均年収
登記官だけを対象にした公的な平均年収は確認できない
参考になる水準
地方機関の係長モデルは35歳約507万円、40歳約539万円
主な仕事
不動産や会社の登記申請を審査し、登記記録に反映する

登記官の年収は一律ではない

法務局職員の給与は、基本給に当たる俸給に、地域手当などの諸手当と期末・勤勉手当を加えて決まります。俸給は、職務の級と号俸によって異なります。「登記官に指定されたら年収○万円」という給与表があるわけではありません。

参考として、人事院の2026年国家公務員給与等実態調査では、行政職俸給表(一)を適用される職員の平均給与月額は42万8,451円、平均年齢は41.7歳です。ただし、これは登記官や法務局職員に限った数字ではなく、賞与を含まない月額の平均です。42万8,451円を「登記官の平均月収」と読み替えることはできません。

登記官の水準を考えるうえでは、法務局のキャリアパスと人事院のモデル給与を組み合わせて見る方法があります。法務局の採用資料では、一般的なキャリアパスの例として登記官を係長相当職に位置付けています。

人事院のモデル月額年間給与
地方機関・係長・35歳30万1,600円506万6,000円
地方機関・係長・40歳32万600円538万6,000円

いずれも2026年人事院勧告の改定前のモデル給与です。人事院のモデルでは地方機関について地域手当を非支給として計算しているため、地域手当が支給される地域で勤務する場合は条件が異なります。また、法務局職員や登記官だけを集計した給与ではありません。

法務局職員の給料は何で変わる?

同じ法務局に勤めていても、年収の差を生む要素は一つではありません。特に次の点を確認すると、給与の見通しを立てやすくなります。

要素給与への関係見る際の注意点
職務の級・号俸俸給月額を決める役職名だけでは号俸まで分からない
勤務地地域手当などに影響する同じ俸給でも勤務地で額面が変わる
扶養・住居などの条件該当する手当が加わる全員に同額が支給されるわけではない
勤務成績・在職期間勤勉手当などに影響する賞与を一律の月数だけで確定できない
超過勤務対象者には手当が加わる通常の年収と残業込みの年収を分けて比べる

例えば「登記官は年収600万円」といった数字を見かけても、勤務地や経験年数、残業代を含むかどうかが分からなければ、自分の将来の給与とは比較しにくいでしょう。

登記官は給与上の一つの「階級」ではない

不動産登記法第9条は、登記官を、登記所に勤務する法務事務官のうち法務局または地方法務局の長が指定する者と定めています。商業登記法第4条にも同様の規定があります。登記の事務を取り扱う権限に着目した呼び方で、法務局職員が採用と同時に全員登記官になるわけではありません。

一方、法務局の一般的なキャリアパスでは、係長相当職の例として「係長」「登記官」など、課長補佐相当職の例として「統括登記官」など、課長相当職の例として「首席登記官」などが示されています。役職段階を考える参考にはなりますが、「登記官なら全国一律で○級○号俸」と給与が決まるという意味ではありません。

法務省の採用案内でも、一般職採用後は登記専門職等に昇進し、その後は勤務成績などに応じて係長、登記調査官、登記官等を経て課長職に就くのが通例とされています。異動や昇進の時期には個人差があります。

登記官の仕事内容は?

登記官の中心的な仕事は、提出された申請書と添付書類を審査し、登記記録に反映してよいか判断することです。窓口で書類を受け取って入力するだけの仕事ではありません。

分野扱う内容の例登記が果たす役割
不動産登記土地・建物の表示、所有権の移転、抵当権の設定など不動産の状況や権利関係を公示する
商業・法人登記会社の設立、商号、所在地、役員などの変更会社等の情報を公示し、取引の判断材料にする

例えば土地の相続登記では、申請書や添付書類から申請人、相続関係、登記する内容を確認します。会社の役員変更登記なら、申請内容と添付書類を審査します。法務局は、登記官が申請書と添付書類を基に、申請どおりに登記してよいか厳格に審査すると説明しています。

なお、法務局職員の仕事は登記だけではありません。配属によっては供託、戸籍・国籍、訟務、人権擁護なども担当します。「法務局に採用されること」と「登記官として登記事務を担当すること」は分けて考えると、仕事内容をつかみやすくなります。

登記官の年収を見るときは、平均値の対象を確かめる

登記官だけを対象にした公的な平均年収は確認できません。行政職俸給表(一)の平均給与月額42万8,451円も、行政職俸給表(一)が適用される国家公務員全体の平均であり、登記官の平均額ではありません。

目安としては、法務局のキャリアパスで登記官が係長相当職の例に挙げられていることから、人事院の地方機関係長モデルが参考になります。2026年勧告前の年間給与は35歳で約507万円、40歳で約539万円です。実際の年収は勤務地、級・号俸、各種手当などで変わるため、この数字も「登記官の平均年収」ではなく比較のためのモデルとして見る必要があります。

FAQ

登記官になるには司法書士資格が必要ですか?

登記官は、登記所に勤務する法務事務官のうち、法務局または地方法務局の長が指定する者です。司法書士資格を取得することが、登記官として指定されるための法定要件ではありません。司法書士は申請人から依頼を受けて登記申請を扱う専門職で、登記官とは立場が異なります。

法務局に入れば、すぐ登記官になれますか?

採用された職員が全員、直ちに登記官として指定されるわけではありません。法務局には登記以外の業務もあり、担当やその後の進路は配属・異動によって変わります。

登記官の年収は500万円くらいと考えてよいですか?

一律にはいえません。参考として、人事院の2026年勧告前の地方機関係長モデルは35歳で年506万6,000円、40歳で年538万6,000円ですが、これは登記官だけの給与ではありません。地域手当の有無や級・号俸、各種手当によって実際の年収は変わります。

出典・作成方針

給与統計は2026年4月1日現在の値を使用しました。本文の約507万円、約539万円は登記官の実測平均ではなく、人事院が示す地方機関係長のモデル給与です。2026年人事院勧告後の金額は参考として区別し、現行の確定額として扱っていません。

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